午前7時30分。早速食事とする。
なにせ、食事なしよりも付きのほうが、500円しか高くない為、当然、2人で500円は安いために、朝からもりもりと食べる。
コロナの影響か、ここの朝食もおかずは弁当であった。
ごはん、みそ汁はお替り、自由である。
午前8時。
ようやく札幌へ向けて出発!!
やはり旭川のビジネスホテルは激戦区の為、ほかのホテルよりもはるかに安い気がする。
今日の目的は札幌の中古車の大展示会を、2件はしごするだけなので、高速代をケチらずに走る。
ここで、暑さのせいか、S2000のカーナビがフリーズしてしまった。
いったん、電源を落としてから再起動したら無事に動いたので、ホッと一安心!!
今日は快晴!!
高速を時速90km/hで淡々と走る。
他の車は次から次にオヤジのS2000を抜いていく。
えっ??何故90km/hですって??
S2000はオープンカーだ。
そのため、時速90km/h以上で走ると、風切り音がうるさくて、音楽が聞こえなくなるためなのだ。
一気に抜かしていく車はそのまま、スルーするのだが、中には時速100km/hでオヤジをやっと抜いたのはいいのだが、そのまま、オヤジの前をゆっくりと走られる車がいるので、その時はS2000の実力を見せる。
6速アクセル・オンですぐにバトル領域に入り、たちまちはるか後ろに消し去っていく。
こうして、時折、トップクラスの集団とバトルを繰り返しながら、札幌の手前にきたのだが、またカーナビが行先をサーチしています。という画面が出たまま、動かなくなった。
このまま札幌に入りとまずいので、手前の江別に降りて、前に見た札幌の東区の方向を思い出す。
この状態でカーナビが故障したら、いったい何の目的で札幌に来たのかわからなくなる。
オヤジは東区の方向を、カンを頼りに走り出した。
「うーーむ。迷っている時間が無いなぁーー。このまま、東区のつどーむはやめて、新しくできた車屋さんだけ行こうか???」と、悩みだしたがダメモトで、カーナビのリセットボタンを押してみた。
「頼むぞーー。動けようーーー。」と、祈る気持ちで、カーナビに行先を再設定した。
数十秒後、カーナビは元の声で、このまま直進です。と言い始めた。
予定は12時から遅くても1時までに2件回らないといけない。
だからここで、迷っていたら、大幅なロスになるのだ。
つどーむの到着予定が10時であったが、11時にようやく到着。
ギリギリ、許容範囲である。
おっ。このロードスター!!
初期型(ロドスターはもうリトラクトライトは生産されない為、初期型に今は密かにプレミアがつきだしてきた。)でしかもマニュアルで58万円は激安!!
S2000を手に入れていなかったら、ロードスタでもよかったかな??
ダッチチャレンジャーだったと思う。
相変らずアメ車は高い!!
軽く1週してみたが、相変わらず軽自動車は、どれも軽く100万円をオーバーしていた。
近くの店員が話しかけてきたので、「色が黒、4WDの軽で予算が50万円」と答えたら、スバルの軽でスーパーチャジャー付きで43万円の車を進めてくれた。
が、色は白色である。
そのため断ったのだが、店員はさらにこの車の良い所をまた話始めた。
「せっかくですが、色は黒色を希望しているので、この車は条件は良いのですが、色が黒でない為、希望対象外です。」と言って丁重にお断りした。
目的の車が無いので、ここにいることはもう無い。という事で、次の車屋に向かう。
この会場の滞在時間はたったの十数分。
カーナビはリセットボタンがきいたのか、あれから無事に次の車屋さんに向かっていった。
この車屋の近くに娘2号は住んでいるため、後はナビが無くでも充分にわかる。
ちなみに。娘2号は今日はアルバイトの為、アルバイト先に顔を出そうとしたら、「恥ずかしいから来ないで。」と、ツンデレされたオヤジである。
まあ、娘2号は2号で新しい生活がある為、無理して顔を出すことも無いだろう。
12時過ぎに、目的の車屋さんに到着。
ネクステージという、北海道初の車屋さんらしい。
今日がオープンで、このため300台ものの車をそろえたみたいである。
店内は多くのお客さんが、店員さんと話をしていた。
店員がまずアンケートをお願いします。と言って、アンケートを書かされ、それから車を案内された。
