台湾エクスプレスー台南への路(ルゥ) | 旅するえみな

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  故郷定住08


旅はナナメ歩きが面白い

 

花蓮 加油!

がんばれ石川県!

 

きっかけはテレビドラマ

 
 
旅の3日目(2024年4月16日・火曜日)
きょうは台湾新幹線(台湾高鐵)に乗って台南へ向かいます。
 
バナナ
 
この台湾旅についての最初の記事『初めての台湾旅へ(4/20投稿)』で
旅のきっかけについて書きましたが
実はもう一つ、私を台湾へと誘ったものがありました。
 
それは
2020年に放映されたNHK土曜ドラマ
『路~台湾エクスプレス~』
 
台湾新幹線プロジェクトの軌跡を題材に
日本と台湾の人たちの心の絆を描いた吉田修一さんの小説が
NHKと台湾のテレビ局の共同制作でドラマ化されたものです。
 
波留さん演じる主人公春香の微妙な心の揺れ、
そして台湾の人たちとの人情味のあるやり取り、
それらを全てひっくるめて、
じんわりと心に残ったドラマでした。
 
いつか機会があったら行ってみようという漠然とした思いが
あのドラマを見て「具体的な予定」になった・・・。
台湾新幹線に乗るためにきっと台湾に行こう!って。
2020年、コロナが世界を席巻し始め海外旅行に行けなくなった頃のことです。
 
バナナ
 
 
 
きょうの朝ごはん
ホテルから徒歩数分の所にある
『李記豆漿』(営業時間6:00~14:00)
MRT桃園空港線台北駅から徒歩でアクセスできるということでも人気店です。
 
写真で見ると、「ここ、ご飯食べるお店?朝早く開いているお豆腐屋さんじゃないの?」
などと思えて、もし台湾の文化を知らなかったら私などは絶対素通りしそう。
情報が豊かに飛び交う今だからこそ、台湾旅初めてさんの私でも躊躇なく入ることが
出来るのよねー。ありがたい世の中です。
 
割り箸
 
豆漿とは豆乳のこと。
台湾ではお粥と並んで朝ごはんの定番です。
昨日はお粥だったのできょうは豆漿を食べてみたい。
 
左が鹹豆漿。揚げパンや干しエビが入ったおぼろ豆腐みたいなもの。とても優しい塩味。
右が蛋餅。クレープ地にハムやチーズを巻いたもの。醤油みたいなのをつけて食べました。
朝のおなかにはピッタリ、美味しかったです。2人分で合計500円以内。
 
店内で食事中、一人旅の日本人青年が話しかけてきました。
「やばいっすねー台湾。俺、日本で台湾飯のYouTube見てて、あまりに美味そうで、
我慢できなくなって、即ピーチエアに乗ってきちゃいました。
いろいろ食べまくったら、いやー太るわ、太るわ!」
 
台湾の食堂で食べていると必ず誰かが話しかけてくる。
安くて美味しいものを食べると頬も心も緩んでしまう・・・台湾飯マジックねラブラブ
 
バナナ
 
食後ウォーキングを兼ねて少し遠回りでホテルに帰ります。
その途中。
まだ台湾に来たばかりだけれど、街を歩いているとよく見かけるのが
道路際や歩道の端に並べられた花や観葉植物の鉢。
 
日本でもおなじみのもあるし、
いかにも南国的ねーというのもあったりして花好きの私は楽しい。
 
この一角もきれいに手入れされた鉢ものがたくさん並んでいました。
ちょうど建物の中から年配のご婦人がジョウロをもって出てきました。
 
私は「你好!」とお声を掛けてみましたがその方はスンとした面持ちで無反応。
まあ、台湾の人だっていろいろだから皆が皆フレンドリーというワケではないしね・・・
などと思いながら夫と「この花なんていう名前かしらー?」と話していると突然そのご婦人が
「それは〇✕△、安い花だよ」と日本語で話しながら近づいてきました。
 
私「そうなのですね。きれいですね、あなたが育てていらっしゃるのですか?」
ご婦人「そう、このあたりみんなね。でも、ここに置いてあるのは安物。
高いものは持っていかれちゃうからね」
 
あまりに流ちょうな日本語に思わず
私「日本人の方ですか?」と聞けば、
ご婦人「台湾人よ。今年90歳になるわ」と。
 
ああそうか、頭の中で素早く引き算してみる。
2024年-90歳=1934年
1934年は台湾がまだ日本統治下にあった時期です。
終戦は1945年だからざっと計算して彼女が11歳頃までは日本語教育が行われていた
ということでしょうか。
 
彼女の話す日本語は、流ちょうなんだけれど、
どこか遠い記憶を手繰りながら、言葉を探し探し話す様子が何となく気になっていたのが
ふっと腑に落ちたような気がしました。
 
