いつもいつも「サンデー銀次」を読んでくださってありがとうございます。
コメントをくださった方へのお返事です。セルフ・レビューが思いのほか盛り上がっているのか、コメントがけっこう寄せられています。反応があることはとてもとてもうれしいことです。vol.4のレビューに行く前に、みなさんのコメントにお答えしておきたいと思います。
今日のBGMはブレンダ・ホロウェイで「You've Made Me So Very Happy」。 †…MINA…† さんがモータウンの話題にふれていたので何か1曲をと。しかし名曲揃いのモータウンから1曲というのはなかなかむずかしい。そこで今日はレアな名曲を。後にブラッド・スェット&ティアーズがカバーして世に知られましたが彼女のがオリジナルです。 





*うっかりして†…MINA…† さんのこと、呼び捨てになってしまっていました。申し訳ありませんでした。



■ 佐々木美夏さんへ

たぶん美夏さんは、美夏さんが取材してくださったmusicshelfの「25年目のBABY BLUE」のアドレスを
教えてくださろうとしているのだと、行間から読み取りました。ありがとう。さっそく拝見しました。
いやー、あたりまえですが、やっぱり今よりいくぶん若いのです。ちょっぴりね。
まだごらんになっていない方もいらっしゃるので、アドレスを載せておきましょう。

http://musicshelf.jp/?mode=static&html=series_a11/index



■ †…MINA…† さんへ

「Foolish Little Girl」と「Tell It Like It Is」どちらもすごくいい曲でしょ。
MOTOWN soundはいつ聞いてもどれを聴いてもどの時期を聞いても最高です。3枚組のCD、かなり強力そうですね。僕には永遠のバイブル。「トワイライト・シンフォニー」もモータウンの影響を受けたフォー・シーズンズからヒントを得ているので、モータウンの支流をなしているとうれしいですね。。CDはチリパチがない点でレコードに勝っていても、やっぱり音はレコードの肌触りのほうが好きです。レコーダーでお持ちのレコードに再び生命を吹き込んでやってください。


■ 神戸No.2さんへ

発売当時から「涙の理由を」と「いまでも君を忘れない」が不動のワンツーですか。
みなさんが神戸No.2さんみたいだったら、ぼくは日本のフィル・コリンズになれてたのかもしれませんね。
だけど今思えば日本のフィル・コリンズにはなれなくても、日本の伊藤銀次でいて、「サンデー銀次」をやれてて、なんとなくよかったなと思っている今日この頃です。





モメカルと神戸に行けることになったら絶対早めに「サンデー銀次」で発表します。
セルフレビュー、なんとなく始めたらだんだんノッてきてしまいました。「移動銀次シリーズ」と共に、自分関連のレビューも一枚加わってますます魅力満載と自分では盛り上がっています。
歌詞についてや作詞家のかたたちとのやり取りは、おもしろいかもしれません。
そのお題いただきました。近日中に特集いたしますので、乞うご期待。



■ ぶっちゃさんへ


セルフレビューはそれだけ読んでもおもしろくなるように工夫して書いているつもりですが、ぶっちゃさんのように、CD「I stand alone」の1~3を聴きながら読んでもらえると、もっと楽しんでいただけると思います。
ご指摘の通り、曲作りはプロセスがとても大切。結果ばかりを追うと、意外と狙い通りというか狙いより小さい曲しかできません、プロセスのあいだにどこまで遊べるか、どこまでイメージをふくらませられるか、結果は自ずからついてくるような気がします。作っているときにいい曲かどうかあまり自分でジャッジメントしないほうがいい。どうか曲作りを楽しんでください。

なんと †…MINA…† さんはレコードプレーヤーを買ったそうですよ。もしレコーダーを購入しないのなら、アイルランド民謡やフィンガーピッカーのアナログ盤は誰かに頼んでデジタルでアーカイブ化しておけばいつも気軽に聞けるようになると思います。ちょっと一手間ですが ... 。
レーザーディスク処分はやっぱりちょっともったいない気がします。DATといいMDといい、ここんとこ「明日なきメディア」が増えてきてちょっと切ないですね。



1分57秒あたりレーザーディスクの話しが出てきます。これってラップ?


