昨日のI Stand Alone vol.1の「久しぶり聞き」がおもしろかったので、引き続きvol.2をひっぱりだしてきた。
そうか、この頃はまだしこたまお酒を飲んでいたんだなあ。ジャケを見るとそういう顔つきだ。
おまけにちょっとぽっちゃりしてるしなあ...。なんて、おいおい、いまごろになってジャケを変えたいなんていうんじゃないだろうね、銀次君。


I STAND ALONE Vol.2/伊藤銀次

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2009年のアコギ弾き語りツアーでは、ファンのみなさんからホームページにリクエストをいただき、それを基本にセットリストを考えた。いやー、僕が選ぶのとまったくちがっているので新鮮だった。「作る人」と「食べる人」ではこうもちがうものなのか。
たとえば、vol.1に入っていた「風のプール」。割とすぐにできたので思い入れが少ない。83年のオリジナル・レコ発以来歌ってないが、リクエストがあったので自己コピーしてみた。
あれ?意外にいい曲じゃない?自分の中でもずいぶんナイアガラ色の濃い曲だなあ。みなさんからのリクエストで自分の曲のいいところを再発見することができた。
どんな曲でもいったん手元を離れたらもうお客さんのもの。お客さんに愛されていればそれでいいのだとドライに考えていたが、あらためて自分の曲達がどれもかわいく思えるようになった。そんな気持ちになれたみなさんからのリクエストに感謝しています。

この「I Stand Alone vol.2」は嘘偽りなく、歌とギターを同時録音した。確かに下手いなと思うところもないとは言えないが、ProToolsとかでなんでも直せるご時世に、あえて反旗を翻してみた。どんなにデジタル化が進んでも人間はアナログのかたまり。自分の中のアナログなアウトプットだけでどこまで勝負できるのか。非力だがトライしてみたかった。いつも志しだけは高く持っていたい。

今日はその「I Stand Alone vol.2」のセルフ・レヴューといってみようかと思う。



01) ニューライフ

佐野元春に薦められて読んだジャック・ケルアックの「路上」にインスパイされて作った。
短いあいだだが、京都でヒッピーまがいの生活をしていたことがある。その頃琵琶湖の近くでトラックの荷台から見たのと同じような素晴らしい星空に関する描写があって、そこにとても感動した。
今でもときどき京都時代にお世話になった徹君やマシューのことを思い出す。みんな元気にしているのだろうか?


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意外だったのは、vol.1の「ビューティフル・ナイト」と共に、この「ニューライフ」の人気が高かったことだ。どちらかといえば男のロマンというか、銀次レパートリーの中では硬派の部類のこの曲を支持してくださるなんて、ファンの方達は僕の内なるロックな魂をわかってくださっているのだ。こんなうれしいことはない。

もともとギターのために作られていないイントロを、ピアニストが左手と右手で演奏するように、ギターの低音部と高音部のアンサンブルで弾こうとすると、左手の指使いに不自然な動きが出てくる。それが昨日書いた、左手の人差し指が曲がらなくなった一番の理由である。
初日の名古屋ではちょっと痛くてどうなるかと思ったが、なんとか弾き通せた。ラッキーというしか言いようがない。

その原因になった「I Stand Aloneの3大腱鞘炎イントロ曲」というおそろしい3曲がある。
それは「真冬のコパトーン」、「Dear Yesterday」、そしてこの「ニューライフ」だ。
いずれもそのイントロに魔物が棲んでいると、もっぱら伊藤銀次一人で噂にしていた。

オリジナルの「Person To Person」のバンド・ヴァージョンでは、デヴィッド・ボウイやカーズみたいなことが演りたかった。85年頃の僕は低音に活路を見い出そうとしていたようだ。



