京橋~銀座~新橋とつなぐ通りを縦の通りとすると、

この店は横の通りに在る。


七丁目と八丁目を隔てる花椿通り口紅 の、七丁目側。

近くの角には銀座名物・磯辺焼きの屋台が出ている。


その一角は、

いわゆる夜の銀座の顔として有名な、賑やかなクラブ街だが、

地下に降りていく短い階段の途中で、その喧騒も消えていく。



今年10周年を迎えるタリスカーは、

ショットバーとしては比較的大きな箱で、

ロングカウンターと充実したバックバーが特徴的な店だ。



タリスカーに来たのだから、

まずタリスカー10年のオン・ザ・ロックスを。



軽くスモーキーでスパイシーな風味だが、

少しづつ甘みが感じられていく。


店内は、緊張感とルーズ感のバランスがイイ感じだ。


オーナーバーテンダーの内田さんから、

色々と面白い話を聞いた。


内田さんは イギリス イギリスを旅した際に、

本場スコットランドでオリジナルのタータン柄を作り、

スコットランドキルトをオーダーしたそうだ。


英国大使館主催のウイスキーフェス等に出席する際は、

そのスコットランドキルトを巻いて出るのだという。


数百人が集まるなか、キルトを巻いている人は何人かいるが、

キルトを巻いている日本人は内田さんだけらしい。


「もちろん移動中は、普通のパンツです。

着いた先のトイレで、キルトに着替えるんです」



また、

色々な店名候補の中からタリスカーと決定したのだが、

一般的にはなかなか聞き取りにくいようで、

領収書を貰うとき等によく誤記されるという話も面白かった。


「先日は店員さんが、漢字でいいですか?と聞くので、

どう書くのかと見ていたら、『谷塚 様』と書かれました。

タリスカーが、タニヅカです」


さて。

タニヅカーでの二杯目は、サイドカー。



チェリーを沈めず、添えて出してくれるパターンだ。

チェリーと別にしてあるおかげで、

少しドライな味わいも楽しめて二度おいしい。



サイドカーを戴きながら、

イタリア国旗 イタリア話に華が咲いた。


先ほどのキルトの話などから、

さぞやスコットランド、アイルランドの文化風俗が

お好きなのかと思っていたら、

イタリアがとても好きなんです、との事だった。


僕が、大聖年の暮にバチカンで天国の門をくぐった話や、

フィレンツェでブーツを買った話、

また「紅の豚」がお互いのフェイバリット・ムービーであることや、

初期のルパン三世ルパンはカッコイイですなぁ

と云った話で盛り上がっていたが、

このあたりで店内がずいぶんと混んできたので潔くチェック。



最後に付け加えると、

タリスカーを名乗るこのお店は、当然のことながら

モルト通を任じるウルサガタからも高い評価を得ている

お店だ。

バックバーの品揃え同様、知識・情熱も半端じゃない。



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中央区銀座7-5-12

藤平ビルB1F

TEL    03-3571-1753

月~金  18:00~ 2:00

土     18:00~23:30

定休日  日曜・祝日

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※野暮だけど、知りたい方もいるだろうから付記します。

  この日の会計 : 4,400円

  内訳 : チャージ料・タリスカー10年・サイドカー・煙草

カタランバーはCatalan Barと書く。

カタルーニャ風という意味なので、つまりスペイン系バールだ。


銀座2丁目の、中央通り外堀通りの間にある店。



ビールメーカーのマーケティング部の方に教えて貰ってから何度か来たけど、

なぜかいつも、入ってすぐの奥まったところで飲むことになる。


このお店はリキュールがall500円なのだが、

果実系はほとんどなく、日本人には個性的過ぎて敬遠されがちな香草系のリキュールが充実している。


スーズやぺルノー(パスティス)、リカールといった、黄色っぽくて香りの強いリキュールだ。

僕はこういうお酒が全く苦にならない。

ぺルノーは、成分の中のニカヨモギが中毒の原因になるとして製造が中止されたアブサンの代用酒のようなリキュールだが、これもおいしく戴ける。

