2022年5月3日。
ほぼ、半年間にわたる長い眠りについていたその車は、再び眠りから目覚めた。
クラブミッドナイトーSの称号ー
活動開始!!
ほとんどホコリまみれになっていた、その銀灰色の美しいボディは、最初、小さくブルルと震え、やがて大きな背伸びをするように、鈍い音をたてた。
オヤジがしたことはまず、いの一番にS2000の洗車。
あまりの汚さに、流石に閉口したのである。
洗車後、オヤジはいつもの場所にS2000を停めた。
「オイル!!良し!!」
「タイヤの空気圧!!良し!!」
これはGTR乗りの友人Iから、 この手の車で走る前はいつも必ずこの2点だけでも、チェックしたから走り出せ!!
と、アドバイスをもらって以来、こうしてかかさずにチェックを行っている。
こうしてチェックしていると、これからいよいよ、走り始めるんだという気分になる、一種の儀式のようなものである。
今日の走行はオホーツク海側から湧別に向かって走り、上湯別のチューリップ公園を目指し、北見経由で帰ってくる、全走行、およそ250kmの予定である。
同行者は前回同様、娘1号。
彼女もまたこのS2000のオーナーであるから、オヤジが疲れて運転できなくなった場合、運転の代行が出来るから、安心して任せられるのである。
気を付けるべき点は、今日はゴールデンウィークの為、いつも走りなれている車と、サンデードライバー(休日しか走らない)が入り混じって走っているという事だ。
特にサンデードライバーの後ろになると、予想不能な動きをするから注意しないといけない。
また昨年はほとんどガレージ作りで、S2000は乗っていなかったので、オヤジ自身も公道における走りのリハビリをしないといけない点である。
オヤジの公道におけるリハビリとは、公道をそこそこ速く走る為に、
①事故を起こさない。
②事故に巻き込まれない。
③捕まらない。
という、3点である。
洗車後、早速オホーツク海に向かうオヤジ。
相変わらず固い足回りの為、地面からの突き上げ感は強い。
またオープンカーの為、時速100km/h近くなれば、風切り音がうるさい。
その為、しばらくゆっくり走っていた。
ただしコーナリング感は絶妙!!
狙ったラインは外さないで、6速ショートストロークのシフトは、スコッ!!スコッ!!と気持ちよくチェンジ出来た。
やはりマニュアルは最高だ!!
回りの友人たちはセミオートマのパドルシフトの優位性や、タイムの速さを強調してくる。
しかし、このマニュアルの楽しさを知ったオヤジには、全然気にもならない。
またS2000はある意味、オートマでもあるのだ。
6速トップギァーで巡行中、例え急な登坂であろうとも、一度アクセルをベタ踏みしたら、ダイレクトに加速モードに入る。
これが250馬力のパワーのある車の良さなのだ。
パワーウェイトレシオは5.5kg/psのGTR R34を時として凌ぐ5.300kg/ps。
しかもコーナリングはあのNSXよりも速いとされている、カミソリナ並みのハンドリング。
ハイテクで武装された車社会の時代に残された、ジュラ紀の恐竜ともいえる、その姿はオヤジの世代には郷愁をさそう。
昔、「その車はまるでくるおしく身をよじるように走る。」と言われた悪魔のZと同様に、オヤジのSもまた、意志を持っているかのように走っていた。
走り出して1時間ぐらい経って、最初の休憩場所、サロマの道の駅に到着!!
中にはローマの休日で出ていた、真実の口が作られていた。
天候は晴れたり、小雨が降ったりと、安定しない状態が続いていた。
続いて愛ランド湧別の道の駅に到着。
ここで軽く休憩後、いよいよ今日の目的地の、上湧別チューリップ公園を目指した。
午前1時。上湧別チューリップ公園に到着。
恒例ならチューリップでここは満開になっているのだが・・・・
残念ながら寒さの為、チューリップは咲いていなかった。
この後、遠軽の道の駅に向かって走って、ここで昼食を取ろうとしたのだが・・・・
何故か遠軽の道の駅は大混雑をしていた。
多分、高速を乗って旭川や札幌から来る人と、これから旭川、札幌方面に向かう人たちが休憩するために集まったのであろう。
レストランに入った途端、長蛇の列。
下手するとかなりの時間待たないといけないと思い、ここでの食事を諦めたオヤジ達であった。
そして向かった先は、遠軽の街のほぼ外れにある食堂のどか弁。
この食堂は知る人ぞ知る、安くて量が多くて美味しいという、ドライバーの中では有名な食堂なのだ。
食堂に入るともうご飯が切れていて、メニューはラーメン、うどん、そばしかできないと言われた。
そこでもうお腹が空きすぎたので、早速ラーメンを頼んだオヤジ達である。
オヤジは醤油バター大盛り。娘は味噌バターラーメンであったが、出来上がったラーメンを見てみると・・・
オヤジのラーメンはほとんど、洗面器のような容器だったし、娘のほうは普通のラーメンのはずが、何故か大盛りのような量というすさましさであった。
ちなみに娘のラーメンが800円。オヤジのラーメンが1,000円。
二人合わせても1,800円という、超リーズナブルな価格であった。
食事を終えたオヤジ達が次に向かった先は、生田原のチャチャワールドである。
ここは日本の有名な影絵の巨匠・藤城清治氏の作品と世界のおもちゃが集められているのである。
※影絵の作品のみ撮影は禁止である。
ここも小さい子供連れの家族が多く来ていた。
ここでしばらく休憩を取ったオヤジ達は、ここから一気に北見に向かって走った。
普通ならこの時間帯になると、オヤジはもう疲労困憊になって、一休みで仮眠をとる時間なのだが、やはり久しぶりのS2000の運転なのであろうか??
疲れは全然襲ってこなかった。
そして北見に着いたら最後はお決まりのゲーセンへ。
オヤジは秋名の雪の峠を極めるべく、イニDをひたすら行う。
慣性ドリフト(ノーブレーキで突っ込み、慣性を利用してドリフト状態に入る)をマスターしたオヤジは、登りは同ランクの日本中の人たちの中では、負けない速さを身に着けていた。
また下りも時折、1位を取れるようになり、今までB6ランクからB5ランクに昇格!!
フフフフ♪単なる爺様となめてかかったら、痛い目を合わせられる存在となったぜ!!
(先日、湾岸でオヤジに対戦を挑んできた若者がいたが、相手はクラスCの740馬力。こちらはクラスBの830馬力。最後の最後でパワー生かした走りで抜かして逆転をして、あいては驚いて、拍手をしてくれた。)
北見からの帰り道の2車線。
オヤジが右側を走っていたら、クラウンクラスのセダンが、オヤジを見て「爺様が生意気にスポーッカーに乗って。」と思って抜きにかかってきた。
しかし、所詮、快適装備でメタボになったボディとオートマ仕様。
オヤジはチラリと相手を見る。高速走法慣れをしていないおやじだと確認。
シフトはそのまま6速をキープして、アクセルをオン!!
見る見るうちに加速するS2000。
相手は焦って追いかけてくるものの、所詮は普通のセダン。
はるかかなたの後続に取り残され、アスリートのS2000にはかなう相手では無かった。
こうして久しぶりにマニュアルの楽しさと、S2000の性能を堪能するオヤジであった。
良かったら、今のオヤジの生き方に、多大な影響を与えてくれた、この二人のブログにも、遊びに行ってみて下さい。