クラブ・ミッドナイト:オールナイト・ラン!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

   娘2号が家にいるという事は、いつかは札幌に帰らないといけないという事だ。

そして、その日がやってきた。

 まだ学校はさらに2週間延長になり、4月末に新学期が始まるという事なのだが、15日に用事がる為、今日が休みの為、オヤジは娘2号を昨日、しごとが終わった後に、札幌に送ることとした。

 

  午後、9時前に札幌に向けてオヤジと娘2号は、愛機パジェロ・ミニに乗り込む。

今まで天候は晴れていたのだったが、昨日の夜に雪が降り、路面は凍結していた。

 

 夜になって雪はだいぶ溶け出してきて、少し走り走りやすかった。

夕食を取っていないので、途中のコンビニでおにぎりを購入して走りながら、夕食を取ることとした。

 

 途中、長距離トラックとバトルを行いながら、真夜中の為、高速は乗らずに下道を延々と走りながら札幌に向かう。

 

 

 普段は早寝の娘2号のため、12時過ぎてくると、次第に眠くなり口数が少なくなる。

 

 

 こうして出発してから、5時間40分。娘2号の住所にたどり着く。

 

 娘の部屋に荷物を置いたら、オヤジはすぐにパジェロのハンドルを家に向けて走り出す。

多分、滞在時間は10分もいなかったであろう。

 

 本来はどこかで休んでから帰宅すれば良かったのだが、長距離走行で精神状態が完全にハイになっているオヤジは、眠気は全然感じられなかったので、一気に帰宅することとした。

 眠気を感じたら、どこかで仮眠すれば、いいことである。

 

 帰宅時も真夜中のために、スピードが乗りながら走り続けた。

札幌⇒江別⇒岩見沢と走り続けた時である。

 片側2車線、法定速度50km/hの所である。

 

 オヤジは高速走行の鉄則である、白線またぎをしながらかなりのハイスピードで走り続けた。

※誰も走っていない道路では、片側2車線場合は走行車線の白線をまたぎながら走ったほうが、安全性が高いと、

いままでの経験上、オヤジは行っている。

もちろん、一般車がいればNGですよ。

 

 

不意に前方に異常な遅い車が走っていた。

   通常は一気にぶち抜き、走り続けるのであるが、瞬間的にオヤジはブレーキを踏んだ。

セダン型の車であるが、天井が異常に高い感じがした。

 

 嫌な予感のまま、時速50km/hで、そのセダンの後続を走り続けた。30分以上も走ったであろうか??

岩見沢の街並みがあらわれ、急に周りが明るくなる。

すると、その車の全貌が現れた。

 

やはりパトカーであった。

今週は春の安全運転運動が行われているため、昼はパトカーが頻繁に現れているのであるが、まさか真夜中の3時過ぎに、巡回とはご苦労なことである。

 

  ここで心配事が一つ現れた。

ガソリンが足りなくなりそうなのだ。

 燃料計はメーターはまだ半分なのだが、どう考えてもパジェロの満タン時での走行距離に近づいてきているのだ。

残念ながら時間が時間の為、どこもガソリンスタンドはやっていない。

 

そう考えながら、岩見沢で24時間営業のガソリンスタンドを見つけたので、ようやくここでガソリン補給。

 

 まだまだ体力、気力はあるので、走り続ける。

時刻は午前4時30分。

空が白けだしてきた。

 

 

刻々と周りが明るくなる。

 

 

 

 「まいったなぁーー。ついにオールナイト(徹夜)やっちまったよ。」

と苦笑するが、半分、この状況を楽しんであるオヤジがいた。

 

 ガソリンの心配がなくなると、今度は急にお腹がすいてきた。

コンビニはあるが、オヤジは食事はどちらかというと、きちんとお店で取りたいという派である。

旭川の24時間営業のお店に入って食事をとる。

 

食事から出ると、近くおみせに沢山の車が並んでいた。

時刻は午前6時30分。

 

 

「な・何なんだ??この車は??」と、オヤジが首をかしげていると、なかからぞろぞろと人が現れ、店にお前に次から次に並びだした。

「うわっ!!マスクを買うために並んであるんだ!!」

 

 昨日、雪が降り、まだ外は寒い状況である。そんなか、お店がオープンするまでの3時間以上も、この寒空で並んでいる人たち。

そんな人を見たら、今後しばらくマスクの購入は無理だなと感じたオヤジである。

 ここでそろそろ、どこかで休もうと思ったオヤジであるが、まだまだ眠気は出てこない。

そこで、再び走り続けた。

 

 旭川を抜けてバイパスを延々と走り続けた時に異変が現れた。

目は開けているのだが、時折、意識が飛んでしまう事が出てきた。

(やばいな。もうここで限界だろう。どこかで仮眠だ。)

ということで、バイパスの唯一のPAである、奥白滝の駐車場に止めて、エンジンを止めた。

 

※車で仮眠するときはエンジンを止めるのは鉄則です。

寒かったり暑くてエンジンをかけたまま、仮眠したら重大な事故を引き起こすことがあります。

 

 オヤジはパジェロのシートを倒して、積んでいた毛布を取り出して賭けたとたんに、一瞬で意識が飛んだ。

 

 次の瞬間!!バキッ!!と目が覚めた。体が異常に寒い。

 

 周りを見ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あたり一面銀世界の光景である。

 

 

いつのまにか、峠では雪が降っていたのである。

 

ものの10分程度の仮眠でろうか??

今までのウソのような眠気がさったオヤジは、再び車を走り出した。
 
時刻は午前9時30分。
走り出してから12時間40分。
オヤジのミッドナイト・ランは終わりを告げた。
走行距離は660キロを超えていた。
 

 

 

ークラブ・ミッドナイト:オールナイト・ラン!!ー   完!!

 

 

プロローグ。

 

 

 家に帰るとココが今まで購入後一度も入ったことのないテントに入り、ヌクそうにしていた。

(お帰り!!”オヤジさん!!)