33Zと雨中の中のランデブー走行!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  車検を取り終えたS2000。

しかし残念ながら、オヤジはなかなか休日、自由に乗り回すことは出来なかった。

 

 そこで今回は北見の会社に行くときに、いつものバモスではなく、S2000を使う事にした。

乗る期間は4日間。片道、約50kmほどなので、合計400kmである。

 

  行きは当然出社の為なので、通常の走りであるが、帰りは夜中になる為、そこそこ飛ばして帰れるのが、唯一の楽しみとなっていた。

 

 そして4日目の最終日。その日は運悪く土砂降りの雨となっていた。

 

 仕事が終って食事を終えたオヤジは、土砂降りの中、ゆっくりとS2000を走らせていた。

 

 土砂降りの暗闇の中、ハイパワーFRを走らせるという事は、かなりアクセルを慎重にしないといけない。

 水たまりの中に駆動系のタイヤを落とした瞬間、リァが軽く滑り始めるからだ。(まあ、オヤジはそこまで過激には走らないが・・・)

 

 街の中一台の車が左側の車線の横に並んできた。

オヤジは渋滞でない限り、横に車が並ばれるのは凄く嫌だ。

とっさの時に逃げ道が無いからだ。

少しスピードを上げたら、隣の車も同じように上げ始めた。

 

 しかし抜かすのでもなく、あくまでも並走していたのだ。

車種を見ると、日産のノート。

「早く抜くか後ろの下がるか何方かにしてほしいなぁーーー。」そう思いながら、また淡々と走る続けたのだが、あくまでもノート並走したままであった。

 

 その時である。

 

 銀灰色の1台の低い車体の車が、そのノートの後ろにピッタリと付いた。

 

 そして徐々にスピードを上げ始めたので、オヤジと並んでいたノートはたまらず、スピードを上げてオヤジを抜いていった。

 

 その銀灰色の車は、その瞬間、一気に加速して、オヤジの車線に入り込み、スピードをあげて遠ざかった。

 

 その瞬間!!オヤジの口元はニャリと笑った。

 

 北見の帰りの最終日。面白い車に出会ったな。

その銀灰色の車は、日産のフェアレディZ 33型であった。

 

  この車ね。

 

 この車が出た当時は、オヤジはこの車の良さが分からなかった。

先代のスマートな車体と比べて、太った車体。なんで こんなデザインにしたんだろう??と、本気で思っていた。

 

 そして月日が経って、オヤジもようやくこの車のデザインの良さが分かるようになっていた。

 

 機能美ということばがある。

 

 余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさ。を意味するのだが、このZもまた、走る為だけに作られた車だけの美しさがあった。

 

少し遅れてオヤジもまた33Zを追尾していった。

 

 先に走っていたノートは気がつくと、はるか後続に走っていた。

 

この手に乗る車(スポーッカー)のドライバーは二手に分かれる。

 

 片方はいわゆるオラオラ系。

他車を邪魔者扱いにして、ドケドケ運転をするドライバー。

 

 これはもうスポーッカー乗りの風上も置けないドライバーである。

 

 そしてもう片方は、オヤジの目指している、気がついたらいつのまにか抜かされていた系のドライバーである。

 特別、煽られている訳でもなく、気がついたらいつの間にか抜かされていたという、自分の運転の邪魔ならない運転で抜かしていくドライバーである。

 

 お互い雨の中、抜きつ抜かれつつをしながら、楽しく走る。

 

 同じFR乗りというシンパシーを感じているのだろうか??

 

 隣町まで走っていると、ここでまた2台の前走車に出会ったのだが・・・・

なんとこの前走車は雨の中、速く走れないで、やっとの思いで走っているのが分かった。

 しかも2台とも並走しながらのノロノロ運転であった。

 

オヤジは33Zの後ろに潜り込んだ。

 多分、彼ならこの2台でゆっくりと走っている車の流れを断ち切ってくれると確信していた。

 

 オヤジは煽り運転を別に擁護する気は無い。しかし、このようにゆっくりと並んで走っている車をみると、煽り運転は無くならないだろうなぁーー。と強く感じる。

 

 2車線があれば遅い車はキープレフト。

これが大原則であるが、遅い車であればあるほど、自分は安全運転している。と、勘違いして、2車線を横の車と並走して、回りの車をイライラさせて、煽られる運転をしているのが気がつかないのである。

 

 やはり33Zのドライバーはこの手の状況に慣れていのであろう。

 遅い車の後ろから、別に煽るわけでもなく、徐々にスピード上げて行って、並走の流れを崩していった。

 そして追い越し間隔が出来たと当時に、一気に横に飛んで追い越して、またもとに車線に戻ってから、一気にスピードを上げ始めた。

 

 続いてオヤジ。33Zが一気に消えたのを見ている車の間をぬって、オヤジもまた一気に横に飛びながら前走車を追い抜き、33Zの後を追った。

 当然、土砂降りのなかである。

 

 ラフなハンドル操作はスピンの元である。

繊細なハンドル操作とアクセルワークによって、オヤジもまた渋滞を抜け出して、ゆうゆうと33Zに続いていた。

 

 こうして気持ちよく走り続けた33ZとS2000であったが、33Zは途中、進路を変えて走り去っていった。

 

 普段、雨の日は走りずらく嫌な日であるが、33Z乗りにあえて、久し振りに楽しく走れた時であった。

 

 お互い名も知れないFR乗り。

 しかし、ハイパワーFRに乗るという心意気に触れた一瞬であった。

 

 

 

 良かったら、今のオヤジの生き方に、多大な影響を与えてくれた、この二人のブログにも、遊びに行ってみて下さい。