🟦キャリパーOHに必要なモノ



🔹各種レンチ類

🔹ラジオペンチ

🔹トレー

🔹新聞紙

🔹小ビニール袋と養生テープ

🔹キャリパーピストンツール

🔹ピックツール

🔹サンエスエンジニアリングのメタルクリーン

🔹お湯

🔹マジックリン

🔹古歯ブラシ

🔹ボンスター

🔹(液体ピカール)

🔹ウエス

🔹紙ウエス

🔹竹串

🔹シール溝掃除用品

🔹パーツクリーナー

🔹圧搾エアツール(コンプレッサー)

🔹新品ピストンシール

🔹新品ダストシール

🔹(新品ピストン)

🔹(他にOリングなどあればそれも…)

🔹cciメタルラバー(シリコングリス)

🔹ブレーキフルード

🔹バンジョーボルト用アルミor銅ワッシャー

🔹トルクレンチ

🔹4mm耐油透明ホース

🔹ワンウェイバルブ

🔹フルードキャッチャータンク

🔹大型100ml以上のシリンジ(注射器)

🔹ブレーキレバー保持item

🔹ブレーキフルード2缶ぐらい

🔹プラスチックハンマー

🔹ホースorバケツの水



🟦キャリパーOHの手順(概要)

(BF=ブレーキフルード/MR=メタルラバー)


1.キャリパーを車体から外す

2.ブレーキパッドを抜く

3.キャリパーを分解洗浄

  4.ピストンを抜く

  5.シール類を外す

  6.バルブを外す

  7.パーツを洗浄

    8.ピストンクリーニング

    9.シール溝クリーニング

    10.キャリパーを乾かす

11.キャリパーを組み上げる

  12.キャリパーにピストン挿入テスト

  13.BF塗布してピストンシール組み付け

  14.キャリパー内部をBFで潤滑

  15.薄くMR塗布してダストシール組み付け

  16.ピストンを組み付け

  17.ブレーキパッド組み付け

  18.ガイドピンとRピン装着

19.キャリパーの車体装着

  20.バンジョーボルト装着

  21.車体へ装着

  22.Fブレーキフルード注入

  23.Rブレーキフルード注入

24.エア抜き

  25.Fエア抜き

  26.Rエア抜き

27.ブレーキフルード飛散対応処置

28.作動テスト

29.フィーリング向上処置

30.試運転



🟦キャリパーOHの手順(詳細)

(BF=ブレーキフルード/MR=メタルラバー)


1.キャリパーを車体から外す

ブレーキフルードが床に垂れても良いよう、にキャリパーの下にトレーや新聞紙。

キャリパー取付けボルトを緩める前に、先にバンジョーボルトを1度緩めて固さを除去し、フルードが漏れ出さないように軽く締め戻す。キャリパーが車体に固定されているうちにこれをやっておくと、後でバンジョーボルトを緩める時に楽チン。

ディープオフセットレンチとミニチュアラチェットハンドルがあると便利。




キャリパー取付けボルトを緩める前に、先にバンジョーボルトを1度緩めて固さを除去し、フルードが漏れ出さないように軽く締め戻す。キャリパーが車体に固定されているうちにこれをやっておくと、後でバンジョーボルトを緩める時に楽チン。



バンジョーボルトを抜く。バンジョーボルトを取ると、ブレーキフルードがポタポタ流れ出てくるので、ビニール袋で受けておく。


ここで大事なのは、バンジョーボルトを外した状態で、ブレーキレバーを触らないことですね。わざわざ流路にエアを送り込む必要はないので…_(^^;)ゞ💦

2.ブレーキパッドを抜く


ラジオペンチでRピンを抜いて、横棒のパッドピンを抜く。ラジオペンチの先でパッドピンを押してから引き抜くと楽チンだった。
パッドを再使用する場合は、パッド清掃後、パッドの裏にディスクの回転方向をマジックで矢印書いておくと良いみたい。


3.キャリパーを分解洗浄


  4.ピストンを抜く



キャリパーピストンツールを使ってピストンを抜く。ペンチなどで掴んで引き抜くのは、傷が付いてしまうので厳禁だときく。まっ…当たり前かも。

僕のは国産MOSキャリパーですが、brembo等の外国製キャリパーは、軟らかいアルミピストンを使っていることが多い模様で、アルミピストンの場合、ピストンシールを強く握り過ぎるとピストンの真円が崩れてしまうので要注意で、少ない力加減でしっかりピストンをとらえる為には、良質なピストンツールを使った方がやりやすい…というアドバイス。


また、ピストンを引き抜くとき、左右きこじりながら引き抜きたくなってしまいますが、こじらず…円周方向で回しながら抜いていくのがピストンにキズをつけにくい抜き方と教えて頂きました。

