ベースに詳しい方であれば、この両者の持つ個性の違いはよくわかると思います。
高層ビルのハイテク企業に、ずっとアナログで仕事してきた初老オヤジサラリーマンが中途採用されたような、そんなイメージですかね(笑)
さらに言いますと、オヤジサラリーマンだって最初っからオヤジだったわけじゃなくて、バリバリの現役時代だってあったんです。
当時は当然お仕事もアナログだったし、オヤジサラリーマンも第一線で働いていけたはずなんですね。
そりゃ今じゃ、時代についていけないところもあるけれど、仕事のなんたるかという根幹的なノウハウや、若い奴らには負けない知識と経験があります。
イザとなったら、オレらのほうが生き残るんだゼ!
・・・という、楽器のことだか自分のことだかわからないような展開(笑)でスタートしてしまいましたが、要するにチープな音のするKAYですが、それは今の音として比べるだけではなくて、楽器の生きてきた時代背景も考えないといけないんじゃないかと、こちらの本当のオヤジ(ボク)は考えたわけです(笑)
そうだよな~、最初っからチープな音にするつもりで作ったんじゃないよな、と。
KAYだって当時は時代の最先端をリードする、ハイテックなベースだったはずですよね。
ボクのKAYはリイシューものですが、Jazz Special Bassの誕生はボクと同じか、いやもっと前になるはずです。
だってそんな年頃なんでしょ?それじゃ今とは大違いですよ!
どうしても、同年代のオヤジとしては、KAYを庇ってしまうんですね(笑)
まだまだ一緒に頑張ろうゼ!!
そういう意味では、KAYが60年近く経っても、まだ『チープな音』として逆に人気もでてくるし、もてはやされることを思えば、果してSugiは60年後にどう評価されるんだろう、と思ったりして。。。
近年の作品であればあるほど、『今』の時代を担う楽器であり、それがKAYのような楽器として、将来も評価を受けるのかどうか。
KAYはエレキベースの元祖みたいなものですから、あるいはいつになっても元祖としての評価は受け続けるかも知れませんが、Sugiのようなベースになってくると、今はいいけど、いずれ流行らないタイプとなるかも知れませんよね。
あるいは消えてしまうのか。。。
そりゃもう、ボクにはわかりませんね。
10年単位で考えても、なんかそんなブランドって、すでにありそうですけど・・・
じゃあ、今の楽器がどうすればいいのか、ってことになると、やはりスタンダードな質のいいものを作る以外にないんでしょうか?
どこかで画期的なベースが生まれて、それがスタンダードになっていくことだって、そりゃ有り得るわけですが。。。
KAYは同世代という親密感もあるし、ニューカマーであっても使い勝手がわかっているので安心ですが、Sugiは充分スタンダードではあるけど、このアナログオヤジは、現役バリバリに一生懸命ついていこうとしているような、そんな風景が今、見えるんですね~。