この曲とかメン・アット・ワークとかの影響がニューライフにはある。キーワードはサックスだ。




02) 涙の理由を

自分では思ってはいなかったが、寺澤君や黒沢君が僕のことをロイ・オービソンみたいだと形容するのもわからないでもない気がする。弾き語りで歌うようになるまで、歌に自信がなかった。常にサウンドといっしょでないと銀次ワールドは成立しないとも思い込んでいた。
ところが弾き語りとなると、そんなことは言っていられない。自分の歌、声と対峙してやっていくしかないのだ。2009年は各地のライブハウスをまわりながら、モニターを通して聞こえてくる自分の歌との一問一答の日々だったような気がする。

この曲はいつも2回目のアンコールに用意してあったので、やらなかった会場もある。
気をつけないと、曲の涙ワールドに過剰反応し過ぎて、オーバーな歌い方になってしまう。
特に、前の日のこの歌がすごく観客に伝わっていたという感触のある日こそ気をつけなければならない。
お客さんを泣かそう泣かそうとして歌っている自分に気づくと、恥ずかしくなってしまう。
抽象的だが、いつも邪念のない澄んだ気持ちで歌っていたいと思う。

MCでも言ってたが、40歳を迎えるとき、日本のフィル・コリンズになるぞと意気込んで作った。見事になれなかった。原題は「涙のツンタタ」。その詩にその後の「幸せにさよなら」の趣がある。
ロイオービソンもJ. D.サウザーもまったく念頭にはなかったが、言われてみると、深いところにこの2曲の残像が残っていたのかも知れない。とにかくツンタタ・ツンタのリズムがやりたかった。。





92年に発表したとき、ファンの方達の反応はいまいちだったが、だんだん受け入れていただけるようになってきた気がする。僕はフィル・コリンズになれなかったけれど、みんなは大人になったんだね。





03) あの娘のビッグ・ウェンズデー

このイントロのギターはむずかしい。1弦の開放Eと2弦のD#、3弦のBで、♪キャララ、キャララ、キャラというアルペジオを弾きながら、1小節ごとにE、C#、F#、Bと低音を入れていく。
EからC#へ行くところはらくちんだが、C#からF#へのベースが実にムズい。
音が途切れたり,6弦のF#を強く押さえ過ぎたりするので要注意だ。
でもこのイントロのアイデアが見つかった時はうれしかった。
シンセ&ギターによる、このイントロがないと「ビッグ・ウェンズデー」じゃないからだ。
その曲をその曲たらしめている部分があり、それは歌のメロディーと同じぐらい重要なのだ。
そのアイデアが浮かぶまで寝かせておく。「Monday Monday」なんかは1年くらい寝かせてあった。




04) 誰のものでもないBABY

ポール・サイモンの「Mother And Child Reunion」みたいなポップ・レゲを作ろうと始めたが、冬っぽい少し切ない曲に仕上がった。康珍化さんの詩の影響も大きい。歌っていても心の景色が見えてきて切なくなる。
こないだのモメカル・ライヴでお話したご夫婦。奥さんがこの曲の大ファンらしく、サビの♪誰のものでもなーいベイビイを何度も僕に歌ってくださり、ほんとにいい曲ですね、今日は歌ってくださるの?と聞かれたが、あいにくギターを持ってきていなかった。もしギターがあったらサワリだけでも、歌ってあげたくなるほどノリのいい方だった。
「涙の理由を」もこの曲も歌い始めると、ライヴハウスの静けさがさらに濃密になる気がする。







05) 幸せにさよなら

この中では一番長く歌っている曲。ブルースやロックの世界からポップスの世界へ移行する節目になった曲だ。大瀧詠一さんが最初にこの曲を評価してくれた。
忘れられない思い出がひとつ。福生時代、ある日大瀧さんに「幸せにさよならのイントロ、あれはモンキータイムだろ?」と言われたのだが、何のことやらわからなかった。
不勉強な僕はオールディーズに関する研究が浅く、恥ずかしながら大瀧さんの言うメジャー・ランスのモンキータイムを聞いたことがなかった。
すぐに聞かせてもらい驚いた。モンキータイムのイントロは、まったく無意識に作った「幸せにさよなら」のイントロとそっくりだったのだ。それはカーティス・メイフィールドの作曲&プロデュース作品。僕の中に「潜在カーティス」があることを発見した瞬間。きっとそれと知らずいつかどこかで耳にしていたフレーズの残像なのだと思う。
インプレッションズとかカーティス作品をそれから意識して聞くようになった。僕の「4月の扉」という曲は、確信犯でカーティスを意識して作った曲である。





