娘1号の絵の第5段と空白の40年間。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

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TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 

 ハハハハハ。 今回の娘1号の絵の第5弾はこれである。

 

 普段は風景画を好んで描く娘1号ではあるが、今回はうちにいる愛猫のココをモデルにした絵だそうだ。

 

 これはオヤジがお世話になっているS車両の奥さんが、何の絵かな??と思いながら見ていたら、「遠くで離れてみて初めてネコの絵だと判った!!」と、驚いたそうだ。

 

 以前matsuGさんが、娘の絵がどことなくゴッホにも似ていると評してくれたが、正しくこの絵からはゴッホ感がありありと現れているような・・・・(親バカのオヤジでありました。苦笑♪)

 できればゴッホとは違って、生きているうちに才能を開花してもらいたいものである。

 

 それでは今回は空白の40年間。のお話しである。

 

 オヤジには4歳年上の姉がいる。

 

 オヤジが20代の頃に、あれよあれよと札幌方面に嫁いでいった。

 

 片や網走、片や札幌と北海道の東と西の端にいるので、お互いに行き来をしないまま、時が過ぎていった。

 

 それでもまだ母親が存命中は、母親を通じで彼女の生活の様子を程度知ることが出来たが、母親が亡くなった途端、連絡もそれぞれの誕生日にお祝いの言葉をLineで入れるぐらいの関係となっていった。

 

 実の姉弟だが関係が希薄と言われれば、お互いの生活もありそんな感じだと思う。

 

 たぶん、ほぼ40年間、あまりお互いの様子を詳しく知らないで過ごしてきたような感じである。

 

 そんな彼女から11月の末に同窓会でこちらに帰るので、12月の1日(日曜日)に、一緒に網走で夕食をとらないかと??連絡が来た。

 さらに網走で美味しいところを探しておいて。と、追加注文が入った。

 

 「うーーん??これは困った!!」オヤジはいついかなる時も、食事は回転すしかバイキング、もしくはすき家みたいな安くて量がある大衆食堂しか行かない。

 

 しかもいつも行く場所は北見が殆どである。

 

 だからオヤジの知っている飲食店は回転すし、バイキング。すき家の都合3店の人なのだ。(ワハハハハ!!自慢する話では無いと思うが・・・・)

 

 網走では仕事はしているが、網走の飲食の美味しいところなんか、これっぽっちも知らない。

 

 しかも居酒屋なんか会社での宴会以外、行った事も無い人なのだ。

 

 困った時の隣人の知恵。という事で、職場の人に網走でお勧めのお店を聞いてみた。

「もつ鍋なら●●店だな。」

「魚なら▲▲店だよね。」

次から次に有力店が上がっていった。

「おお!!すまないね!!おかげで助かったわ♪」

 

 これで御もてなしは楽勝♪楽勝♪と、お店の場所を確認したら・・・

 

 な・なんと全部、紹介されたお店は、姉と合流する日曜日は休日だと判った。

 

_| ̄|○ スーパー・ガックシ!!

 

 それでもグーグル先生を頼りに、何とか有力なお店を2店選んだ。

 

「フフフフ♪美味しいと言うなら、もうこれ!!これしか無い♪」

「こいつをたらふく、食べさせてやるけんね!!」(オヤジは何県人だ??)

 

 オヤジは恐ろしいことに、オヤジも未だに人生で数回しか食べた事の無い。カニ(そんな大げさな♪)が食べれるお店を選んでいた。

 

 さらにもう一つ不安な点が一つ。

 

 実の姉ではあるが、殆ど交流が無かったので、果たして何を話して良いのだろうか??

 

 これが最大のオヤジの悩みであった。

 

 12月1日当日、田舎のカッペまるだしなオヤジは、札幌方面に嫁いだ、シティガールと化した姉をエスコートして、人生初(ではないけど。)の居酒屋を案内した。

 

 盛んにオヤジの売りのカニを進めても、カニは身を剥くのは面倒だから、別なものにしようと言ってきた。

 

 聞けば彼女も居酒屋なるものは、あまり行った事はないそうだ。

 

(ワハハハハ。札幌といえども、とても広いので、彼女の住んでいる場所は、オヤジとほぼ変わらない、緑豊かな場所なのだ。)

 

 お互い、ほぼ初めての経験の為、とりあえず、気になったスリ身や、無難な鳥串、豚串や飲み物を頼んだ。

 

 危惧していた話す内容だが、やはり実の姉の為に、すぐに昔の関係にもどっていった。

 

 お互いまずは体の調子や、子供たちの話で話が進む。

 

 さらに姉の長女は、他の子よりも苦労してきた分、最近、自立した道を歩んでいることを知ったオヤジは、自分の事のように喜んだ。

 

 そして、それぞれ自分たちが生きてきた人生。

 

 特にオヤジはかみさんが亡くなってから、誰にも話せなかった子供たちの事を色々と姉に話していた。

 

 姉は何も聞かずにニコニコして、オヤジの話を黙って聞いてくれた。

 

 あっという間に楽しい時間が過ぎていった。

 

 オヤジは接客業という商売柄、お客さんの人相には詳しい。

 

 店員に偉い態度を取るお客さんは、威張ってはいるが、全然偉くない、三流の重役さんの感じの顔がする。

 

 商品にケチを付けて、少しでもその商品を安くしてもらおうとするお客さんは、ネズミのようなせこい顔になっているのだ。

 

 また人生がつまらなそうに生きている人は、本当につまらなそうな顔になっているのだ。

 

 ただ、時折、年相応には見えるのだが、ハッ!!とするような笑顔に出会える時がある。

 

 男の人なら渋い。という感じや、女性なら魅力のある笑顔が似合う人である。

 

 昔読んだ本で、自分の顔は生まれてから変えれるわけでないので、若い時は仕方がないと思うが、年を取ったら自分の顔に責任を持ちなさい。という話であった。

 

 当時のオヤジは何の意味か全然分からなかったのであるが、いざ、自分がこの年になると何となくわかる気がする。

 

 それは年相応に、苦労しながらでも人生を前向きに生きてきた人が、なれる笑顔の顔になりなさいと言う事なのだ。

 

 

 オヤジもまた姉の顔を見たときに、(この人もまた、苦労を笑顔に変えてきた人だな。)と、思った。

 

「さようなら。またいつか会おうね!!」

 

 そう言って姉と別れたオヤジには、網走の冬の寒むさが身に染みた。

 

 今回は姉との会合は、あまりにも楽しすぎたので、デジカメで画像を撮ることを忘れてしまいました。