NK細胞療法を行っている施設は
最近ではだいぶ減ってしまいましたが
2010年代前後半ばくらいに
NK細胞療法の一大ブームがありました
多種あるがん免疫療法ですが
流行り廃れりがあると
これまでお話してきました
では、NK細胞療法の大ブームは
どうして起こったのか
なぜ現在は廃れてしまったのか…
NK細胞療法は1980年代にはすでに
開発されていましたが
当初は他の免疫療法のような
期待は持たれていませんでした
その理由はNK細胞は数が少ない上に
NK細胞だけを培養するのが難しい
という特徴があったからです
2000年代になって培養技術が向上し
同時に、NK細胞を”活性化”させる
方法が次々と開発されました
2010年前後には大学病院でも
NK細胞療法の臨床試験が行われ
プチブームが起こり始めました
その後2010年代半ばごろから
中国のインバウンドが活発になり
同時に医療ツーリズムも盛んになり
当時中国では行われていなかった
NK細胞療法が注目されました
当時の中国向けの広告には
NK細胞療法で末期がんも治る
NK細胞療法でがんを予防できる
しまいには
NK細胞療法で健康になる
とまでうたわれ
日本でNK細胞療法をすること
がステータスのようになりました
仲介会社の手数料を除いても
300-500万円をポンと支払うので
NK細胞療法は儲かるということで
実施するクリニックが急増しました
これが一時期のブームの要因です
質の悪い仲介会社も増えましたが
質の悪い培養施設や医療機関も増え
玉石混交のひどい状態でした
こんな状態はそう長くは続かず…
末期がんでも治るというから
日本でNK細胞療法をやったけど
結局亡くなってしまった
がんの予防になるというから
日本でNK細胞療法をやったのに
がんになってしまった
など悪い噂ばかりが増え
NK細胞療法は効かない
と中国で評判になってしまったので
NK細胞療法は廃れてしまいました
他の要因として
その間に再生医療法が施行されて
(免疫療法は再生医療に含まれます)
今まで好き勝手やっていた施設が
法律で認可されなくなったり
あと
NK細胞療法には弱点があるので
そのためか
臨床試験の結果が芳しくなく
大学病院でも行われなくなりました
なんか今回は
ディスっただけで終わりそうですが
悪い治療法ではないですよ…汗
次回はちゃんと
NK細胞療法のメリット
についてお話します
気分転換に先日頂いた
ペコちゃんランチパックの写真でも