大森だったと思うが、2009年のツアーの演奏終了後のサイン会で、あるファンのかたにこんなことを言われたことがある。

「きれいな曲をいっぱい作っておいてよかったですね。」


ジーンときた。この言葉こそ、弾き語りツアーへの最高の賛辞だったからね。


なにかと縁のある武蔵小山アゲイン。こないだの「銀流フォークロック伝」での黒沢君のエレキ12弦に刺激された小松久さんが、今度のアゲインでのご自分のライヴで12弦をプレイされることになった。にわかに広がる12弦の輪。2月10日の小松久ソロ・ライブ『大好きロックンロール・ギター#7』12弦ギター特集,これは見に行かなきゃ。

モーメント・ストリングス・カルテットのアゲインでのライヴでは1回目からずっと、バレバレのシークレット・ゲストとして歌わせてもらっている。もうバレバレだから告知しちゃうが、次は3月18日。
今度はディズニーの曲を歌ってみたいと思っている。1月20日号「空も飛べるはず」で、立ち泳ぎ的空の飛び方を説明するために、ピーターパンの映像を使ったことがきっかけ。またこういう夢のある感じのメロディーが僕の中で来ている。
YouTubeでいろいろ見てるうちに歌いたくなったのが、そのピーター・パンで使われた「右から2番目の星」。オーソドックスにピノキオの「星に願いを」にしようか迷ったが、あまり知られてないこちらをほうを選んだ。きっと「星に願いを」には邦題で負けてるんだろうな。知られてないけどいい曲なんだよ。





もう1曲ぐらいディズニーを歌いたいと思っているがまだ考え中。たぶんもう少しテンポのある明るい曲を選ぶことになるだろう。これもちょっと気が早いがお楽しみに。


27日の夜、ひさびさに「I Stand Alone vol.1」を引っ張り出してきて聞いてみたくなった。
発表してから時間のたった自分のアルバムを聞くことはあまりないことだが、2月20日に発売されるDVD「Ginji Ito : I Stand Alone 2009」のオフラインを見終わったら、いろんな思いがこみ上げてきて、無性に聞きたくなってしまったのだ。


I STAND ALONE Vol.1/伊藤銀次

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今ではシリーズ化され合計4枚も発表されている「I Stand Alone」の記念すべき1枚目。ライブハウスでの弾き語りの雰囲気を出したかったので、マスターにお願いして、新宿レノンハウスに機材を持ち込んで録音したものだ。風のプール、風になれるなら、雨のステラ、ティナ、ビューティフル・ナイトの5曲が入っている。

ひさしぶりに聞いた2009年の伊藤銀次のなんと初々しいこと。あきらかに2009年の後半からの銀次のほうがこなれた歌と演奏になっていることはまちがいないが、アコギの弾き語りで歌い始めた頃のこの初々しさはなんともいえない。ここからすべてが始まったんだなと思うと、とても特別なCDに思えてきた。

