ーそして父になる。ー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 ーそして父になる。ー

 今日は決して福山雅治さんの映画のお話ではないのだ。

 

 オヤジと娘2号のシリーズの最終話として書かせてもらおう。

 

 まずは、以前、コメントに自分の娘を、娘2号と書くなんて。と、驚かれた人がいたので、何故、オヤジが娘たちを1号、2号と書いているかを少し記載したい。

 

 この「Sの称号」の前は、ご存じバイクブログであって、バイクが全然出てこない伝説的な変態ブログ「キリンに憧れて」から話は始まる。

 

 バイク乗りのかたならもうわかるであろう。

1号、2号ときたら3号ではなくV3と。

 

 そうオヤジはバイク乗り=仮面ライダーの世界なのだ。

 

当時の正義の味方は、みんなバイクに乗っていた。

 

 仮面ライダー。月光仮面。(ふ・古すぎる・・・・)、兜甲児。ゴレンジャー。モスピーダー。

だから今の時代は、バイク=暴走族というイメージを持たれるが、オヤジ達世代は、確かにバイク乗りは、正義の味方のヒーローであった。

 その正しい流れを受け継ぐものとして、娘たちには1号、2号を呼ぶようにしたのだ。

 

 さてさて、今日の話の本題に入ろう。

 

 前回の聖職者のお話には後日談があった。

 

 オヤジがあっさりと、娘に大学を辞めて帰ってこい。という決段に驚いたのか、興味をひいたのか、娘の相談に乗っていただいた担任の教授(大学の先生だから、先生とは呼ばないんだよね。教授だよね。それなのに先生と書いて、ずいぶん失礼いたしました。教授。)から、「卒業式にオヤジさんと、人として一緒にお話しをしたい。」と、娘に連絡してきたのだ。

 

 オヤジはトーゼン驚いたよ。

だって相手は非常に博識のある偉い人だもの。

 

  普段、マンガしか読まないオヤジだもの。

 

 そんな偉い人と話なんかすれば、どんなに人として立派だよ。って飾りまくったって、物の数秒でメッキがはがれるようにエライ人の飾りが、ガラガラと音を立てて崩壊していくのが目に見えていたもの。

 

 そこでオヤジは一計を案じた。(確か、この場でこの言葉はふさわしくないだろが、普段はマンガしか読まないオヤジの為、貧困な発想を許してください。)

 

 娘に「オヤジはそんな偉い人間でもないし、もし、オヤジという人間を知りたければ、オヤジが書いているブログ「Sの称号」を読んでくれたら、どんな人間かがわかるから。と言っておいて。」と、連絡を返した。

 

 するとその教授は早速、オヤジの拙いブログを熱心に読んでくれた。

そして、娘に早速、その感想を送ってくれた。

 

 ちよっと嬉しかったなぁーー。

 何だか自分の文章が、偉い人に認められたような気になった。

 

 幼いころに母親を亡くした、娘2号は何をやるのも、すべて一人で行っていた。

それはオヤジが長女1号が手ばかりかかった子供に対して、2号は常に優等生であった。

 決して間違った事はしないし、勉強は自主的に行う子供であった。

だから安心して、娘2号には構うことなく好きにさせてきた。

 

 学校で言うなら、丁度クラスの委員長みたいな感じであった。(あっ。高校時代、生徒会やっていたから、ある意味、委員長的な存在と言うのは、正しい書き方だな。)

 

 高校時代、落ちこぼれた人はわかると思うが、落ちこぼれた人間は、優秀な委員長的な存在は、ちょっと苦手であろう。

 

 残念ながら清く正しい娘には、オヤジは嫌いではないが、何処なく苦手な意識を持っていた。

 だって恥ずかしい話、カタナやS2000を買った時に、どうやって娘2号に言い訳しようかな??と、本気で考えたぐらいである。

 60近い大の大人が二十歳にも満たない子どもに対してだよ。

 

 「お父さんは、お前たちの親なんだから、いちいちお父さんの買うものに、口出しするな。」と子供たちが文句を言うようなものなら、こう答えるのが、普通の親であろう。

 

 まあ、それだけ子供たちを、子供として考えるのではなく、オヤジは同じ家の中に住んでいる、同じ人として考えていたのだが・・・・・

 

昨日、娘から娘の座右の銘としている、ある韓国の詩を送ってもらった。

 

その詩には

「ゆっくり一歩ずつ歩いていけば、それが正解になり、正しい道となる。」

と書かれていた。また、

「今、選択を間違ったと思っているその道は、長い時間をかけてきた道は、正しい道で間違いないのです。」

とも書かれていた。

 娘はこの詩のように、言葉で人の心に寄り添える人になりたい。と書いてきた。

 

 オヤジは娘から送られた言葉に対して、

 

「そうだな。人生は正解なんかないんだよなね。」

 

「間違えなんかないよ~」

 

「自分が行った事に満足出来たら、正解なんだよな。」

 

「お父さんが今まで選択してきた道ってあってるの?」と聞いてきた。

 

 オヤジはドキリとしたが、正直に答えた。

 

「先生も同じこと言っていたな。」

「多分間違っていると思うけど、後悔はしていないよ。」

「わかりきった人生なんて。面白くないでしょ。」

 

「そうよ~」

 

「間違ったと思っても、自分で楽しむ事にしなければね。」

「S2000なんて、●●(当時、一緒にスポーツカーを探していた友人)の対抗意識と、見栄と乗りで買って、本当は失敗したと思っているけども、後悔しないで楽しんでいるし。」

「今ではS2000に乗れる事が、楽しみと生活の一部になっているから。」

 

こう書いて娘と別れた。

 

  コロナは多くの人に大きな被害をもたらした。

が、今回の件で、もう立派な大人だと思っていた娘が、まだ壊れるような繊細な心を持った子供だという事が分かった。

 

 いままで身近にいても、何だかあんまりきちんと話もしなかったのだが、遠くに離れていても、初めて娘と本心で話せたと思う。

 

  また娘に対して今回、オヤジが取った行為で、本当にオヤジは娘の父になる。いや、父親になれる権利を得たのではないだろうか???

 

 これで娘とオヤジのお話は本当に終わり。

 

 親って子供が成長する姿を見ながら、自分も成長していくんですねぇーーー。

 

 普段、オバカキャラをやっているオヤジですが、今回は真面目に娘と向かい合いました。

 

 

2021年1月27日。 そしてオヤジは父となる。