昨日の吹雪とは打って変わって今日は快晴!!
オヤジはいつもと変わらず、いつもと同じ時間に会社に出社するために家を出た。
そしていつもの国道に合流する道路で右折を行うと、通勤車のタントカスタムはいきなり車体が斜めにスライドした。
「!!」
アイスバーーンと直感したオヤジはとっさにハンドルを切り、カウンターを当てながら、アクセルを戻して、車体を立て直した。
北海道の人間ならアイスバーンと言えばわかるだろうが、本州の方々はアイスバーンとは、要はスケートリングで、車を運転するような感覚だと思えば、理解が早いと思う。
車好きな人なら、おれの車は300馬力だとか、600馬力だとか自慢するが、なんてことはない。
今の北海道は、たった60馬力にも満たない軽自動車が、数百馬力と同等な速さを手に入れる事が出来るのだ。
どんなに馬力のある車でも、アクセルの踏み方を間違えると簡単に駆動系のタイヤが空転して前に進まなくなるのである。
昔、同窓会でみんなに見せびらかそうとして、S2000で会場に走ったオヤジであったが、帰りはアイスバーンで空転して尻が右左に振りながら、全然前に進まないため、ハザードをかけながらゆっくりと徐行して帰った情けないオヤジであった。
4WDは雪道に強い!!と、よく勘違いされるのであるが、正確には4WDは雪道の発進に強い!!というだけで、停止とかコーナリングに関しては、普通のFRやFFよりも少しだけ限界速度が高くなると言うだけなのだ。
経験から言うとFRの雪道は、全くクソ車と化する。平坦な道なら何とかなるが、少しでも坂道なんかになったり、雪が積もっていたら途端に動かなくなる。
また、低速度で簡単にスピンして、路肩に落ちてしまう。
FFの場合はエンジンというおもりがフロントにある為、まだFRよりもマシである。
過去に数回、時速50km/hほどで滑って後ろがケツを振り出したが、その時は恐怖でアクセルをベタ踏み、ハンドルを右左に切ってカウンターを当てていたら、自然と元に戻った経験がある。
これは単に運が良かっただけだが・・・・・
そして4WD。生半可、発進が楽なので、他の車よりもスピードを出してしまう。
このオヤジでさえアイスバーンでも80km/hから100km/h位で走っていることがある。
始末に負えないのは横滑りセンサーのついている今のいい車。
やれABSだとか、横滑り防止とかの装置が付いているため、今の人には車が滑った時の限界速度が分からない為、昔の古い車のように滑ったらカウンターをあてるなんて芸当は出来なくなる。
滑った時は後は車任せとなるのだ。
昔、電器屋の頃に社長のプレジデントを運転した事があった。
20代の頃で当時の価格で600万円から800万円。
今でいうレクサスの最高車ぐらいの超高級車である。
その時に冬道でオバカなオヤジはいきなり左折の時に、アクセルを全開にしてみた。
当然、ドリフトを構えたら、プレジデントの横滑り警告灯が赤く光り、普通に左折してしまった。
技術の進歩は人間の領域をはるかに超えてしまっていることを実感すると同時に、この車なら安全にどこまでも速く走れるんだろうなぁーー。と感心した。
また会社の社用車はABSが付いている。
普段、ABSの無い車に乗るオヤジは逆にABS付きの車が怖い。
おかしな話であるが、理由は停まらないからだ。
ABSの無い車に乗っている人間は、ブレーキのベタ踏みから戻して、またベタ踏みを数回繰り返して、車を停めるすべを覚えているのだが、ABSがある車でブレーキを踏むと、ABSが働き、自分の感覚よりも長い距離で停まる為、凄く怖い。
また横滑り防止が無い車の場合は、早い段階で滑る感覚が判る為、センサーのついている車よりもはるかに低いレベルで滑り始める為、滑っても立て直しができたり、最悪の場合は路肩の雪に突っ込むぐらいで大事には至らない。
今年もまた冬がやってきた。
アイスバーンだと直感したオヤジは、いつもよりも少し遅い速度で走っていたら、前方で車をローダーする車がハザードを出して停止していた。
落ちているな。とゆっくり横を通り過ぎると・・・・
1台、2台、3台・・・・・
結局,6台もの車が路肩に落ちていて、中には横転している車が何台かあった。
見ればどれも新しい車ばかりである。
技術の進歩は素晴らしいものがある。
ABSや横滑り防止センサー、前走車にぶつからないセンサーとか、自動運転。
こんなにいろいろと安全に走行できるように進歩したのに、人間のほうはかえって、そのおかげで退化していったのではないだろうか??
いまだ旧型化石自動車に乗っているオヤジはふと、そう思った。
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