銀座みやこクリニック院長の濱元誠栄です

 

 

乳がん治療完全ガイドで、ホルモン陽性乳がんでステージ4の場合の薬物療法についてまだまとめていなかったので、、、

 

術前・術後の薬物治療については以前まとめました

 

 

ちょっと変わっているのは、「症状のある(=命にかかわるような)内臓転移の有無」で治療方針が変わることです

 

症状のある内臓転移というのは、

・脳転移でけいれんやマヒなどがある

・肺転移で咳や血痰がある

・肝転移で腹痛などがある

などのことを指します

 

当院の患者さんで、肝転移があるものの無症状、多発骨転移があるものの骨転移だけというような方は、ホルモン療法だけが行われています

 

抗がん剤治療は、後日書くトリプルネガティブ乳がんと同じような感じです

 

 

ホルモン治療の場合

閉経前ホルモン陽性乳がんの治療で、LH-RHアゴニストは必須の薬剤です

 

LH-RHアゴニストは簡単に言うと、女性ホルモンを低下させて閉経状態にする薬剤です

 

ホルモン陽性乳がんは、女性ホルモンを栄養として育つので、女性ホルモンを低下させてあげる必要があります

 

それに、抗エストロゲン薬を加えるのですが、CDK4/6阻害薬であるベージニオもしくはイブランスを併用することもあります

 

CDK4とCDK6は、がん細胞が増殖する周期を調節する因子です

 

①正常な細胞のイメージ画像

 

 

がん細胞では、CDK4とCDK6が盛んに働いて増殖しています

 

②乳がん細胞のイメージ画像

 

ベージニオはそのCDK4/6ともにブレーキをかけて増殖を抑える薬剤です

③ページニオで治療した場合のイメージ画像

日本イーライリリーHPより

 

 

CDK4/6阻害薬は、「ホルモン剤だけでは弱いかなー、でも抗がん剤をするほどでもないんだよな」って時に使われると思っていてください

 

無症状の転移がある場合には、間違いなくベージニオかイブランスが併用されます

 

でも、最近のデータでは、ベージニオなどのCDK4/6阻害薬を併用しても、生存期間は変わらない(無増悪生存期間は有意に延長)に変わったので、副作用が強いけどそこまで重宝する薬剤ではないのかもしれません

 

 

生存期間が延長しているように見えますが、統計的には有意差がないようです

 

 

 

閉経後の場合には、LH-RHアゴニストは使用せず、アロマターゼ阻害薬かフルベストラントが使われます

 

 

アロマターゼ阻害薬とフルベストラントについてはコチラを

 

それらが無効になった場合には、エキセメスタンという新しいアロマターゼ阻害薬+エベロリムス(アフィニトール)の併用療法を行いますが、ガイドラインでも強く推奨されている訳ではありません

 

 

ホルモン療法で粘りに粘って、使える薬剤が無くなったら抗がん剤治療に移ります

 

ホルモン療法は、抗がん剤治療までの期間を延ばすための治療という感じです

 

 

 

 

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