もちろんvol.4も行きますから楽しみにしててくださいね。


昔大阪にいた頃、僕はまだ洋楽のコピー曲しか演っていませんでした、大先輩のギタリスト、中川イサトさんに「銀次は、なんでオリジナルつくれへんの?」と聞かれたことがあります。
まだギターをコピーしたり音楽の入り口に立ったところで、そんな日本語のオリジナルなんて大それたと思っていました。もっといろんなコードや理論などをちゃんと勉強してからにしようと思っていますと答えたら、「別にコードとかいっぱい知らんでもオリジナルは作れるで。そりゃ、いろんなコードとか知ってた方がかっこええ曲にはなるけど、だからといって、そういうことと、ええ曲かどうかというのはまた別のことやとおもうけどな。要は銀次がオリジナルをほんまに作りたいと思てるかどうかっちゅことやね。」

僕はそのイサトさんの一言に背中を押されて、日本語の曲作りを始めました。


コメントどうもありがとうございました。
これからも「サンデー銀次」よろしくご愛読お願いします。
ギター弾き語りのCD、I Stand Aloneのvol.1、vol.2と続けてきて、自分の曲のことを語るのがおもしろくなってきた。その流れで今日も「I Stand Alone vol.3」のセルフ・レヴュー。
みなさんにも楽んでいただけてれば幸いである。


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白地な感じから、ジャケが黒地になりシックになった。今回は森林公園近くのオアシス・サウンドというスタジオでの録音。ジャケのシックぶりとは逆に、多くのライブをこなしてきたせいか、声は明るく抜けがよくなっている。録音場所は変われど歌とギターの同録の精神は変っていない。



01) トワイライト・シンフォニー

1歳年上のビリー・ジョエルが83年にフォー・シーズンズへのオマージュたっぷりな「Uptown Girl」を発表したことは、同世代としてはとてもうれしい出来事だった。





それに刺激され僕もフォー・シーズンズみたいな曲が作りたくなった。それでこの曲ができた。

フォー・シーズンズというと「Sherry」とか「Rag Doll」を思い浮かべる人が多いが、僕にとっては、65年からの「Let's Hang On」「Opus 17」「Working My Way Back To You」あたりがど真ん中。
この頃ビートルズの「Yesterday」などクラシック風味のポップス、ロックが大流行り。トイズの「ラバーズ・コンチェルト」、シュプリームスの「I Hear A Symphony」とかの空気感を、タイトルに匂わせたかった。





イントロのモータウンなベースラインをなるべく曲中でも残しながら歌いたかったが、キーがEなので普通にやるとロックンロールっぽ過ぎる。しかもバロック的なコード進行なのでコードがE-BonD#-D6-AonC#というふうになりとても弾きづらい。
試しにカポタストを2フレットにつけてDのフォームで弾いたら、すべての構成が問題なく弾けることがわかった。間奏のストリングスの部分までが、オリジナルに近い感じになるとは思ってもみなかった。
よくわからなくても若いときになんでもかじっておくといい。後々役立つことがあるものだ。
メロディー・ラインを和音の上にのせる弾き方は、昔ジョー・パスのDjangoなどのジャズ・バラードを弾きかじって覚えたものだ。





「トワイライト・シンフォニー」は今ではコンサートに欠かせない。最初のほうで演ると僕もお客さんも景気がつく。曲の終わりで、オリジナルのように半音転調すると弾けなくなってしまうので、最後までEのキーのままで歌っていることに、皆さんはお気づきだったろうか?。



02) 恋のリーズン

ビートルズ・オマージュの1曲。82年頃僕はマージービート通みたいな定評をいただいていたが、へそ曲がりなので、それだけじゃないんだよ僕はと、わざと露骨なマージーやビートルズっぽい曲をさけるきらいがあった。とはいえこの曲や「泣きやまないでLOVE AGAIN」などそれとわかる作品も何曲かはある。
ビートルズやマージー・ビートにはディミニッシュ・コードがよく出てくるので、それならイントロはいっそのことディミニッシュの連続攻撃というアイデアがいかにも極端で僕らしい。
どこかアメリカ西海岸のビートルズ好きミュージシャンの香りがするのは、売野雅勇さんの詩のせいもあるかもしれない。







