キリン(バイク乗り)であり続ける事!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 

 今日は久しぶりにキリン(バイク乗り)さんのお話である。

 

 今日、オヤジの会社に何十年ぶりかもしれない、めずらしいお客さんが表れた。

 

 彼とは小学校から高校まで同じ学校で、幼馴染である友人B。

 

 更に家も車で数分という近所であった。

 そして高校と卒業と同時に、彼と一緒に原付バイクの免許を取りに行った仲である。

 

 免許を取ったオヤジと彼は、オヤジは当時のYAMAHA MR50,彼はYAMAHA GT50で走り回っていた仲であった。

 

 残念ながら時が経っと共に交流が無くなり、彼とはそれっきりとなってしまった。

 

 その後、オヤジは中型免許を取りFXに乗り大型免許の挑戦、挫折となっていくのだが、風の噂で、彼はHONDAのブロスとスーパーカブのオーナーになっていることを聞いた。

 

 その時に一度、彼に会った事があるが、彼の「もうバイクは止めたの??」という問いかけに、当時のオヤジは限定解除の挫折により「バイクはもう止めた。というよりも、むしろ嫌いになった。」という無情な答えを彼に返してしまった。

 

 時は流れオヤジは再び大型バイクの免許の取得。

 そしてZX-14R→ビューエル→カタナのオーナーとなり、S2000に乗り換えた訳であるが、彼との消息は、その後また途絶えてしまっていた。

 

 そんな彼が、オヤジの前にひよっこりと表れた訳である。

 

 話の流れから彼は今まで入院をしていて、最近退院したらしいのだが、もっと詳しく話を聞くと、それは命を脅かす大病であったらしいのだ。

 

 それを聞いて、オヤジは60歳の年齢にかかわる体の不調と思っていて、彼には軽々しく退院出来ておめでとうと言った事を深く後悔してしまった。

 

 そして別れ間際に彼に「まだカブとブロスに乗っているの??」と聞いてみた。

 

 すると、彼は「ブロスはもう体力が無くなって止めたんだが、カブはまだ持っているよ。」

 

「実は今、リハビリのためにHONDAのシャリィを買ったんだ。」

 

「原付のクラッチレスのバイクだけどね。」と恥ずかしそうに答えた。

 

 バイクは多いなる自由をもたらすために、ほんのばかしの不自由さを伴う乗り物である。

 

 そのほんのばかしの不自由の為に、早々とバイクを降りたオヤジと、40年間以上乗り続けていた彼。

 

 店から去りゆく彼の後ろ姿を見ながらオヤジは「いゃ、あんたこそ本物のキリン(バイク乗り)だよ。」とつぶやいた。

 

 たぶん、このブログを未だ読んでくれている友人B。

 

 今度暇が出来たら、またふたりで色々とバイクのお話をしよう。

 

 ーゆっくりとね。ー

 

 

 

 良かったら、今のオヤジの生き方に、多大な影響を与えてくれた、この二人のブログにも、遊びに行ってみて下さい。