旅立ちの朝にーファイナルー | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

19日ー最終日。

 オヤジ達は8時過ぎに起きた。

 いよいよこれで、娘2号とは朝食を食べてからお別れである。

朝食は昨日と同じ場所にいく。

 

この日が来たらもっと悲しいかと思ったのだが、案外、普通の感じであった。

 

 彼女はこれから食材を買いに行くのでマンションの近くの早朝から行っているスーパーで別れた。

時間は午前、9時。やや、早いかと思うが、9時から不動産がやっているために、オヤジは不動さんに向かった。

 

 担当者が現れ、昨日連絡した、BSが映らない理由の説明があった。

娘のマンションはインターネット無料の為、今日の昼頃に取り付けが来るのだが、BS放送もこの取り付け時に映るようにするらしい。

 このマンションはもともと、BSのアンテナはついていなくて、インターネットができると同時に見れるシステムになっていたらしい。

ホッ。と、安心するオヤジ。

 

更にドァーが閉まらない事を連絡して、後日、見てもらうようにした。

 

ここの事ね。

さあ、これで、オヤジのすることはすべて終わった。

時刻は午前10時。

娘にはBSは今日見れることを伝え、オヤジは札幌から出る前に、昨日見つけた店によってみた。

オートバックスとバイクショップがコラボしている店である。

 

 ここである。

オヤジの住んでいる田舎とは違い、ここではバイクのマフラー、クラッチなど、様々な各パーツが置かれている。

正に夢のようなお店である。

バイクは降りたが、いまだにバイクを見るのは好きだ。

 

 この紅いバイクはドカの800cc。横のスクーターは250cc。

何だかドカが原付のように見えてくる。

今のオヤジなら迷わずに、800ccの小型なバイクを選ぶだろなぁーー。

そして、このお店も見て回り、時刻は12時近くになった。

いよいよ札幌から出発である。

近くの高速からオヤジは乗り込み、一気に旭川に走った。

1時過ぎてきたので、ここで旭川に降りて昼を食べるとしたのだが・・・・降りた場所が悪く、食堂が1件もない為、国道沿いを走りながら、途中の食堂を探した。

 すると・・・・食堂はすべて休みとなっていた。

頼みの綱の以前遊びに行った、上川のアイスパビリオン館に向かったのだが、お店はやっていたが、中の食堂は閉店していた。

(マイナス40度の体験ができる、あそこです。)

 

コロナの影響は、軒並み、飲食店を襲っていたのだ。

 

オヤジと同時に、どこかの会社員が二人入ってきたが、この人たちも食堂がやっていない事がわかり引き返していった。

仕方がない為、上川のコンビニでおにぎりとお茶を買う。

すると、さっき来ていた会社員たちも、このコンビニにお昼を買いにやってきた。

 

上川から浮島までバイパスが通行止めの為、帰りは石北峠を経由しての帰宅。

夕方に無事に家にたどり着いた。

 

不思議なことに、寂しいとか悲しいという感情は現れず、ようやく肩の荷が少し降りたかな??という気持ちが残った。

 

 

 その夜、3日ぶりに温かいお風呂にはいり、自分の布団に入ろうとしたオヤジはあるものを見つけた。

 

 それは娘2号からの置手紙であった。

 

 今まで育ててくれた感謝の気持ちを書いた手紙であったが、その手紙を読んだオヤジはいつまでも、いつまでも嗚咽していた。

 

旅立ちの朝にーファイナルー 完