  5.シール類を外す


シール溝を傷つけないよう…細心の注意で慎重にやる必要がありますね_(^^;)ゞ💧

手前のダストシールは外しやすいのですが、すぐ奥のピストンシールは本当に外しにくい。イライラ😒💢💢に任せて、エイヤー!でやらないよう…しないと。

先がミニチュアタイヤレバーのように平べったく丸まった…シール専用ピックツールでやりましたが、再利用不可、どうせ捨てるシール類ではあるので、通常ピックツールを慎重に使ってやるのも1つかも…と感じました。

  6.ブリュードバルブを外す


  7.パーツを洗浄


これは、仙台のサンエスエンジニアリングというところが出している…新サンエス・K1?という洗浄剤。

お湯に☝️これを溶かし…しばらく漬け込みます。たまたま僕はこれを使いましたが、人気なのは同じメーカーが出している…メタルクリーンαという洗浄剤。
漬け込みが終わったら、古歯ブラシでブラッシングして汚れを落としていきます。


    8.ピストンクリーニング


洗浄剤を溶かしたお湯に漬け込んでから、ボンスター(右手に持っているスチールウール)とマジックリンで汚れを磨き落とし。

スチールウールは一見…傷をつけてしまいそうに感じますが、表面を滑るだけなので、意外や意外…キズをつけないそうなんです。

注意点は磨く方向。縦方向に磨くのはNG🙅で、円周方向に磨くのがピストンに優しい磨き方だと言う。
錆が発生していたり、落とせない汚れがひどかった場合、迷わず新品ピストンに交換せよ!」「そこは保守的にいけ!」というのが仲間のアドバイス。


    9.シール溝クリーニング


シール溝にこびりついた…フルード変質硬化した硬いカスを慎重かつ徹底的に掃除するのが、このOHの肝ポイントの1つだという。

最初はキズをつけにくい竹串でやっていたものの、限界があり、溝トールやほじ郎等の便利Goodsを使ってみたんですけど、セパレート式キャリパーなら良さそうですが、モノブロックキャリパーの場合、ツール挿し込み角度に限界があるので、使いにくかった_(^^;)ゞ💦
細いミニチュアマイナスドライバーの先を曲げた…自作SSTが僕には使いやすかったです。
いずれしても、シール溝にキズをつけてしまうと、フルード漏れに繋がる可能性があるので、慎重作業が求められそう。


  10.キャリパーを乾かす


パーツクリーナーで洗浄脱脂した後、エアツールを使って圧搾エアで乾かしていく。エアを使うことで細い流路の中も乾かしやすい

11.キャリパーを組み上げる


  12.キャリパーにピストン挿入テスト

シールを組み込む前に、そもそも…パーツ同士の摺動がsmoothか?確認。アルミピストンとかである場合、もしピストンが歪んでしまっていたら、これをやっておく事でこの時点でそれに気付けます。


  13.BF塗布してピストンシール組み付け

シール類は新品交換が基本を学ぶ。ピストンシールのゴム弾性にピストンのロールバック(引っ込む動き)が全面的に依存しているのを学び、古いシール類は再利用禁止で、新品交換が必須だと言う…仲間のアドバイスの意味がよく解りました。古い硬化したピストンシールでは、ロールバック(ピストンの後退)が上手く出来ず、ブレーキの引摺り原因になりかねない。

また、ピストンシールには、装着の向きがあるモノと、特に装着向きのないモノ…があることも学びました。詳しくはこの記事へ譲ります。

組み付け向きがあるピストンシールは、その通り組み付けないと、フルード漏れを引き起こしたり、ロールバック不完全が起こるようです。

brembo等の海外製キャリパーに、ピストンシールの組み付け向きを求めるものがあるようですから、注意が必要そうです。

ピストンシールにブレーキフルードを塗布するのがBASICみたいですが、解説書によっては「メタルラバーでも良い!」と書かれているモノも。

  14.キャリパー内部をBFで潤滑


キャリパー内部全体をブレーキフルードで初期潤滑しておくことも大事な事のようです。


  15.薄くMR塗布してダストシール組み付け

ダストシールは、メタルラバーもしくはラバーグリースもしくはシリコングリースを塗布するアドバイスが書かれた教本が多かった気がします。塗りすぎは汚れ付着を招いてしまうので、あくまでもごくごく薄く塗布がポイントのようです。


いずれにしても、ゴム攻撃性のない非鉱物油系ラバー用潤滑剤でないと不味そうです。


  16.ピストンを組み付け

ピストンには、TMAX530のサービスマニュアル上は、何も塗布しないで良いことになってましたが、教本によってはごく薄くメタルラバー塗布を指示しているものもありました。