03) 彼女のミステイク

この曲のキモはAからDmへのコードの動きにある。84年にこの曲を作った時はDX7を買ったばかりで、そのブラスの音で。ヴァン・ヘイレンのJumpのような曲をと作り始めたら、ちょっと切ない感じになった。それはたぶんA-Dmの進行のせいだろう。それがどこから来たものかわからず四半世紀が過ぎた。
2010年に武蔵小山アゲインで「話し出したら止まらナイト」というトークイベントを始めた。「銀流フォークロック伝」と題してフォークロック特集をやることに決め下調べをしていたら、この曲の源流が見つかった。それはジョーン・バエズの「There But For Fotune」だった。



この曲は半音高いので、Bb - Ebmのコード進行。


中学の時のガールフレンドがジュリー・アンドリュースとジョーン・バエズの大ファンだったので、バエズのレコードを借りてよく聞いた。当時日本では「ドナドナ」が人気だったが、僕はこっちのほうが好きだった。今思うとこのコード進行がいつのまにか僕の中にしみ込んでいたのだろう。
ポール・マッカートニーはバエズのAll My Trialsを聞いて、そのD - Amのコード進行をI'll Get Youに取り入れたという。



04) ビート・シティー

まさかこのこの曲を弾き語りでやることになるとは思っても見なかった。
コンサートの終盤はやっぱりみんなとハイになりたいが、いかんせんアコギ1本、フル装備の迫力は出せない。そんな煮詰まりの中で思い出したのはウッドストックの時のリッチー・ヘイブンスだった。





そうか、リズム隊がいなくても、お客さんの手拍子が僕のドラムやパーカッション。僕とお客さんとのセッションと考えてやればいいのかと気づいて少し目の前が明るくなった。
後日わかったことだが、このヘイヴンスのFreedomは当日の即興演奏。諸事情でリッチーもう少しやってくれと主催者にいわれてのことだったらしい。なんの準備もなくてもこの演奏。すごいね、最後はやっぱり人間力だ。
断っておくがこのビート・シティーは同時録音である。半年ほどのライヴ現場での修行がなかったら、こんな16ビートのバッキングを弾きながら歌うなんて芸当はできなかった。迷ったり悩んだりしてばかりいるくらいなら、黙って練習をするのがいい。王道はないのだ。
ライヴ会場では手振りを交えての、♪You Got the beat, we got the beat のお客さんとのやりとりが楽しかった。


05) 愛をあきらめないで

なんのCMか忘れたが、大沢誉志幸君の「そして僕は途方に暮れる」みたいな曲をという依頼があったので作った曲。結局採用されずボツになり、「夜を駆け抜けて」のカップリングになった。プロコルハルムの「青い影」みたいにベースが下降してくるバロック風。
くれぐれも「そして僕は途方に暮れる」の模倣に暮れないようにと、元曲のキモになる道筋を通らないようにと迂回しながら作っていったら、知らないうちに「ネヴァーエンディング・ストーリー」みたいな曲になっていた。たぶんアレンジのせいだと思う。イントロがクラシック・ギターみたいなフレーズで好きな雰囲気だ。



現在、vol.1とvol.2はアマゾンでも購入できるが、vol.3は、silvertoneのホームページと、武蔵小山のペットサウンズ・レコードでしか買えない。春にはアマゾンやバウンディでも購入できるようになるそうだが、もしお持ちじゃなくて今すぐ聞きたいかたは,下記までアクセスしてみてください。

シルバトーン・ストア  : http://www.silvertone.jp/store.php


  PET SOUNDS RECORD : http://www.petsounds.co.jp/


横浜サムズアップでのライヴ終了後のサイン会。一人の青年が
「銀次さん、オレ湘南でレコード屋始めるんだ。ぜひ遊びにきてください。」

この音楽不況の時代に、アナログ盤のお店をやろうという。大丈夫なのか?でも何事も恐れずやりたいことをやってみることが原点だ。がんばるんだよ。落ち着いたら、「サンデー銀次」にお店の場所をメールしてきてね。
いつもいつも「サンデー銀次」を読んでくださってありがとうございます。
コメントをくださった方へのお返事です。

今日のBGMはアーロン・ネヴィルのTell It Like It Isです。1967年、サージェント・ペパーズやドアーズなどのサイケデリック・ミュージックに、どっぷりはまっていた銀次少年の心を、いきなり鷲掴みにした曲です。その美しいメロディー、その魅惑のヴィブラートにたちまち魅せられてしまいました。まさか彼がのちにニューオリンズ音楽をリードするネヴィル・ブラザーズを作るなんて想像もできませんでした。やさしく温かい声だけれど、歌の粒だちがすごくて心がゆさぶられます。