もしアブサンが流通している時代に酒飲みになっていたら、僕もランボーやゴッホ、ロートレックらの後に続いていたことだろう。


これらのお酒は、このお店の料理ととてもよく合う。

鉄板焼きの料理(豚レバーの鉄板焼きや甘エビの鉄板焼き)が多いのだが、小ぶりなものなので、立ち飲みでもカウンターの上で邪魔にならない。


こういうお店では、例えテーブル席が空いていたとしても、立って遣った方が粋だと思う。

ここで座って飲んだことはないけど、きっと酒も料理もスタンディングで味わった方がおいしいような気がする。(2Fはオールテーブル席で、お値段も張るらしい)



僕は最初、Vinulsという店名が読めずに、「Venus(ビーナス)のスペイン語読みかなぁ」と推測し、

だとしたらお店を仕切っている上の写真の赤いシャツのお姉さんがビーナスなのかと思って、

「あなたがこのお店のビーナスですか?」と聞いたら怪訝な顔をされた。

まあ、当たり前だよな。


因みにVinuls(バルニュス)とは、「完全な造語です」ということだった。


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カタランバー バルニュス


東京都中央区銀座2-5-17
TEL & FAX 03-3567-4128
平日 11:30~23:30(L.O)
土日・祝 11:30~23:00(L.O)

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エバンスは、見つけにくいバーだ。

僕の一丁目の事務所から、二丁目・三丁目と通りを真っ直ぐ行くだけの場所なのだが、初めての時は真剣に捜す気で歩いてようやく見つけた。

ビルの袖看板もなく、歩道に小さくアイアンフレームの看板が出ているだけだ。


ビルのB1Fに降りて行き、左に行くと串焼屋、右に行くとエバンスだ。


重たいドアを押し開けると、凝ったアイアンの内扉があり、バーの内部のような外部のようなスペースに出る。

若き店長の澁谷さんが、カウンターの中からいらっしゃいませと、静かに声を掛けてくれる。


バーテンダーは、一種の聖職者に例えられるが、澁谷さんの佇まいはまさにそんな印象だ。

バーテンダーとしての戒律を厳しく守り、エバンスという空間を護っている。


一杯目は、マンハッタンを注文した。




近代まで修道僧は科学者でもあったそうだが、澁谷さんのステアを見ていて「薔薇の名前」という映画を思い出した。

マンハッタンは、ライ・ウイスキーとスイート・ヴェルモットの甘味に加えて、レモンピールの香りづけが丁寧にされ、てとも香り高い一杯だ。


ところでこのバーは、シガー・バーでもある。

澁谷さん曰く、「シガーは茶道に例えられると思います。本当に楽しもうと思ったら、作法をきちんと教わることが大切です」



湿度を管理されたケースには、ハバナ産の各種がずらりと並んでいる。

「一本のシガーは、先の方、真ん中あたり、手元あたりで味わいが違うので、1~2時間を掛けて、カクテルやウイスキーと合わせながら愉しむといいんですよ」と教えてもらった。


さて二杯目は、サイドカーだ。



ベースのコニャックはビンテージといって良いようなカミュで、甘すぎず、さっぱりとしている。

付け合せのドライチェリーのシロップ漬けととてもよく合う。


「サイドカーは」と澁谷さんが言う。

「1930年代に生まれた頃には、19世紀のビンテージのブランデーを使うことがレシピだったそうです」

そうなんだ。

とても贅沢な一杯だったんですね。


僕も知っている赤坂のバーに勤めていたことや、住まいが下町で近所であること。

内装を飾るアイアンは淡路島の作家に依頼して船で運んできたなどを話しているうちに、この若き修道僧も笑うと歳相応に無邪気な青年なんだなと気がついた。


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バー エバンス


東京都中央区銀座3-8-15
APA銀座中央ビルB1F
TEL 03-3563-2998
営業時間 18:00~3:00
定休日 日曜

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