あの人、なんだかうまくいっている。
経験は自分と大差ないはずなのに、なぜか結果が違う。
「運がいいのかな?」
「要領がいいのかな?」
「人脈があるのかな?」
「実は裏ワザを使っているのかな?」
理由はいくつも考えられますが、
もしかするとその差は――
“観察力”の違いかもしれません。
そして、その観察力の根っこにあるのが、
**「興味の質」**です。
観察力は「興味の向き」で決まる
人の話を聞くとき、
同じように相手を見ているつもりでも、
-
自分に役立つ情報を探す興味
-
相手を理解したいと思う興味
この二つでは、見えている世界がまったく違います。
前者は自分軸の興味。
後者は相手軸の興味。
観察力を育てる第一歩は、
相手を分析することではありません。
「相手の世界を尊重しようとする興味」
その姿勢こそが、観察の始まりです。
観察できない人は「余裕」がない
コミュニケーション講座を通して、
これまで200人以上の方と向き合ってきました。
その中で、はっきり感じた共通点があります。
コミュニケーションが苦手な人ほど、
他人を見る余裕がない。
正確に言えば、
「他人に興味がない」のではなく、
自分のことで精いっぱいなのです。
-
どう見られているか
-
うまく話せているか
-
嫌われていないか
意識のベクトルが常に「自分」に向いている。
だから、相手を観察する余白がなくなってしまう。
この構造、実は――
ビジネスや集客でもまったく同じです。
「売りたい」に意識が偏ると、顧客が見えなくなる。
「どう見せるか」に囚われると、相手の感情が見えなくなる。
観察力を失うとは、
余裕を失うことなのです。
人は誰しも「受け入れてほしい」
人間の根っこにある願いは、とてもシンプルです。
「愛されたい」
そしてそれは、
**「そのまま受け入れてほしい」**という想い。
もしそれが叶わなければ、
人は次にこう願います。
「せめて認めてほしい」
――つまり、承認です。
多くの人は、
相手を理解するためではなく、
自分を評価してもらうための興味で
コミュニケーションをしてしまう。
それでは、どちらも疲れてしまいます。
まずは、否定せずに受け止める。
「なるほど、そうなんですね」
この一言が、信頼の入り口になります。
信頼の始まりは「味方だ」と感じてもらうこと
脳科学の世界では、
人は出会って0.2秒で敵か味方かを判断すると言われています。
だから大切なのは、
話の内容よりも先に、
「この人は自分の味方だ」
と感じてもらうこと。
それを生むのが、
相手を理解したいという興味です。
観察とは、分析ではありません。
相手の世界に、敬意をもって入っていくこと。
川端康成という「観察者」
川端康成は、
作家というより**“観察者の詩人”**でした。
彼の文章は、
説明せず、裁かず、
ただ人の「気配」や「息づかい」を静かに見つめる。
『雪国』冒頭の
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」
この一文には、
風景だけでなく、人の心の温度までもが宿っています。
川端の興味は、
理解することではなく、感じ取ること。
相手を変えようとせず、
存在そのものを受け止める姿勢。
だからこそ、
彼の作品には沈黙の中の温かさがあります。
見ることは、愛することの始まり。
観察できる人は、信頼される
観察できる人は、聞き上手です。
話すより、感じ取ることを大切にします。
それは
「正しさ」を確かめるためではなく、
心の温度を感じ取るための興味。
コミュニケーションも、マーケティングも同じ。
観察とは、
相手を理解する前に、
存在を肯定する力です。
観察者の心は「幸福ホルモン」が育てる
観察には、心の余裕が必要です。
その近道は、意外にもとてもシンプル。
体を動かすこと。
私の経験上、
笑顔であいさつしながらのポスティングは最強です。
-
セロトニン:日光を浴びて歩くことで安心感が生まれる
-
ドーパミン:小さな行動の完了が達成感を生む
-
オキシトシン:「ご苦労さま」の一言で心が温まる
この三つが揃うと、
不思議と視野が広がり、
自然に“観察者の視点”が戻ってきます。
まとめ|伝える前に、受け入れる
川端康成は、
沈黙の中で人の心を見つめ続けました。
私たちもまた、
会話の中で、発信の中で、
顧客との関係の中で――
観察者であることを思い出す必要があります。
話す前に、受け入れる。
伝える前に、味方になる。
それが、
コミュニケーションにも、集客にも通じる
**川端康成流「静かな観察の哲学」**です。
学びを実践に活かしたい方へ
「話すのが苦手…」
「どう伝えればいいか分からない…」
そんな方は、こちらも参考にしてみてください。
言葉を磨くより、まなざしを磨く。
観察する力が、信頼を育てます。
P.S.
川端康成は1968年、日本人初のノーベル文学賞を受賞しました。
評価されたのは、
人の内面を「静かに受け止めるまなざし」。
それは特別な才能ではありません。
日常の会話、発信、チラシづくりの中でもできること。
見ることを、愛に変える。
それが、川端康成の“観察の哲学”です。