プロジェクトレディー新章15-  追い風が吹いた。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 

 ガレージ作りも、いよいよ佳境に入ってきた。

 

 そんな時である。今月の支払いが、灯油代が2ヶ月分の請求、さらに下水道代のメンテナンス、固定資産税に請求と、通常の月の支払いよりも、6万も多くの請求がきて、給料の残りが6万を切っていた。

 またストックしていた貯金も、先月の木材の買い占めの為に、底をついた状態であった。

 

「うーーん。参ったなぁーー。このままお金が足りないから。ガレージ作りは停止。と言うにもいかないしなぁーー。」 

 

 そうなのだ、後、1ヶ月もしたら本格的な冬が来るために、何としてでもガレージ作りの大まかな作業は今月中に終わらせなければいけないのだ。

 うーーむ。かくなる上は、最後の牙城の定期預金の解約かなぁーーー。

と、連日、連夜。オヤジは定期預金通帳をにらめっこしていた。

 

そして、9月も終わろうとした日。

郵便局からある一通のはがきがオヤジの元に届いた。

 

 中を見てみると、何とそこにはオヤジの預金通帳に、徳川埋蔵金が降りこまれたという知らせであった。

 

 その瞬間、オヤジは数か月前の事を思い出した。

 

 ガレージが欲しくて、オヤジは網走近辺や、隣町の倉庫を色々と調べていた時に、保険の満期の通知があった。

 オヤジはその生命保険の満期お金を利用して、土地を買って、ガレージを作ろうとしていたのだ。

ところがその保険の解約を行わなければ、30年以上前の昔に入った保険の為、オヤジが60歳になってから、5年おきにその都度、オヤジの貯金に徳川埋蔵金を振り込まれるシステムになっていたのだ。

 

 その額は今の2000の支払いを完済できる金額と言えば、およその額はわかって頂けるかと思うが、その時は9月に降りたら、S2000の支払いを完済しようと思って、そのまま忘れていた金額であった。

 

  さっきまで、ガレージの作成の工面をどうしょうかと悩んでいたのだが、急にその支払いの悩みも無くなった。

 

 またガレージの壁にはサイディングを施そうと思っていたのだが、ホームセンターの在庫の中では、北見の一番大きなホームセンターしかその材料は置いてないのである。

 その為、オヤジの家まで、その部材を配達してもらうのは、佐川急便やヤマト宅急便に委託配送になる為、長物になるので、たとえ材木1本でも、運送賃は1万2千円もかかるという事であった。

 そこで軽トラを借りて買いに行こうか??または多少高くなっても地元の建材屋さんに頼もうか??と、悩んでいた。

 

 そんな時である。昨日、オヤジの会社に以前、ガレージを作るときに相談に乗ってもらったお客さんがやってきた。

 そこで、以前のお礼と、今は、ガレージを自分で作って入る事と、その写真をスマホで見せたのだが、それをみるなり、そのお客さんは壁はサイディングが良いと思うよ。と言ってきた。

 

 そこでサイディングの調達の件で悩んでいることを話したら、何と、そのお客さんは今、自分の遊び小屋をサイディングを行おうと部材を集めたらしいのだが、かなり多く集め過ぎたらしく、余る可能性がある為、オヤジにその部材を安く分けてもらえることとなった。

 また、お客さんが軽トラを持っているので、部材はオヤジの家まで配達してくれることとなった。

これで、サイディングの調達の心配も無くなった。

 

 そして今日、しばらく会っていなかった、大工さんのお客さんがやってきた。

いま、ガレージを作って入る事、更には屋根を作って入る最中で、どうやって作っていくか、なかなか悩んでいることを話してみたら、オヤジの悩んでいることを、理路整然に説明して解決してくれた。

 更には雪の対策。また、雪には重い雪と軽い雪がある事、そして屋根材にはオヤジが考えていた部材が一番ベストだったという事を教えてくれた。

 

 この3つの出来事は単なる偶然であろうか??いや、必然的な出来事であったのではないだろうか??

 

 最近、物事には全て縁と言うものが、存在するのではないかと思っている。

 

 縁がない物を無理に手に入れようとすると、途端に手元から離れてしまうのである。

 

 昔、憧れだけで当時の出たばかりの新型バイクZX-14Rを手に入れた。

勿論、オヤジには縁のないバイクであって、たった5回乗っただけで、そのバイクはオヤジの手元からすぐに離れていった。

 

 そして今、オヤジには身分不相応な2000が手元にある。

またそのS2000のお陰で、眠っていたガレージの夢を呼び起こしてしまった。

 そして20代から憧れ続けているガレージライフがいよいよ目の前に見えてきた。

 

 人は自分の夢を思い続けていると、その夢は必ず自分のものになると言う。

 

 また具体的に人に、その夢を語りつくしていけばいくほどかなう可能性が高くなる。

それは他人に、自分の夢を語ることで、今、それに対して自分は何を行わなければいけないか、自然と分かってくるからなのではないか??

 オヤジは昔から、ガレージが欲しいと、絶えず自分の関わる人に話してきた。

そうしているうちに、いろいろと、参考になる話や、良い話が入ってくるようになった。

 

 今までがほぼ半年、休日はほぼガレージ作りとなり、むしゃらに行ってきた。

そして作れば作るほど、分からない点が出てきては解決。

更に解決した後にはさらに、また分からない事が出てくる。の繰り返しであり、その都度、勉強であった。

 

 その中で見えてきたものは、ただ、漠然自分の夢を思っていて、かなわないとあきらめるのか??

 

それとも、まずは一歩その夢に向かって進んでみるのか??

 

 進んでは問題が見つかって立ち止まる。また問題を解決したら進み続ける。

 

結局、自分の夢を手に入れるなら、それの繰り返しなのではないか??と、思うようになった、今日この頃である。

 

 

 

 

 

 

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