糖尿病検査と、いきなりのアイスバーン。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 今日は3ヶ月に1回の、オヤジの糖尿病検査の日である。


 普段は健康体でピンピンしているが、この日はもう絶対に直らない病気にかかった事を自覚する唯一の日である。


 ここで少し。糖尿病の恐ろしさに触れて見たいと思う。


 オヤジは下戸の為、お酒はたしなまない。

そのかわり、ジュースは大好きで、必ず自宅にはCCレモン1.5Lのペットボトルが2本無かったら、気がすまない状態であった。

 数年前にのどに異常な渇きを覚え、その都度、ジュースを飲み、真夜中に2時間おきぐらいにトイレにかけこんでいた。


 ある日、健康診断で別件の異常で再検査時に、偶然、糖尿病が発覚してしまった。

 その結果、糖尿病の初期状態と診察された。


 糖尿病になっても薬を飲めば良いと言う人は多いと思うが、実に怖い病気である。

 痛いとか苦しいとかの自覚症状が無い分、かえって恐ろしい病気なのである。


 糖尿病になったおかげで、まず、大好きで水代わりに飲んでいたジュースは、3年ほど、今まで一切飲んでいない。


 飲めるのは、大嫌いであったコーヒーのブラック。お茶、ゼロ・コーラー、それに限りなくグレーに近いと言われた、豆乳のコーヒー味だけだ。


 食事も糖質制限があり、入院中はご飯の量が少なく出たが、自宅に帰ってからは自分の意志で糖質制限をしないといけない。

(まあ、今はあまり気にしないで食べているが・・・それ、ダメじゃん。)


1食のご飯の量は、約150g


 どのぐらいの量かというと、回転寿司に行ったなら、一皿、2個入り一貫がたったの4皿しか食べてはいけないのだ。


 退院後、体が通常の正常値にもどるまで、大好きだった甘いケーキやアイスクリームも1年ほど食べれなかった。いまはお蔭で、甘いものはある程度食べれるようになったが。

 だが、ポテチなどの大好きなジャンクフードは、あれ以来食べていない。


 もっとも大変なのは、毎日、最低30分、80kcal以上の運動をしないといけない。それが毎日続くのだ。


 オヤジは今、家に帰り夕食後、10時頃から、どんなに疲れてて辛くても、毎晩40分、100Kcalの運動を、エアロバイクで行っている。


 退院後、この3年間、ほとんど毎日、欠かしたことは無い。

 この運動が非常に無意味で、辛い時間である。

 

 大抵の人が、この運動の段階で挫折するらしい。


 しかし、この運動を行こなわないと、近未来的には薬での治療⇒自宅での注射⇒人工透析と、だんだん治療が恐ろしくなっていくのだ。


 更に病気が進行すると、これから失明か片足の切断。どっちが良い??と言われる、とても恐ろしい病気なのだ。


 かなりの高確率でのリバウンドをする病気だとも言われる。一説にはリバウンド率、80%以上と聞いたこともある。


 まあ、ここまで書けば、かなりの厄介な病気だと、賢明な読者諸君はわかると思うので、できれば、オヤジを反面教師にして、暴飲暴食などは控えて欲しいものである。


 で、話は元に戻るが、朝から娘2号を網走の学校へ送り、その足で病院に行く予定であった。


 時刻は8時前。路面は完全に乾いた状態であった。


網走に入った途端、雨が降ったのかと思うほど、路面が濡れていた状態であった。

 信号が赤の為に、軽くブレーキを踏む。瞬間、パジェロ・ミニはそのまま滑り出した。みるみる迫る前走車。


 考えるよりも先に、足が出ていた。ポンピングブレーキなんかは生易しいというような、マシンガンブレーキである。

 パジェロ・ミニはすぐに減速を行い、ようやく、停止した。


 信号は青になった。普通に徐行しながら右折した途端、パジェロ・ミニは大きく左側にケツが流れた。


 最近、運動時にイニシャルはDを読んでいるので、ドリフトのイメージは出来あがっていた。

 軽くハンドルを補正しながらクリア。


 反対車線を見ると、早速、2台の車がからんで事故を起こしていた。根雪が無いのにアイスバーンというのも、初めての経験である。


 その後、娘を学校に送り、病院での検査が終わり、北見に遊びに行く時である。時刻は午前10時過ぎで、路面はほとんど乾いていた。


 裏道で山間の中、日蔭の道を時速40km/hで走っていたら、いきなりパジェロ・ミニが反対車線に流れた。あわてて、ハンドルを切り返す。


 そして、登り坂を上っていたら、今度は完全に左側の路肩に、ケツを振りながら向かって行った。


 バックミラーを見たら、オヤジのパジェロミニの異常な動きに、後続車は速度を落としていた。


「もう限界だな。」と、つぶやいたオヤジは、パジェロ・ミニの天下の宝刀。4WDシフトに手を伸ばした。


 この冬、初めて4WDになったパジェロ・ミニは力強い加速を行い、今までFRで苦労したアイスバーンを難なくクリアしていった。


 はっきりいって、北海道の冬は、レクサス見たいな高級車の横滑り防止がついていない、FR車(後輪駆動車)はクソである。


 4WDの軽自動車にも劣る、カメ車である。

 特にS2000みたいな、ハイパワーFRスポーッカーは、カメにも劣る存在である。

 3年前にS2000で真冬の町を走ったが、アクセルを軽く振るたびに、尻が左右に振って、全然走らなかった。普通に10分で帰ってこれる道を、徐行で30分以上かけて戻ってきたことがある。


イヤーーこれから毎日、こんな路面になるから、大変だなぁーー。