誤って斜めに差し込んでしまった場合等、smoothにスーッも入らない場合は、押し込まずにやり直す事が最大のポイントのようです。


ピストンは指で上手く押し込れる人は良いのですが、我々ド素人がシールを傷めないようにするには、ピストンツールを使って、こじらず、円周方向に回しながら少しずつピストンを入れていくのが良いようです。


指でぐいっ!と力ずくで下手に押し込むと、ダストシールがめくれてしまう可能性があるようです。これ、ダストシールがよれてしまっても見えないので気付きにくく、ここは本当に要注意です。


  17.ブレーキパッド組み付け

外した時と同じ回転方向に組戻せているか?が大事そうです。その為に取り外し時に、回転方向をマジックで書き込んでおくのが良いみたいです。


  18.パッドピンとRピン装着

パッドピンも磨いてグリスUPしておく事が必要そうです。


19.キャリパーの車体装着



  20.バンジョーボルト装着

バンジョーボルトのワッシャーは再利用せず新品


  21.車体へ装着

トルクレンチで規定値で組み付け。キャリパーボルトもぜひグリスUPしておきたい。


  22.Fブレーキフルード注入


ブレーキフルードの送り込み方は…

(1)Bレバーをニギニギしながら送り込む方法。

(2)キャリパー側のブリュードバルブに接続したシリンジで負圧をかけて、フルードをマスターシリンダータンクからキャリパー側へ引っ張る方法。

(3)フルードを充填したシリンジで、キャリパーブリュードバルブ側から圧送する方法。

この3つの方法がありそうです。

  23.Rブレーキフルード注入


ブレーキラインが長くなる…TMAX530のリアブレーキの場合、圧送は結構厳しく、シリンジの負圧でマスターシリンダータンクのフルードを引っ張る方法が快適でした。





24.エア抜き

基本的に、ブリュードバルブにメガネレンチを掛け、その上からワンウェイバルブ付き透明ホースを接続。ホースはフルードキャッチャーに反対側を入れておく。


マスターシリンダータンクが空にならないように、フルードを小まめに継ぎ足しながら、ブリュードバルブを閉じた状態でブレーキレバーを5回ほどニギニギ。


ブレーキレバーを握ったまま、ブリュードバルブを0.5~1秒ほど一瞬開閉。気泡が出てこなくなるまでこれを続ける…


という流れですね。



  25.Fエア抜き

フルードのエア抜きは、マスターに近いキャリパー側からやるのが最も効率の良い順番のようです。

バンジョーボルト付近のエア抜きも…肝だった気がします。

マスターシリンダー側のエア抜きが何よりも肝でした。
マスターシリンダー側にエアがたくさん溜まっている気がします。

あっ!何より大事なのは、誤ってマスターシリンダータンクを空にしてしまわない事ですね。全てやり直しになってしまう(爆)_(^^;)ゞ!

ABSモデルは必要に応じて、ABSのバンジョーボルト付近のエア抜きも

ABSモデルのエア抜きをする際は、全体を通して、「けして…電源ON!にしてはいけない‼️」ということを学びました。

電源ONにした瞬間、ABS2次経路がテスト作動で開いてしまい、そこにエアを囲い込んでしまう。

そうなると…もうSHOPに持ち込んで、強制的に2次経路を開放させた状態で、エア抜きしなおさないといけなくなるようです。

その他、流路の分岐点等にもエアが溜まりやすいようで、プラスチックハンマーでごく軽く叩きながら、エアが移動するように促すことも効果的だったかも。

  26.Rエア抜き


リアもフロントと同様。エアが抜けやすいよう…キャリパーを高い位置に置いてエア抜き

また、ブリュードバルブが最上位置になるようにキャリパーの置き方を工夫してやるのも効果的だったかも。
ブレーキ圧を掛けても、ブレーキパッドが閉じきってしまわないように、モノを噛ませてやるのもポイントでした。もし閉じてしまってもタイヤレバーのようなモノで、こじ開ければ良いと思いますけど。
リアをやるときは、手が届かないので、レバーを固定する便利Goodsが大活躍でした。
もちろんリアもマスターシリンダー側のエア抜き。
とにかく、マスターシリンダー側のエア抜きは、肝っすね。マスターシリンダー側にエアは溜まりやすいみたいです。

エア抜きが終わったら、ブリュードバルブ内のフルードをこよりで吸いとり、パーツクリーナーで洗浄しておかないと錆だらけになってしまう。


27.ブレーキフルード飛散対応処置

十分手応えを得られたら、取りあえず…塗装を傷めないように、飛び散った可能性のあるフルードを洗い流す。




28.作動テスト



29.フィーリング向上処置

ブレーキレバーをゴムなどで縛っておいて、ブレーキ圧をかけておき、一晩放置すると、ブレーキフィールがよりよくなるという。


30.試運転



以上、備忘メモとして自分の為に書いたモノなんですけど、改善点あれば今後とも書き加えていきたいと思います(^-^ゞ!