そうと知ってみれば・・・「你好」とお声がけした時のスンとした表情、
そして尋ねもしないのに90歳、と年齢を私たちに言ったこと、
その意味を思い計り、また彼女の複雑な胸の内までも想像したりして
チクッと胸の奥が疼きました。
(もしかしたら彼女は私が思うようなことはなく、
単にご自身の長寿とお元気さを言いたかっただけかもしれませんが)
 
 
何だか花の話題が終わったら次に何をどんなふうに話したらよいのか
分からない気持ちになってしまい、
(本当はもっと話したいことがあったのですが)
私「90歳とは思えないつやつやなお肌、若々しくいらっしゃって素敵ですね」
と言い、記念にお写真をお願いしました。
 
バナナ
 
歴史は、教科書や本の中だけのものではなく、
現実のものとして間違いなく今を生きる私たちにつながっていて、
私たちも未来へより良い形で繋げていかなくてはいけない・・・。
柔和なお顔でほほ笑むご婦人の写真に向かいながらそう思うのでした。
 
バナナ
 
時刻は9:30少し前。
2泊お世話になったホテルを一旦チェックアウトして台湾新幹線に乗るため
台北駅に向かいます。
 
台南で一泊し、また台北の同じホテルに戻る予定なので
スーツケースはホテルに預かってもらい、
リュックに一泊の必要分だけを詰め込んだ身軽な荷物で出発。
 
昨日に引き続き再びの台北駅
 
新幹線出発時刻は10:46。
昨日チケットを入手済みなので余裕。
お土産物屋さんをぶらぶら見て歩いてから地下一階にある台湾高鐵改札へと向かいます。
(新幹線チケット手配に関しては
当ブログ記事『台北ファーストインプレッションは朝がゆ&バイクの川(5/4投稿)』
にちょっとだけ書いてあります。
台湾新幹線旅を検討される方の計画のヒントとして少しでもお役に立てればいいのですが・・)
 
新幹線前
 
プラットホームで列車の到着を待ちます。
 
台湾新幹線は、日本の新幹線技術をはじめて海外へ輸出したもので
2007年に開業しました。
ドラマ『路~台湾エクスプレス』を思い出します♪
 
来ましたよ、台湾新幹線に乗りに!
 
現在は
日本の700系をベースにした700T型という台湾独自仕様の車両が運行されています。
 
台湾新幹線車両(台南駅での撮影)
 
 
私たちは新幹線に無事乗り込み定刻通り台北駅を出発。
 
台湾高鐵は最北の南港から最南の左營まで、
台湾を縦断する全12駅・348.5kmの高速鉄道です。
 
 
車内の椅子のポケットに置かれていた説明図。
 
シートの前後のピッチはとてもゆったりサイズに出来ていて
たぶんスーツケースを足の前に置いてもまだまだ余裕がありそうな感じでした。
 
 
車内販売の様子も日本とよく似ています。
というか思い返せば、ヨーロッパなどの車内販売も似たようなものでした(#^^#)
まあ、そうですよね、設定としてそうそう変わった形態にはならない気がします。
何でも日本の新幹線と似ているって思いたいだけの私ニコニコ
 
 
 
車窓から・台中付近
遠目からですが高層ビルが立ち並び、結構大きな都市なんだろうなあと想像します。
 
 
車窓から
 
台中と台南の間にある嘉義というあたりで
北回帰線を越えます。
この先は熱帯気候の地域。
熱帯地域に足を踏み入れるのは私は初めて。
「北回帰線を越える」という言葉の響きは私の旅心をくすぐります。
 
列車の窓を流れていく景色は、
水田があったり瓦屋根の小さな家が点在していたりと、
「熱帯」の言葉から妄想した私の台湾のイメージとはちょっと違いましたが、
日本のふるさとの風景によく似た懐かしい空気をまとっていたのでした。
 
新幹線前
 
12:32 台南駅到着
 
まるで台南駅をよく知っているかのようにスムーズに旅をしているように書いている私ですが
実は、『台南駅』について大きな勘違いをしていました。
 
 
黄色いマル印の『再發號』
きょうのランチに目指そうとしている、ちまきが美味しいと評判のお店です。
 
台南駅からは黄色い線のルートで1㎞弱。
歩いて10分見当です。
新幹線が12:32着だからゆっくり歩いても13:00よりは前に遅めのランチね、
との心づもりでした。
 
 
そして
ガイドブックなどに載っているレトロな台南駅舎を眺めては
こんな小さな駅に新幹線が停まるのね~などと
ちょっと不思議な気持ちでいたのでした。
 
台南駅構内に飾ってあった台南駅の絵。
(イメージの参考までに)
 
 
それがとんでもない大間違いだと気がついたのが旅行出発の一週間前。
 
旅の最終確認のつもりで台南駅構内の新幹線出入口の様子を検索していて
あっ!と気がつきました。
 
これは新幹線を降りた時撮った駅構内の写真(私撮影)
 
旅行前に「台南駅・新幹線のりば」で検索した時もこのような写真をたくさん見ました。
これどう見てもあのレトロな台南駅構内の様子ではないですよね!?
 
