気まぐれ、と言ってしまえばそれまでの話ですけど、ある時、リッケンバッカーにはフラット弦が究極なんじゃないかと思ってしまったのが今回のお話。
でも、以前、フラット弦は封印する、みたいなことを言った気がするんですよね。
たぶん、なんか違和感があったんでしょうね、いまどきフラット弦なんかポピュラーじゃないって。。。
ラウンド弦であればフラット弦みたいな音も出せるけど、フラット弦はフラット弦の音しか出せない。
テンション感も指の感触も今やラウンド弦が普通になってしまっています。
ということで疑うこともなくラウンド弦をいろいろ試し、結果、フェンダーの40〜100弦に落ち着くわけです。
このフェンダーの弦はおそらくダダリオのOEMだと思いますけど、ちょっとだけダダリオとは味付けが違っていて、ボクはフェンダーの方がリッケンバッカーには合うと思っています。
ボクの場合、ライブの本数が少ないので、試すといっても結果を確認するにはスパンが長くなりがちですが、フェンダーの弦の方が相性がいいと実感しています。
そして7月によんぼのサポートで名古屋に呼んでいただきましたが、なぜか当初なかなか狙った音にならず、しかし限られた時間で試行錯誤を繰り返した結果、逆に本番前にはこれまで味わったことのない音が出てきて、ちょっと意外でうれしい経験となりました。
なので、その時のセッティングを忘れず、次の機会へ繋いでいきたいと考えています。
そこでふと思ったのが・・・
じゃあ、それ、フラット弦だったらもっと良くなるんじゃネ?
でも、前述の通り、なんかフラット弦に対してはもう使わない的な感覚があったので、まあ上手くいけばね!程度の半信半疑でもありました。
そのフラット弦ですが、ウチ(ボク)の場合、トマスティックのJF344一択でして、他に選択の余地はありません。
ですので、トマスティック弦が良くなかったから他のフラット弦に、ということはないんですね。
で、このトマスティック弦、現在、◯ウンド・◯ウスさんで買うと1セット¥9,720.-という高価な弦になっていますが、幸いにストック持っていました。
さっそく、それ張りました。
部屋のVOXへ繋いで一応音出ししましたけど、特に問題もなく、というより、このトマスティック弦は音量が上がることをすっかり忘れていまして、おお、いいね、って。
あらためて弦高を3弦4弦だけほんの気持ち持ち上げ、オクターブ調整はキッチリやったので、コンディションはバッチリです。
もう一つトマスティック弦は特に1弦にパワー感があるんだよね。
フェンダーのラウンド弦は逆に1弦のパワーが少なめだから、使い勝手という点ではちょっと悪かったんだけどね、トマスティックはそこが使いやすいバランスになって、現場でもその効果が出ると思うんです。
でね、本当に長い間フラット弦を使ってなかったから、弦を押さえた瞬間にラウンド弦との感覚の違いがわかるんですよね。
若い頃は気分でどちらも使っていたから気にならなかったんだけど、今回あらためて弦高もゲージもほとんど変わってなくても弦が太く感じるのは、これたぶん、ラウンド弦の特徴である巻いてある凸凹の凹部分と、フラット弦はすべて凸部分なので、その微妙な差を指が感じているのかなと思います。
そういう意味では見た目もそんな感じ。
トマスティックの場合、フラット弦特有の詰まった感じがすると思いきや、音はよく伸びます。
とはいえそこはフラット弦、元々はそういう音になっていますので、あとはフラット弦らしさをピッキングでコントロールする感じでしょうか。
名古屋のライブでリッケンバッカーが『これだ!』というくらいの音になったことを受けて、弦を替えてしまうのはそれが吉と出るか凶と出るのか、そこはわかりませんが、ラウンド弦にはいつでも戻せることを踏まえて、今回はちょっとこのままフラット弦でしばらく過ごしたい気分です。
やっぱリッケンバッカーにはフラット弦だよな、って思えるといいんだけどね。