10月から干支関連商品のご紹介をしながら飛び飛びでは御座いますが、べっ甲豆知識的なお話を交えながら、そのお話しに因んだ商品をご紹介しております。そして最近はべっ甲の種類とそのべっ甲に手掛けられる装飾の種類(蒔絵や彫刻など)との関係ついて、希少な白べっ甲のかんざしを例に挙げてご紹介して参りました。

 

最初は白べっ甲にほとんど手(装飾)を掛けない無垢のままのかんざし、そして蒔絵装飾を施したかんざし彫刻を施したかんざし。前回の彫刻を施したかんざしをご紹介した際にもご説明したように、彫刻にも大きく分けて”透かし彫り”と”高肉彫り(たかにくぼり(ししぼり)”とがあります。

 

前回は高肉彫りのかんざしをご紹介しましたので、本日は透かし彫りを施した白べっ甲のかんざしをご紹介させて頂きます。

 

 



















 

 

かんざしの板面一杯に彫刻された文様は、吉祥文様青海波(せいがいは)文様麻の葉文様。青海波文様は、扇の形を三重に連ねた形状は波を表し、大海原に幾重にも繰り返し広がる波を、未来永劫へと続く平安になぞらえた吉祥文様です。遠い昔、シルクロードを経て飛鳥時代から平安時代にかけて日本に伝わったとされています。

 

そして六つの菱形が放射状に広がる麻の葉文様は、日本の伝統文様の一つ、古くは平安時代の仏像の装飾に見られ、麻の葉に似ていることからこの名が付いたと言われています。

 

この麻の葉文様には、魔除けの効果があると言われていることと、麻はすくすくと真っすぐに伸びることから、赤ちゃんの成長を願う意味をこめて、昔はよく赤ちゃんの肌着や産着などに麻の葉の模様を縫い付けたりしていました。今でも特に女性の着物や肌着、長襦袢などに、麻の葉の模様が多く見られるのはこのことからです。

 

今までにも麻の葉文様をモチーフにしましたかんざしは、何度かご紹介して参りましたね。

 

 

白べっ甲鶴麻の葉彫り簪|鶴は千年、亀は万年、吉祥の鶴と亀と麻の葉のおめでたい簪。留袖、結婚式に」ブログ2018年01月05日号

 

 

べっ甲麻の葉透かし彫りかんざし|結婚式、礼装、準礼装のお着物にお勧め|邪気を払う麻の葉文様。」ブログ2017年04月07日号

 

 



















 

白べっ甲に見事に透かし彫り彫刻された吉祥文様。前回ご紹介しました、輪郭に陰影(高低差)を作り、意匠の部分を高く盛り上がったように見せる高肉彫りの牡丹のかんざしと比べ、比較的”平面的”ですっきりとした表情に仕上がりになっていることがお分かり頂けるかと思います。

 

このように、白べっ甲を用いたかんざしや帯留の場合、白べっ甲自体が既に大変贅沢で高価なものになりますので(花嫁さんがお挿しになる花嫁用かんざし一揃えや、芸者衆黒留袖で挿すかんざしも基本的にはすべて白べっ甲)、美しい白べっ甲の光沢や温もりを生かした作りが多くなります

 

そうしたことから、折角の白べっ甲を覆い隠すような蒔絵装飾や、華美な装飾は敢えてせず、あくまでシンプルに、場合によってはかんざしの形状に模るだけの無垢のままのかんざしが、白べっ甲を用いたかんざしや帯留では多くなります。

 

 






























・白べっ甲青海波麻の葉透かし彫りかんざし【abkbf181208-1】¥288,000+税 【完売】

(大きさ:縦約127㎜、横78㎜、厚み4~3㎜)

 

 

 

 

黒留袖、色留袖、訪問着にお勧め|贅沢な白べっ甲牡丹彫りかんざし、べっ甲と彫刻+べっ甲豆知識。」ブログ2018年11月27日号

 

 

優しい印象の総白べっ甲杜若螺鈿金蒔絵かんざし+べっ甲豆知識|白べっ甲にカキツバタの螺鈿金蒔絵。」ブログ2018.11.22号

 

 

無垢のままで美しい白べっ甲、蒔絵を引き立たせる黒べっ甲|先白べっ甲蝶金蒔絵一本挿し+べっ甲豆知識」ブログ2018.11.21号

 

 

べっ甲本来の優しい温もりと美しい光沢の白べっ甲+べっ甲豆知識|大変希少で贅沢な鼈甲簪2018」ブログ2018.10.23号

 

 

モダンで美しいべっ甲かんざし|準礼装のキモノにお勧め|べっ甲幾何学模様螺鈿金蒔絵かんざし2018」ブログ2018.10.07号

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※1980年にワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)に日本が批准し、それ以降、べっ甲材料の輸入量は段階的に減っていきました。そして、日本が開催国となった第8回(1992年)締約国会議(加盟国で2,3年に一度開催される会議)が開催された年をもって、それ以降現在に至るまでべっ甲材料の輸入が停止されています。現在制作されているべっ甲製品は、その年以前に輸入した材料を少しずつ大切に使用しながら制作されています。

 

 

 

 

どのようなかんざしがおすすめか、分からないことなど御座いましたら、どうぞお気軽にご来店の上ご相談ください。色々とお話を伺いながら、ご予算を含め、常時取り揃えております数百種類の中から、最もふさわしいかんざしをお勧めさせて頂きます。

 

 

 


▼【白べっ甲かんざし】まとめ(留袖・訪問着・小紋などにおすすめ)

 

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▼【黒べっ甲かんざし・真珠使い】まとめ(留袖・訪問着におすすめ

 

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鶴は千年、亀は万年古来より縁起物として、広く祝事に尊ばれてきたべっ甲

一生に一度の晴れの舞台、結婚式などに出席される新郎新婦のお母様ご親族の方、またご列席されるお客様も、是非べっ甲のかんざしをお勧め致します。べっ甲であれば、大切に保存して頂ければ、一生持ちますし、べっ甲職人が磨けば、ほぼご購入当時のべっ甲本来の輝き、美しさが何度でも蘇ります。また万が一、足などが折れてしまっても修復が可能です。そういった意味からも、べっ甲は次の世代へも受け継いで頂ける素晴らしいかんざしです。

 

 

 

 

 

※天然素材(べっ甲、象牙、珊瑚、真珠等)、貴金属(金、銀、プラチナ等)を用いた手作り品は、製作時に使用する材料費、工賃等により価格が変動する場合が御座います。また、ひとつひとつ大きさや形状、装飾などが若干変わる場合が御座います。予めご了承ください。

 

 

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