ここにきて私は初めて気がついたのです。
『台南駅(台鐵台南駅)』と『高鐵台南駅』とは全く違う駅!ということに。
 
さらに調べてみれば
『台南駅(台鐵台南駅)』と『高鐵台南駅』とは10㎞以上も離れていて
「あ!違う駅だった、歩いて行こう」などというレベルではありませんでした。
 
私は新幹線を降りたら歩いて10分でお昼ご飯にありつけるつもりでいたのです。
もしこのことに気づかず駅を出たなら
思っている景色と全く違うその状況に、何が起こったのか理解できず
キツネにつままれたような感覚に陥っていたことでしょう。
 
でも、きっとそれはそれで楽しい。
もしかしたらその方がずっと旅は面白いものになったかもしれません。
 
知らない場所への旅はしつこく調べて納得しないと安心できない・・・私。
歳とともにますますその傾向が・・・タラー
この性格が命拾いとなっているのか、旅の醍醐味を逃しているのか…
 
新幹線前
 
高鐵台南駅から台鐵台南駅への移動方法はいくつかあります。
 
①高鐵台南駅と直結している台鉄「沙崙駅」から
 電車で台鉄「台南駅」へ行く(約40分25NTD)
②シャトルバスで台南市内へ行く(約40分)
③路線バス
④タクシー(約30分・約400NTD)
 
この中で魅力的だったのは②シャトルバス。
なぜなら乗ってきた新幹線のチケットを掲示すれば無料で乗車できるから音符
もちろんこれで行くことにしました。
 
🚌
 
バス乗り場は改札を出てエスカレーターを下り、右手の2番出口からすぐ目の前です。
駅自体もシンプルな造りなのでそう迷うことはないと思います。
バスの運行時刻は新幹線到着の時刻と連動しているようでした。
流れに乗って行けば、だいたいそれらしい時間のバスに乗れそうな感じ。
 
「H31」というバス乗り場です。
 
バス乗り場の横には高鐵台南駅と直結している台鐵「沙崙駅」の文字。
沙崙はシャロンと読みます。可愛らしい響きで私は好き。
 
🚌
 
うまくバスに乗れました。
満席かと思いましたが意外と空いています。
新幹線からあんなに沢山の人が降りたのに・・・みんなどうやって移動するのかしらー?
見上げれば、緊急脱出口が天井に。日本ではよく後部席のあたりにあるけど
こちらの方がいろいろな場面で対応できそう。
 
 
 
観光バスに乗ったみたいな気分で車窓からの景色も楽しい。
面白い形の建物ピンク音符
 
🚌
 
なーんて言っていたのもつかの間。
実は新たな難問が汗うさぎ
それは、もはや我が家では恒例となった
海外バス「どこで降りたらいいんだー」問題。
 
なぜかこのシャトルバスは台鐵台南駅には寄りません。
(高鐵台南駅と台鐵台南駅を結んでいるんじゃないの!?
 
バスの路線図を見ても、ここに書かれたバス停たちがいったいどこらへんにあるのか
皆目見当が付きません。
 
私たちは出国前自宅で台南駅付近のグーグルマップとバス路線図とをにらめっこ。
目を皿のようにして地名を探しまくり、
自分たちが行きたいところに一番近そうなバス停にやっと目星をつけました。
 
あとは乗車したらバスの路線図をスマホで検索してそれを見ながら
今、どのバス停を通過したのかを電光掲示板で確認し
降りたい停留所のアナウンスがあったらピンポーンブルー音符だ!チョキ・・・。
 
台湾のバスは安全運転だし、車内電光掲示板も大きくわかりやすいので
いつぞやのイギリス旅の時の「手に汗握る」ようなバス旅ではありませんでしたが
 
やっぱりキンチョーするわタラー
『タダ(無料)』の代償はそれなりだ・・・。
 
このシャトルバスの利用についてのアドバイス的記事には
「宿泊するホテルなどに近い停留所があれば利用価値あり」
と書かれています。
確かにそうかもしれませんが、
私はこの着地点がよく分からない小さなバス旅をけっこう楽しんだのでしたピンク音符
 
🚌
 
目指すバス停『延平郡王祠』で予定通りバスを降りてみました。
時刻は13:30頃。
 
当たり前ですが周りを見渡しても、
私たちが今一体どこにいるのか、なにも手掛かりはありません。
 
ここからはグーグルマップを頼りに
ひたすら『再發號』のちまきを目指して歩くのみ!
 
バナナ
 
食べるために台南の街を歩き回る
その様子は次回に。
 
 
ご訪問ありがとうございました。   えみな