エンゼン
クンパ 女 20代 168mm
私/貴様/呼び捨て」

 

マッドサイエンティスト。
元々は総研での研究に協力し、錬金術やリヴリーの命の仕組みについて学び調べ研究していた一介の科学者。飼い主も総研の研究者。メッピーとは元同僚で、仲が良かったらしい。
小さな弟のルィースと体が弱い兄のキルシャを支える頑張り屋だったが、弟が死んでからは総研を辞め自室に引きこもりとある研究をするようになってしまった。

 

その研究は死んだ弟を蘇らせるというもの。弟の遺伝情報を含んだ肉とたくさんの血肉を使い大量のホムンクルスを造っている。
しかし体は造れても精神の再現には未だ成功しておらず、重なる失敗と罪悪感や焦り、弟の姿をした肉塊を何度も死なせている事から精神崩壊してしまった。

 

現在は苛烈で暴力的、役に立たないものが自分含めて大嫌いな性格。嫉妬深く、兄弟仲の良い、特に末に弟がいるような兄弟姉妹を見ると特に精神が乱れるようだ。そういったやつに優先的に目をつけ兄のキルシャに殺せと命令している。研究には大量の血肉が必要なため、そうやって兄を使い集めさせている。


情緒不安定で突然怒鳴ったと思ったら笑い出す。
人を責める事も自分を責める事も多く、弟の姿をした肉塊を眺めている時以外は大抵怒っている。
兄のキルシャの事は特に役立たずと罵り日常的に暴力を振るっている。
が、本当は頼れる兄だと信頼しているらしい。だからこそ兄が期待にそぐわない事をすると、お前はそんなんじゃないだろと思ってしまうらしい。暴言暴力を相手のためだと思っている典型的なDV奴。

 

「なんか用か?私はエンゼン。あんま寝てないんだ、手短に言ってくれ。」
「クソッ、クソッ!!人間にできて私にできないはずがない…!遺伝情報とタンパク質から肉体を錬成…理屈は合ってるんだ…これで必ず弟を…!」
「この役立たずがァ!何回殴られたら分かんだよ!?貴様なんか兄貴でもなんでもない!」
「言った通りの標的を殺してこれたって?やればできるじゃないか!これだけ肉があればしばらくは…!兄貴、ありがとう!大好きだ!」
「あぁ、ルィース…お前を守れなくてごめんよ…必ず取り戻してあげるから…待っててね…」

 

 

エピソード

魂騙し

 

 

 

3人兄弟は種類が違うため血の繋がりは無い。しかし飼い主のもとで兄弟同然に育てられ、何よりも強い絆で結ばれていた。
ネタツザルのキルシャ、クンパのエンゼン、ピキのルィースの3人兄弟。

エンゼンと飼い主は総研で働き、キルシャとルィースは島で二人を待ち、夜になったら4人で1日の出来事を語らう幸せな日々だった。

ある時ルィースが消えた。飼い主は仕事、エンゼンは休暇で自島にいた。キルシャとルィース、二人で散歩に行ったが帰ってきたのは兄だけだった。
顔面蒼白で咽び泣き弟が連れ去られたと言う兄と共にアイランド中を探して見つけたのは、首から上を失った弟の遺体。時たまアイランドを騒がせる連続殺人犯の仕業だった。犯人は狡猾で証拠を残さず、自警団も手がかりを掴めていなかった。
犯人は未だ見つからない。

同時期に総研で一大プロジェクト用の大型の実験体事故を起こして脱走したという騒ぎがあり、その処理で飼い主はなかなか帰ってこられなくなった。

エンゼンは総研を辞めた。弟が死んだのを受け入れられなかった。飼い主が仕事の間に弟の肉体を冷凍保管し、飼い主にはもう埋めたと嘘をついた。
たった一人で死んだ哀れな弟。弟の肉を少しずつ切り崩してはそれを材料に弟を蘇らせようと実験を繰り返した。
弟の姿をした肉塊が何度も生まれては崩壊し死んでいく。弟のホムンクルスを造るたび少しずつ少しずつ長生きするようになったが、何度も何度も弟の顔が苦痛に歪んで崩れ去るのを見た。

兄のキルシャは弟が死んだショックで塞ぎ込み、愚かな研究に手を出した妹をおろおろしながら見つめる事しかできない。エンゼンはそんな兄に苛立ちが募り、何度も殴り罵声を浴びかけた。キルシャは幼子のような言動を取るようになり、研究に必要な血肉を集めるようになった。

弟と兄が壊れる度に彼女も壊れていった。