銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

一言で大腸がんと言っても、発生部位によって症状が大きく異なります

 

まずはその前に、大腸について

1.5‐2mのものがお腹の中に入っているって不思議な感じがしませんか?

 

とは言っても、小腸は6mちょっとあるので、合計8m近くが人間のお腹の中に納まっているわけです

 

大腸の主な働きは、水分やミネラルの吸収です

 

小腸で栄養分や水分を吸収し、大腸では残った水分などを吸収して、便を作ります

 

 

一番左が正常の便の作られ方です

 

小腸から大腸に入ったすぐ(盲腸あたり)では、食べ物は液体状になっています

 

そこから大腸を通る間に水分が吸収され、どんどん形ができてきて、最後は固形の便になります

 

 

便秘の場合は、大腸を通過する時間が長いため、水分が吸収されすぎてコロコロの硬い便になります

 

下痢の場合は、あっという間に大腸を通り過ぎるので、柔らかい液状のまま液状の下痢便となります

 

 

 

ということを踏まえて、症状を見てみます

 
大腸がんでは、がんが大腸の通り道を狭くしたり塞いだりすることで症状が起きます
 
体の右側、盲腸~上行結腸~横行結腸にがんができている場合は、便が液状なので、通り道が狭くなっていても簡単に通過してしまうため、無症状であることが多いです
 
ただ、がんからの出血が続いているため、知らず知らずのうちに貧血になっていることがあります
 
また、無症状のままがんが大きくなって、大きな硬いしこりとして触れることもあります
 
 
体の左側、下行結腸~S状結腸~直腸にかけては、硬い便が狭くなったところを通るため、腹痛や便秘、便の狭小化、便ががんに擦れて起こる血便などが見られます
 
狭いところに硬い便が完全に詰まってしまうと、腸閉塞になり強い腹痛や嘔吐などが見れます
 
 
こちらが、よく言われる一般的な症状です
これらの症状が、先ほどお話しした部位によって違いがあるということは、あまり知られていません
 
大腸がんに特有という訳ではないですが、「便秘と下痢を繰り返す」というちょっと変わった症状があります

大腸がんによる便秘(便の通過障害)が起きた時に、便を柔らかくして狭いところを通過させるようと大腸から粘液が多量に分泌されます
 
そうなると今度は下痢が起こり、しばらくするとまた通過障害によって便秘となるということを繰り返します
 
 
ちなみに、普段から便秘の人は大腸がんになりやすいという噂もありますが、医学的には否定されています
 
最後に、大腸がんの発生部位について
直腸とS状結腸が最も多く、約7割の大腸がんがこの2部位にできます
 
欧米ではS状結腸がんが少なく、盲腸がんが多いという特徴があります
 
 
 
 
 

 

「銀座みやこクリニック」では、がんの専門家がじっくり答えるセカンド・オピニオンを受け付けております★

 

お申込みはお電話かお問い合わせフォームから