27日の昼間はモーメントまで出かけ、DVDに追加するコメント取りと撮影。ツアーをプロデュースしてくれ、今回のDVDを制作してくれている寺澤君と話していると、いろんなことが思い出されてきてならなかった。
ツアー初日の2月20日名古屋の前日に、練習のし過ぎから左手の人差し指が曲がらなくなったこと、ツアーをプロデュースしてくれた寺澤君と衝突したけれどそれでさらに理解が深まったこと、旭川のアーリータイムスではアンコールでマスター自らフラワーズ・イン・ザ・レインをリクエストしてくれたこと、広島ではシンモ君と元レイニー・ウッドのキーボード、上綱さんと「ウィーピング・イン・ザ・レイン」をセッションできたこと、福岡ではちょうど帰省中の杉真理君にゲストで出てもらったこと、その打ち上げでお店中の人に対して僕が「手かざし銀次」になってしまったことなど、走馬灯のように蘇ってきた。そしてサイン会で会えた一人一人のファンの方達のお顔が思い出されてならなかった。あー、またツアーがしたくてムズムズしてきたよ。



I Stand Alone Vol.1にも入っている「風になれるなら」。演り始めた頃は、体全体で勢いつけて弾かないとうまく弾けなかったのを思い出す。


そして昨日28日、uncle-jamはリハーサル・スタジオに入って、スケッチができあがった「ストロベリー・ワイン」にコーラスやイントロをつけたり、生きた曲としての肉付けをして、ついに完成をみた。
(パチパチパチパチ)
音を出し始めた時はまだぎこちない感じだったけれど、二人でいろいろアイデアを出しあって、何度も何度も歌っていくうちに、うれしいことにどんどん曲がふくらみ、いい感じに化けてくる。
シンプルな曲だからといって手を抜かず、詩やメロのアイデアをブレずにしっかり作っておくと、思った以上に育っていくものだ。何事にも疑り深い二人が「ひょっとするといい曲かもしれない」と思ってるくらいだから、これはきっといい曲にちがいない。石橋をたたいて渡る二人が「いいね、いいね」を連発、今日は珍しく自画自賛バンドだった。みんなに聞いてもらえる13日が楽しみだ。



uncle-jamのuki-uki☆music club vol.2

date: 2011.02.13(sun)
place: 風知空知 (下北沢)
東京都世田谷区北沢2-14-2 JOW3ビル4F
(下北沢駅徒歩3分、南口商店街)

open: 18:00 / start: 19:00
ticket: ¥3,500-(前売) / ¥4,000(当日) *1drink別途

風知空知 電話予約(1/21~): 03-5433-2191(17:00~26:00)

info; 風知空知 03-5433-2191

*当日は先着・整列順入場です。
*開場の30分前(17:30)より、お店の建物の左手側のらせん階段にお並びいただけます。
*上記の時間より前は他のお店の営業の妨げになってしまうためお並びいただけません。ご協力のほどよろしくお願いいたします。



僕はビートルズ(3) (モーニングKC)/かわぐち かいじ

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かわぐちかいじ「僕はビートルズ」第3巻、待ちに待って買ったはいいが、あっというまに読んでしまった。もちろんおもしろかったからだけど、つぎの4巻は3月発売予定だからなかなかに待ち時間は長い。漫画は普通の本に比べると滞空時間が短いので、一冊ごとだと欲求不満がつのる。いっそのこと全部発売しきるまで待って一気呵成に読んだほうが達成感は得られるのだろうが、だけどわかっててもまた3月に出たらすぐ買っちゃうんだろーなあー ... 。順調にストーリーは、おおむね僕の予想通りに進んできていて、いよいよ4巻で、本家とのご対面があるのだろうか?うーん、やっぱり待てないよ。
以前そういえば、Musicshelfという音楽サイトの方から、「伊藤銀次のルーツをひも解く10曲」というテーマの取材を受けた記憶がある。僕の作る曲やギターの弾き方などに影響をあたえてくれた、ありがたい10曲を選んで、それについて自由におしゃべりさせていただいたことが ... 。
「そういえば」とか、「記憶がある」とか、書き出しから、なんていいかげんな物言いなんだと思った人もいるかもしれない。確かに自分でもなんてはっきりしない物言いだと思うのだが、正直はっきりしないのには理由があるのだ。

