お帰りなさい♪ | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  新年、明けましておめでとうございます。

 読者の方々におかれては、オヤジの長々としてくだらないブログもお付き合いの件、今年もまたよろしくお願い致します。

 

 

 年末にほぼ、半年ぶりに韓国に行っていた娘2号が帰宅した。

「お帰りなさい♪」

 

 4年前の娘2号の高校生の進路希望の三者面談の時。

進路は短大に行く事に決まったのだが、短大を卒業した後の事であった。

 

「韓国に行ってみたい。」娘2号は、力強くオヤジに向かってこう言った。

「韓国って、あの韓国か??」

「そう、1年間留学して、韓国の学校で学びたい。」

「その後はどうするんだ??」

「できれば、韓国で働いてみたい。」

 

 当時、娘は韓国のアイドルグループのBTSに酔狂していて、オヤジはまたその影響で娘が突発的に韓国に行きたいと思っていた。

「留学のお金はいったいどうするんだ??」

「お父さんは、短大ぐらいは行かせてあげれるが、まさか韓国までの滞在費は面倒見れないぞ。」

「それにいったい、どこに住むんだ??」

もちろん、思い付きで考えていたら、頭ごなしに反対するつもりであった。

 

「大丈夫。韓国に行く1年間の滞在費は、バイトで今まで貯めているよ。」

「そして滞在場所は、学校の近くの寮に住もうと思っている。」

「うーーん・・・・・・」オヤジは深く考えこんでしまった。

「韓国って外国だぞ。途中でお金が無くなっても、お父さん、お金をお前に送ることもできないし。」

「それに韓国は男尊女卑の制度が厳しい国だぞ。」

「さらに未だに反日思想がある国だぞ!!」

「さらに韓国で働くって言っても、何をして働くんだ。」

オヤジは父親として、最大の反対の言葉を探していた。

 

「お父さん。行っても見ないのに、韓国を色眼鏡で見ないでよ。」

と、言いながら娘2号は、何ページにも渡り、ノートに自分で調べた韓国の様子、そして学校の制度、寮の内容、学費、滞在費。などをオヤジに見せながら、説得にあたった。

 

「うーーん。」もうこうなっては完敗である。

 

 これ以上の反対は、単なる親のエゴしかない。

30分後。オヤジは渋々と娘の韓国行きを賛成した。

 

 帰りの車の中、娘は「お父さん、何であんなに反対していたのに、韓国行きを賛成してくれたの??」と聞いてきた。

「おまえが、単にBTSが好きだから、韓国に行くというなら絶対に反対したけど、そこまで自分一人で調べて考えた事だから、これ以上の反対は、単にお父さんのエゴしかないからね。」

 

 娘2号は静かになった車の中で、「もしお母さんが生きていたら、●●(娘2号)の韓国行きの事、賛成してくれるかな??」と、神妙にオヤジに聞いてきた。

「うーーん。最初はやはり驚くと思うよ。だけど、お前のお母さんだからなぁーー。きっと喜んでくれるよ。」

「お父さん、最後にこれだけはお前にお願いするよ。」

「なあにーー??」

「韓国でも外国でもどこででも働くのは良い。しかし、結婚相手は絶対に日本人にしてくれよ。」

 

 冗談に思われるかもしれないが、当時のオヤジは真剣にそう思っていた。

 

-2-に続く。