唯一無二の存在。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 いよいよ8月も終わりに近づき、パジェロミニは廃車になる時期が近づいてきた。

(2年前に車検を取った時に、フレームのサビから腐りを指摘され、次回の車検は無理ですと言われていたのだ。)

 

 そこでオヤジはS2000の車検を取ったときに、いつもお世話になっているS車輛さんに、パジェロの替りの車を探してもら事としていたのだが・・・・・・・・

 

 娘1号の乗るタントカスタムをオヤジが引き続き乗ることとして、娘1号には希望する新しい車を買い与えることとしたのだ。(もちろん中古車で、これが最初で最後のオヤジからのプレゼントなのだ。)

 

娘の希望する車はMAX RSという車で、条件が色が黒、そしてヘッドライトが猫の目のように吊り上がているホットハッチ型のクルマである。

 そして、オヤジの家の周りは、雪が降ったら非常に積るので、FRはもちろんFFでさえ立ち往生するので、4WDは必須条件である。

 

MAX RSは上に画像ね。

 ちなみにMAX RSの市場価格は、超不人気車のために、18万円から良いとこ30万円ぐらいであるので、オヤジ的にはとってもおサイフにうれしい価格となっている車であった。

 ところがこの車。非常にド・マイナーな車で、なかなか中古車市場に出てこない車であった。

 現役の車屋さんでさえ、MAX RSに4WDなんかは無いと、平気でウソをつかれるほど、知られていない車だったのだ。

その為、なかなか程度のいい車が出ない状況で、3ヶ月近くも経ってしまった。

 そこで、先日、妥協案として、形の似ているスズキのセルボや、ミラアビィなんかも、候補にあげたのだが、やはりこれらもなかなか無い車であった。

 そして、先日、釧路に行ったときに、4WD,色が黒でミラアビィという、形が似ている車が出てきたので、その車を娘1号は非常に気に入り、その車でも良いという事で、S車輛さんに業販(業者間販売)がその車が出来るか聞いてみた。

ところが、一応、出来ることは出来るのだが、先方では色よい返事がされなかった。

 更に悪いことに、次の日に、インタ-ネット販売からその車は消されていた。

 

 通常は売れたと、解釈するのだが、オヤジ的な考えでは、面倒なお客には売らないようにするために、ネットから消したと見たほうが正しいと思われる。

 

 S車輛はお客の希望する車を探して、ただ売るだけではない。

 極力、お金のかからないように、購入後に故障の少ない車が出るのを待つ、非常に職人みたいな人なのだ。

 このおかげで、どれだけS2000が維持がかからないので、貧乏人のオヤジでも楽しいカーライフが送ることが出来るのだ。

 だからオヤジが、購入が安いから、壊れたときは直しながら乗りますから、それでも良いですよ。と、言ったにも関わらず、S車輛の社長は「通常、安心できる車なら、業販販売も出来るし、業者間でもある程度値段を下げてもらえるんだけども、あそこは色よい返事ではないし、値段も下げれないといったから、たぶん、購入後、維持がかかる車だと考えられる。」

「だからオヤジ。もう少し待っていてくれ。きっと、お前の娘のための車が出てくるはずだ。」

 という、社長の言葉に、「そうですね。S2000がオヤジの元にやってきたように、車はやはり縁ですからねぇーー。」

「パジェロミニが乗れなくなるまで、ぎりぎりまで待ってみます。」と言ってS車輛の社長と別れた。

※最悪の場合は、パジェロミニは廃車にして、冬が来るまでS2000に乗っていればいいだけの話だが・・・・

 

 そうこうしているうちに、今日の23日に札幌の清田区美しが丘に、300台もの中古車を展示する、大型中古車店がオープンすることが、ラジオで判った。

 また、22日、23日に札幌の東区のつどーむでも野外会場で、中古車の大型のイベントがやる事がTVで放送されていた。

 

 もしかしたら、この中古車市で、娘1号の探している車ではなくても、娘が気に入る車があるかもしれない??という淡い期待を胸に抱き、急遽、オヤジと娘1号は札幌に走ることとした。

 何てったって300台クラスの展示会が2か所である。

きっと娘が気にいる車があるはずである。

 

 もしかしたら、時間が合えば近くに住んでいる娘2号の顔を見れるかもしれない。

予定は22日に仕事が終わったら旭川に宿泊、翌日札幌に行って、2ヶ所の中古車市をみてから、トンボ帰りに変えるという予定を取った。

 旭川のホテルは22日の先日に決めた事にも関わらず、なんと朝食つきで二人で5,800円で取ることが出来た。

 

 こうして娘1号の唯一無二の存在である車を探しにオヤジと娘1号は22日の夜に旭川に向けて旅立った。

 

 車はもちろんハイウェイ・エンジェル(高速道路の天使)事、S2000である。

夕食は旭川の途中の北見で取る事とした。

 

 いつも通いなれている道であるが、オヤジは譲り車線の左側をトコトコ走っていった。追い越し車線から凄い勢いで、オヤジ達を抜かしてく車とバイク。

 そして、いつもはいないパトカー。

その場所を通り過ごそうとしたら・・・・・

なんと、その場所にパトカーが隠れていた。

瞬間、スピードメーターを見る。

 66km。ホッとするオヤジ。

 北見で夕食を食べた後、いつもは行かない石北峠から旭川に向かう。

 

 片側2車線でオヤジが右側を走っていた時、速い車が後ろからやってきた。

そこで、オヤジは左車線に避けようと、バックミラー見てからウインカーを付け、一呼吸おいてから、左にハンドルを切る。

すると・・・

いきなり左側が光った!!

そこには左側の車がいた。

 瞬間的!!右側に向けてハンドルを切るオヤジ!!

キキッ!!!S2000のタイヤが鋭く泣く。

 後で娘1号にも聞いたのだが、どう考えても左側には車はいなかった。

 

 考えられるとして、無灯火で走っていたのか、後ろからすごい勢いではしってきたクルマと遭遇しただけなのか??

「うわっ!!やばい!!ハインリッヒの法則だ!!」

重大事故が起きる前には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常がある、というもの。

 

 先ほどの2件の例が、いかにもこれから起きる大事故を予想するかのような事例だと、オヤジは慌てふためいた。

 

 真夜中の石北峠は非常に何かが起きそうで怖かった。

ようやく峠を越えて、上川のコンビニで一息をつく。

 

 

 

走り始めてから、4時間後の10時過ぎにようやく旭川に到着。

 

 で、ここからひと悶着が始まった。

 カーナビで検索すると、今日停まる宿の住所が無いのだ。

 今度は電話番号で検索しても、検索不能となり、再び書かれていた住所を打ち込むと、その場所は無い事となっていた。

 仕方がない為、一番近い住所を検索して、何回かその場所を走っていた。

またホテルの場所が出ている地図を印刷した紙を見ながら探していたら、「あった!!ここだ!!」と、突然、娘1号が声をあげた。

 

特徴のある人形。

後で調べたら、今年の3月頭に中富良野で泊まった、ホテルの系列店のホテルであった。

 

 

 宿泊予定のホテルはなんと建物と建物の間にあるホテルで、真昼によーーく見ないとわからないホテルであった。

中に入ったら、面白いことに、前にワンルームマンションだった場所を、2部屋を1部屋の改造して、できたビジネスホテルであった。

 

まあ、朝食付きで2人で税込み5,800円である。

贅沢はいってれない。なんたってこの激安さに惚れたオヤジである。

 

 

さあ、明日は娘にとって、唯一無二の存在の車が現れるだろうか??