さて、ヤフオク落札の物件、届きました。
ヤフオクの商品説明に、やや順反りと書いてありましたので、ネックの順反りについては了解済みということで、家でさっそく調べてみました。
まず、綺麗。。。
指板にキズらしきものがありません、フレットもまったく減っていませんので、持ち主の方はほとんど弾いてなかったと思います。
ペグは逆巻きですが、快適な動作とは言えず硬いわ、これ。
ブリッジのサドルはスパイラルを採用しているので、フェンダーを意識しているとは言え、どのあたりの年代を狙ったのか不明・・・
ネックは確かに反っているようです。反っているし、ブリッジも高い。。。
一旦ネックを外してトラスロッドを廻しました。
どのくらい締めるといいのかは、ネックの逆反り具合で判断。
このベース、高いものじゃないのに、ネックがボディとキツキツでした。
見事にボディーとピッタリで、ボルトオンのネックでこういうのって気持ちいいですね、さすが木工のYAMAHA!!
ネックは、いわゆるハイ起きと言うのでしょうか、13フレットあたりから20フレットにかけてバズが出ますね~
見た感じ、真っ直ぐなんですけど、なんでだろ・・・
立川のN氏のところに持っていくか、このままほっとくかですけど、まあお金かけて直すほどのものでもないし、たいしたことないので、ちょっと様子みることにしました。
弦をダダリオに張り替えて、ブリッジの高さを弾きやすい高さにして、オクターブ合わせてと。。。
まあ今日のところはこんなところにして、どんな感じか弾いてみます。
フェンダー弾いているのと区別がつかないです。
もう、プレベをすっかり忘れていますね(汗)
ヘッドホンで音出ししてみると、なかなかプレベの音がして、ちょっとうれしかった(笑)
なんか、懐かしいな~
スラップ練習に用意したYAMAHAです。
もちろんスラップ以外でもOK(あたりまえ!)
ボクは先ず第一段階として、遠慮なく叩くことにします(笑)
技術的に云々と言うより、サムピッキングに慣れる必要があります。
これまでに何度も書いたと思いますが、当時のチョッパーは、やたら強いアタックが基本でした。
ルイ・ジョンソン式ですね。
ラリー・グラハムはスラップの元祖といわれていますが、彼の場合通常のピッキングでも、すでにサムピッキングなので、本人は何が?くらいにしか思っていないでしょう(笑)
普通チョッパーなどで親指を使う場合は、叩いた瞬間親指を離す、つまりハンマーで叩いたときのように、弦に当てるという動作なのですが、ラリーは違います。
彼のピッキング位置は、ネックエンドとフロントピックアップの間の深い部分になるのですが、親指で叩いたあとは、そのまま真下のピックガードまで親指が沈み込むようなピッキングになります。
なので、派手に叩きまくる!ということではありません。
むしろ、押さえつける、というピッキングに近いんじゃないでしょうか。
場合によっては、沈んだ親指がそのまま跳ね上って、親指のプルでも音を出します。
さらに、1弦2弦あたりのピッキングは人差し指や中指を使ってプル、ということが基本のように思いますが、彼はそこも基本的には親指。
親指ピック、ですね(笑)
ですので、いわゆる現在のチョッパーの原型に近いのは、続いて現れたルイ・ジョンソンではないでしょうか。
彼は派手に叩きつけ、1弦や2弦は人差し指や中指でのプルを使います。
ピッキング位置も親指はほとんどネックエンドというか指板の上、人差し指と中指がフロントピックアップとの間の深いところ、という感じなので、親指は叩いたあとネックにぶつかり、人差し指と中指は沈めて待っているという関係でしょうか。。。
ラリー・グラハムに比べて、ルイ・ジョンソンはスラップのバリエーションを増やしたし、フレーズも今のスラップの原型とも言えるフレーズを作り出しています。
この二人がボクたち70年代のチョッパーのお手本ではありましたが、それでもルイ・ジョンソンは後発というイメージがあって、彼が出てきたころにはもう業界の一部ではラリー・グラハム風に弾いていましたので、ルイ・ジョンソンの一段と進化したチョッパーを見せ付けられて、ヤバイ!と思っていました。
当時、ラリー・グラハムの映像すらなく、いったいどうやって弾いているんだ!?
そこで、ボクもやりましたが、最初にやっていたのが、弦をつまんで離す、つまり親指と人差し指で弦をつまんで引っ張り、そのままネックへはじくんです。
そのパチンという音こそがラリー・グラハムの音だと思っていました。
しかし、曲によっては、それでは追いつかないんですね(笑)
いちいちつまんでいたのでは間に合わないんです。
そんな頃スライの映像を観る機会があって、初めてラリーの奏法がわかりました。
そうか、そうやっていたのか!しかし、着眼点としては悪くないぞ!って(笑)
でも、その時代の音としては軽い音にしないで、しっかり重たい音にしてソレをやっていましたね。
奏法そのものが珍しかったので、パフォーマンス的にも、さらに出てくる音も圧倒的な音圧をもって弾く、という傾向はありました。
さらに言いますと、チョッパーにしろスラップにしろ、要は弦をはじいてその弦が指板に当る音が基本ですよね。
その場合、ネックは真っ直ぐか順反り状態のほうが弦がムラなく指板に当るので、『それらしい音』になるんですが、逆反りだったり弦高が極端に低いと、はじいてもツマラナイ音だったりして『それらしい音』になりません。
ということは、当時は今に比べ、ある程度弦高も高くセットされていたし、みんな太い弦を張っていたので、ネックも順反りが多かったんですね、なのでそういう意味ではちょうどいい環境だった、というか、なるべくしてそういう音になったというか。。。
という時代背景もあって、ラリーはサムピッキング、ルイになってチョッパーみたいなイメージがあります。
まあ、そんなことはともかくとして、その時代に育ったものですから、どうしてもチョッパーというと派手に叩きつける、もしくは親指でピックのようにアップダウンさせる、というようなことになってしまいます。
しかし、今はそれすらできないわけで・・・
せめて、そこまでくらいはナントカしたい!
極端に言えば、その70年代の音でもいいかな~って(笑)
最新スラップはとうてい出来そうもありません・・・
プレベじゃ似合わないし。。。