その取材をうけた頃、ぼくは恥ずかしながらインターネットをやってなかったので、取材されたものをネットで見ることができなかったのである。編集の方からゲラみたいなものを見せていただきそれにOKを出したところまでで、そこから先は、この「伊藤銀次のルーツをひも解く10曲」というものは、ぼくの世界には存在しなかったも同然の状態になっていたのである。

それがちょっと前のこと、そのMusicshelf編集部から僕のもとに200ページほどの本が送られてきた。
「5000 SONGS」と名付けられたその本は「プレイリストで楽しむ私的名曲セレクション」とサブタイトルがつけられているように、約500人のアーティストや著名人が、さまざまなテーマでセレクトした曲のリストが5000曲以上紹介されている名曲ガイドブックで、なんとその中に、まさかのあの僕の「伊藤銀次のルーツをひも解く10曲」が載っているではないか。


ヤマハムックシリーズ 5000 SONGS~プレイリストで楽しむ私的名曲セレクション (ヤマハ.../著者不明

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ネットの中で自由に閲覧できる連載が、やがてまとまって書籍化することがあるが、これもその一例なのだ。実に多ジャンルのアーティストがさまざまなテーマでセレクトしているので、なかなかの読み応え。じっくり1ページ目から順に読んでもいいしどこから読んでもかまわない。どちらかというと辞書や電話帳に近い。ぱらぱらとあてもなくめくって、気になるところで楽しむこともできる。

巻頭に佐野元春のインタビューと彼のオールタイム・ベストが載っていた。もともとこのMusicshelfは、彼のラジオ番組「元春レイディオ・ショー」の雰囲気をウェブで表現したいという思いから始められたらしい。彼の選んでる10曲はなるほどのラインナップだが、スキーター・デイヴィスはちょっと意外だったね。ロッカーとして見てばかりいると見逃してしまう、彼のソングライターとしての顔がここに顕われているような気がする。





たくさんのセレクションの中でも、やっぱり知り合いのアーティストのがどうしても気になるものだ。
おっ、杉真理君のセレクションも出ているぞ、どれどれと見てみると、これがまた杉君らしい「気絶する寸前に聞きたい曲」というテーマだ。
思わず「杉まさみち」ではなく、「杉まさしく」と言いたくなるような、まさしく杉君ならではのテーマじゃないか。
もちろん、ほんとうの気絶のことではない。杉君一流のエンタテインメントな言い方。疲れて家に帰ってきたときに、緊張を解いてふわーっと気を失うようにリラックスするということらしい。

その選曲の中に、コリーヌ・ベイリー・レイの「Butterfly」が選ばれていた。杉君もコリーヌ・ベイリー・レイとか聞いてたんだね。こういう共通のCD体験の発見はなかなかうれしい。この曲の入った彼女のアルバムは、一時期僕の愛聴盤だったから ... 。


コリーヌ・ベイリー・レイ/コリーヌ・ベイリー・レイ

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コリーヌのButterfly、なかなかのかわゆいライブ映像です。


いまやiPodなどの中にデータとして収納されることの多い音楽。
でも僕はいまでも、知り合いになったミュージシャンの家に行くと、まずそのレコード棚やCD棚を見させてもらう。そのコレクションの背表紙を通して、彼をうかがい知ることができるからだ。
Bookshelfが本棚なら、Musicshelfは音楽の棚。
「5000 SONGS」は、いろんなミュージシャンのお家にうかがってそのCD棚をのぞかせてもらってるような気になる本である。


杉君がいうところの「気絶」を、僕は「火をおとす」と呼んでいる。閉まりかけのラーメン店にかけこんで「やってますか?」と聞くと、「お客さん、すいません。あいにく火をおとしちゃったもんで ... 。」というときのそれだ。僕が火をおとす時に聞くのは、だいたいゆるめのジャズだ。

おやおや、もうこんな時間になってしまった。それじゃ、Quiet Kennyでも聞いて火をおとすか...。


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