「予算は50万円。希望は軽自動車で、セルボみたいにツリ目のホットハッチ風。色は黒。」と条件を出したら、途端に50万円クラスの場所に案内された。が、ここも軽自動車は大抵は100万円以上。50万円クラスの軽自動車は10台も無かった。
S車両の社長の言葉を思い出す。
「今は軽自動車は人気がある為、どこも安い軽自動車は出さないんだ。」
「同じ1台売るなら、単価が高いほうが利益が出るだろう。」
うーーん。またしてもここもダメであったか。
店員はあきらめきれず、50万円クラスのラパンを紹介してきた。
しかも色は白である。
「いや。希望は車種はあくまでもセルボみたいな形で、色は黒です。」
と、断ったら「えっ??あの女の子に人気のラパンですよ??」と、不思議がっていた。
そこの担当者は、女の子に人気のある車なら、なんでも売れると思っているみたいなのだ。
さらに、タブレットで違う店の車を探し始めたので、
「すみません、実物が無ければもう良いです。これから直ぐに網走に帰らないといけないので。」と、ここでも丁重にお断りして、帰ることとした。
ここでの滞在時間も、わずか十数分。
札幌での目的地の滞在時間は、賞味30分もいなかったであろう。
この場所は高速の入り口から近くの為、1時近くにまたすぐに高速に乗って一気に帰る。
ホロのオープンカーは後ろがビニールのために、まったく見えない。
だから後ろ側の確認はドァーミラーだけが頼りである。
オヤジの横をビュンビュン抜かしていく車を横目にしながら、オヤジはある1点を見つめていた。
それは白バイであった。
オヤジの真横に並んだので、何か違反したのか??と、思っていたら、オヤジを見た途端、すぐに加速して走り去った。
多分、S2000でゆっくり走っているから、どんなドライバーだと思ったのではないであろうか??
スピード違反を予想して待機していたのだが、全然、そんなそぶりが無いので、どんなドライバーか、少し興味があったのかもしれない。
ガソリンが無くなってきたので、砂川で昼食とガソリン補給をする。
またまた途中の白滝で、トイレタイム+アイスタイムを行う。
こうして、6時前には自宅に到着。
札幌からオヤジの家まで休憩時間を抜いたら、実質4時間と少しで帰ってきたこととなる。
やはり高速は高いお金を出した分、時間が買える。
この2日間で距離は700kmを走っていた。
帰宅する途中、がっかりする娘にオヤジは「明明後日の休みに、今度は釧路のセルボを見てきて、またS車輛の社長さんに相談してみるから、もう少し我慢しなさい。」と言い聞かせた。
PS。今回の旅行で宿泊代、食事代、ガソリン代、高速代を換算すると約3万円かかった。
そして滞在時間がたったの30分弱。しかも希望の車無し。
この状態だけをみると、単にお金を捨てただけの旅だと、多くの読者は考えるであろう。
が、オヤジは違う。
これだけ大きな街の展示会にも簡単に出てこないという事なので、無いことに納得するための旅行だとオヤジは考えている。
人はとかく隣の芝生は青く見えるものだ。
だから、もし、この展示会に行かなかったら、この後希望する車が出てきても、もしかしたら、札幌の展示会で良い車が出ていたのではないか??と、勘繰るようになってしまうだろう。
今回の件で、まず50万円クラスの軽自動車はなかなかでないという事、そして娘の希望する黒色でホットハッチのようなタイプの車は、今はなかなか無いのだという事もわかった。
今は背の高いトール型のタントやラパンのような車が、人気が高いという事である。
以前、話したようにオヤジは生まれて初めての車をこのS車輛でない、別な親せきの会社から購入したのだが、スポーツカータイプの日産のチェリーを頼んだところが、4枚ドァーのおっさん車のチェリーが来て、その車を全損させて、新しいシルビアが来るまで、それ以来、友人がほぼ1年間あまりいなくなったことがあった。
そしてそれが凄いトラウマとなり、このS車輛のS社長と出会うまで、10年間余りもの間、どこかいい車に乗っている人を見るたびに、憎しみを持っまでなったこともある。
S社長と付き合うようになって、初めて車の呪縛から抜き出せたようなものである。
だからこそ、娘のこだわりを、何とかかなえてあげたかったのである。
今回の旅は大失敗であった。が、それはまた、S車輛のS社長に、大信頼を置くことの再確認となった旅であった。