■ †…MINA…† さんへ

コリーヌの「Butterfly」そして「5000 SONGS」気にいってもらえたようでうれしいです。
†…MINA…† さんが、これからもいっぱい新しい音楽と出会えることを願っています。
2009年のツアー、北海道では旭川のアーリータイムスと札幌のくうの2箇所でライヴを演りました。くうのマスターもとてもあたたかいかたで、忘れられません。
「右から2番目の星」いい曲でしょ。アゲインではジョナサ・ブルックのヴァージョンで歌おうと思っています。
「路上」見つからなくて残念でしたね。ぼくはケルアックの「地下街の人びと」は未読です。†…MINA…†さんが面白いというのなら、ひとつ読んでみようかな?




■ 佐々木美夏さんへ

そうだ、そうだ、美夏さんに取材してもらったのを、その頃うけた別の取材のかたと勘違いしていました。大変失礼をばいたしました。そうそうなんかウナギの寝床のような感じの都立大のカフェでしたね。
どうもお酒を飲んでいた頃とやめてからとでは、まるで別人のようになっちゃってて。ちょうど美夏さんに取材を受けた頃が、酒量のピークで、ところどころ記憶があいまいなのです。
ご無礼ついでに告白してしまうと、その頃の美夏さんの存在は僕の中でとてもおぼろげなものだったということになるわけで ... あっ、その感じは怒ってませんか? だって口がとがってますよ。あっ、どうも怒らせてしまったようですね。いやはや、はいはい、ご立腹もっともです。申し訳ありません。どうかご機嫌を直してくださいな。このとおりですから。(ひれ伏している)

美夏さんの存在が、星空とお花畑を背景に、キラキラと輝いて僕の世界にアピールしてきたのは、僕が禁酒して193日目になる松尾清憲君のお誕生パーティーのときでした。今度は忘れようとしても忘れられない美夏さんのひとこと。「それじゃあ、まるでジャムおじさんじゃない ... 。」
ありがとうございました。その一言が僕と黒沢君のユニット、uncle-jamの名前を導き出してくれたのですもの。(再びひれ伏している)
さらに、昨年の還暦ライヴでは、スタッフとして志願してくださり八面六臂の大活躍。
機転を利かせて美夏さんが用意してくださった、サンタの扮装と、トナカイの角が、どれだけパーティーを盛り上げてくれたか。なんとお礼を申していいのやら...。(ひれ伏し過ぎて額がすりむけ状態になっている)

「サンデー銀次」を見てくれてたんですね。どうもありがとう。本編にも書いた通り「5000 SONGS」、ずっしりとしたすごい内容ですね。ぜひたくさんの音楽ファンにみてほしいものです。
今や僕も立派なインタネッター(?)。さっそくMusicshelfのwebページを見てみます。
2月13日の風知空知、お酒もしこたま用意しておきますので、ぜひ遊びにきてくださいな。





■ 苦楽健人さんへ

2月の神戸チキンジョージでの杉真理君とモーメント・ストリングス・カルテット、きっと最高のジョイントになると思います。どうか楽しんできてくださいね。
ぼくもそのうち神戸に伺いますので。そのときは約束通り「She's Leaving Home」を歌います。





■ 成瀬英樹君へ

こちらこそ読んでくれてありがとう。成瀬君のようなプロにそんなふうに言われるとちょっと照れますね。ときどきツイッターのぞかせてもらっています。曲作りに忙しいようですね。なんか活気とやる気がこちらにも伝わってきて元気になります。また時間があったら遊んでやってください。それとジョン・マカスカーのライヴのときはくれぐれもよろしくね。



フィドル奏者がそのジョン・マカスカーです。マルチな人なのでいろんな楽器をマカスぁれます。





■ バサロ泳法さんへ

「幸せにさよなら」のエピソードおもしろかったでしょ?君と2人歩いた~の部分では、実は生まれて初めて転調を試みました。当時よく聞いていたシュレルズの「Foolish Little Girl」みたいな転調をしてみたのはいいのですが、元のキーへの戻し方がまだよくわからなくて、いま聞くと戻り方がちょっと強引な感じもしますが、そこがするどく個性的と言えなくもないかな 。「強引、矢の如し」っていうか ... 。



34秒あたりが転調ポイントです。

コメントどうもありがとうございました。
これからも「サンデー銀次」よろしくご愛読お願いします。