万屋(よろずや)ゆーさん♪ | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 

  休日の今朝。朝、5時から外での作業です。

 

 朝一番にガレージを開ける。

特別、中の工具を使わなくても、ガレージが開いているだけで、何か作業をしたくなる。

 

 

 オヤジはおもむろに大きめのビニール袋を何枚か持ち出した。

 

  今日、朝一からやりたかったことは、家の周りの草むしりである。

 もう何か月間も手入れをしていない為、家の周りは草がボウボウと生い茂っていた。

 

5時になると外はもう明るいが、ひんやりとしていた。

 

 生え始めたスギナは簡単に手で根っこから抜き取り事が出来るが、もうこうなったスギナは簡単には抜きとれない。

 草刈り機で刈りとれれば簡単であるが、地面が砂利の為、手で一本ずつぬきとらなければいけない。

 朝食も取らないで黙々と草むしりをするオヤジ。

 

 気がついたら午前8時。3時間余りも草むしりをしていたわけである。

 

 お陰で、大きな袋に3袋も草が溜まり、無事に家の周りの雑草を一掃することが出来た。

 

 まだ、ところどころ残ってはいるが、あとは除草剤をまいて、残りの草を枯れさせることにした。

 いゃーーーー。年寄は朝早くから家の周りの草むしりをしているイメージがあったのだが、考えたら今のオヤジの姿がその通りで自分ながらおかしくなってしまった。

 

 ひと段落した後は、朝食を取った後、今度は向かいのおばあさんの網戸の張り替え。

 

 最近、張り替えてもらったばかりだったのだが、犬にいたずらされて、下側の網が全部破り取られたらしい。

 

 見ると網が無いところに、ガムテープの後がビッシリと張られていた。

 

 聞くと自分で網を張ろうと、ガムテープで網を張ったのだが、すぐに剥がれてしまい、自分では直せないと思ったらしい。

そこで娘を通して、2千円で直らないかと依頼された商品であった。

 

 

まずは実物を見る。

 

 これは一目見て、自分には手に負えない商品だと感じた。

 

 網戸の網を張り替えた人は気がつくと思うが、網戸の網は枠にゴムの長いヒモが入っていて、そのいヒモが網を抑えているのだが、この網戸はそのゴムのヒモが見当たらないのだ。

「ダメだ。本職に頼んでもらおう。」と、半分諦めるオヤジ。

 

 しかし、単純にあきらめても悔しいので、一応グーグル先生で調べてみた。

 

 すると、どうやらこのワクは単純に化粧用のワクであり、このワクを外したら、本来の網戸の姿が出てくるという事が分かった。

 

 まずは1本目を慎重に車の内装はがしの工具で外してみる。

 

 1本外れたら、後は同じように3本やれば良いだけである。

 

 全部の化粧ワクを外し終えたオヤジは、中の網を抑えているゴムのヒモを少し切って、ホームセンターに走る。

 

 ゴムヒモの太さは同じか一ランク太いのが良いと書かれていた。

迷った時は一つ上のギァー。

 これは走り屋が峠を攻める上の鉄則だが、オヤジも迷った時は一つ上の太さ。という事で、

ゴムヒモを一つ上の太さで購入。ついでに網も購入。

 

 値段は599円。

 

早速、網戸の網の張り替えに挑戦!!

 

 工具は何故か網の張り替え用のローラーを持っていて、100均で購入していた、クリップを使う。

 

 右下の黒いカッタ―みたいなやつが、張り替え用のローラーです。

 

 ここでオヤジは大失敗した事に気がついた。

 

 一つ太目のゴムは最初、無理やり詰めたのだが、それ以降は太すぎて網戸の枠に入らないのだ。

 

 もう10分以上格闘したが、これは無理だと気がついた。

 

 更に無理やり詰めたため、その詰め込められた近くの網は伸ばされて、今にも破れそうになっていた。

 ダメだと悟ったオヤジはすぐにあきらめて、もう一度同じ太さのゴムひもを買うために、ホームセンターへ舞い戻った。

 

 再度挑戦!!破れそうな網をカッターで切る位置までずらして、再びゴムヒモを網戸の枠にはめ込む。

 

 すると、あれほど入りずらかったゴムヒモは、すんなりと綺麗に枠に収まっていった。

上の破れていない網を見ると、綺麗に貼られていた。

 

 オヤジは横と下側を貼り終えた後、網を抑えているクリップを外して、今度は手で網を引き延ばしながら網の張り替え用のローラーを走らせていった。

 

 残念ながらオヤジの張り替えた網戸の網は、ゴムのつなぎ目に網がよってしまい、1ヶ所だけたるみが出来てしまった。

 

 この右側の上側ね。

 

 ここがやはりプロと素人の違いという事で、やはりプロの凄さが、教えてもらえる事となった。

 

 おばあさんは留守だったため、勝手に玄関に網戸を取り付けて、そのあとS2000の洗車をしにガソリンスタンドに行ったオヤジである。

 

 天気は快晴!!

 

 洗車後、オヤジはS2000を久しぶりにオープンにして走った。

 やはり周りの景色が眩しい。

オープンカーはサングラスをして走らないと目が疲れる。

この後、何処に行こうかと思ったら・・・・ガソリンの残量がもうEゲージ真近。

 

 多分、昨年のオヤジなら、残りの金が無くても無理してガソリンを満タンにして、近間を走り回っていただろう。

 

 しかし、このSとはもう5年間しか乗れないと気がついたら、無駄に意味のない走りをすることが出来なくなっていた。

(こんど、お前とは本気の時に気が済むまで走りきろう。)

 オヤジは馴染みのスーパーで食材を購入してから、真っ直ぐに家に帰る事にした。

 

途中、バイパスで後続がカイエン・ポルシェと出会った。

 

 この車ね。

今、人気のポルシェのRV車である。

いくらRV車といえども、腐ってもポルシェ・ブランドである。

「ポルシェなんかには負けっけないぞ!!」

ほんの少しだけSの片鱗を見せて、パイパスを踏み切った。

 

 見ると・・・・カイエン・ポルシェは遥か後続に・・・・

 うーーん。ポルシェに乗る人でも、あんまりスピードを出さない人もいるんだなぁーーー。

 

 てっきり後ろについてくると思ってきたが、少しガッカリしたオヤジである。

 

夕方、向いのおばあさんは娘を呼んで、オヤジに手数料の2千円を渡してくれた。

 

 そして、また新たに修理依頼が・・・・

 今度は台所のシンクの前のドァーが外れたので、別にお金を出すから、今度また見て欲しいという事であった。

 

 オヤジはすぐに向かいのおばあさんの家に向かった。

 壊れているドァーを見たら、普通の蝶番でなく、今流行りの複雑な形をした蝶番であっ

た。

 しかも、おかしなことに外れたネジは短くて、どう考えても外れた場所には、入らないのだ。

 格闘する事約30分。

一旦、家に戻って、ネジが何種類もあるパーツケースを持ち出して、再びおばあさんの家に戻った。

 すると、もともとついてあった短いネジは、外れた場所には太すぎて付かないことが分かった。

 

 そこで初めて、この蝶番の原理が理解できた。

 

 外れた金具にはもともと違う細いネジがついていて、それが外れたので、扉が外れた訳であった。

 付いていた短いネジは、その外れた金具と扉を接続するためのネジであった。

 

 オヤジのパーツケースから会うネジを探し出してきて、ネジを閉めて扉はようやく元どうりになった。

 

 おばあさんは大変恐縮していた。

 

 聞くと網戸を修理してもらった時に、4,500円も取られたそうである。

まあ、部材代が500円で工料が4,000円だから、当たり前であるが・・・・

 その為、網戸の網の張り替えに2千円は少ないんですが・・・と盛んにお詫びしていた。

 

そこでオヤジは網戸の一部をさし、

 このゆがみの部分ね。

 

「素人だからここはこれ以上出来ないから2,000円ももらえるなんて悪いですから、今回の網戸の網の張り替えと、扉の修理で丁度2,000円にしましょう。」という事で、お互い納得した。

 

 確かに素人DIYは見てくれは悪いが、おばあさんは安く修理してもらって、蚊が入らなくなったので大喜びしていた。

 

 うーーん。プロに任せたら、かなりの高額な請求だが、安くてそれなりに修理ができたら、年寄にとっては大助かりである。

 

 そういえば、前におばあさんの車の後ろのタイヤサイドがボロボロになって、車屋さんに見積もりを取ってもらったら、16万円と言われたそうだ。

 そこで発奮したオヤジはタダで、おばあさんの車のタイヤサイドを、FRPで補修して、それなりに綺麗にしてあげた事があった。(その時はFRPの部材代で1万円かかったが、自分の勉強代として、修理代は請求しなかったが、後で寿司のセットを届けてもらった。)

 

  これからは、年寄相手の綺麗に高く修理。というのではなく、それなりに安く修理。という隙間産業が流行るだろうなぁーー。

 

 定年退職したら、万事屋(よろずや)のゆーさん。いう事で、年寄相手に貢献したいなぁーー。

 

 追加の195円は、買い直した細いゴムヒモの値段です。

 

 オヤジが生まれて初めて、自分の手だけで稼いだ2千円。

実質は部材代を引いて、1,206円。

 

 ほんと、タバコ代ぐらいであるが、なによりもお年寄りに感謝されることがうれしい。

 

 

 

 

  今日も外に出たくて、黄昏ているココであった。

 

 

 

 良かったら、今のオヤジの生き方に、多大な影響を与えてくれた、この二人のブログにも、遊びに行ってみて下さい。