唯一無二の存在。前篇。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 








 あの日、アキオがあの悪魔のZと出会ったように、人は誰しも唯一無二の存在の物を持っているのではないだろうか??

 


 たとえ、それが、車やバイクでなくて、自分が毎日使う道具でもそれは、その人にとっては、とても大切なものとなりえるのでないだろうか??

 

 前回、主(あるじ)さんから


 今のおやじさんが「これっ!」と思える車両
S2000がそれではないでしょうか。


 という、コメントを頂いたが、ふと、オヤジはそんな事を思ってしまった。


 人はたとえそれが自分で好きでも、唯一無二の存在にはなりえない。


 オヤジにとっては正にバイクがそうであった。

 


 バイクは今でも好きである。が、残念ながら数年前にバイクで楽しむほどの体力が自分にはもう無いと気がついた。


 それ以降は、たとえバイクに乗っても、ほんの数十キロ乗って終わりであり、今のように、車で1日数百キロ走るのは、バイクに乗っては夢のまた夢の話しである。


 人生は意外と短い。


 バイクに興味を持たない友人からメールが来た。


 バイクでこちら側の世界だとか、車はあちら側の世界。って、バイク乗りって結構めんどくさい存在なんだね。


 ただ、楽しいから、バイクから車に乗り換えることはどうして出来ないの??という、素朴な質問でオヤジは目覚めた。


 そうなんだ。ただ楽しいから車に乗り換えるんだ。という事で、オヤジはバイクを降り、今では半年で1万キロもS2000で走り回っている。


 前々から書いてあるが、オヤジはもともと、S2000という車の存在は、自分には無かった。

 

 いや、スポーッカー自体を所有する事は全く考えてなく、今後、パジェロ・ミニかタント・カスタムをもし買いかえる時がくれば、軽自動車のワゴン車タイプの車を買い、北海道中を車中泊をする気でいた。


 それが数年前、友人Kのスポーッカー探しの旅に同伴するようになって、自分も彼に感化され、案外、スポーッカーの所持も良いのではないか??と言う考えに変って行った。


 それでも、当時の自分の欲しい車はスバルのWRX。バリバリの4WDスポーツである。


 何故って??オヤジの住んでいる所は町の高台にあり、しかも除雪があまり行き届かないために、真冬は4WDでないと、家までたどり着けないからなのだ。

 その為、冬に強いと言われるFF駆動のミライースを新車で購入したが、数年前の冬の真夜中に、案の定、家の前20メートルで道路のど真ん中でカメになって立ち往生してしまった。


 かみさんがいた時は、車を運転させて、オヤジが押して何とか家まで辿りついたが、かみさんがいなくなっては、もうだれも頼る人はいない。

 そこで、あわててボロだが、本格的な4WDのパジェロ・ミニに乗り換えた事は、読者の皆さんの記憶にも新しい話であろう。


 その為、我が家では冬に強い、車高の高い4WDは必需。4人以上乗れればOK。となったら、やはりスポーッカーでは4WDのWRXかランエボしか存在にないであろう。(まあ、GTRは価格的には完全に無理ですが・・・・)


 S2000を買う1年前に、札幌で見たのだが、オヤジの車の買う条件の全てが正反対であった。

 だからなんでこんな車を買う人の気がしれなかった。


①後輪駆動のFRだから、冬は問題外。

 


②更にオープンカーの為、真冬で吹雪いて立ち往生をしたら、ほんとうに死の危険性が出てくる。 


③致命的な2人乗り。うちは家族が3人だから、4人乗りはあり得るが、2人乗りなどありえない。 

  恐ろしい事に、荷物は全く入らない。後部のトランクの中には、中型クラスの旅行のトランクバックが1個さえ入らない。

  

④これが一番であるが、価格が当時で、どれも200万円程のプライスで高すぎる。 

 仮に、遊び車と考えて、オヤジ一人が遊びまわる車として買ったとしても、せいぜい遊び車として考えれる価格帯は30万円が良いとこである。 


 その為、このS2000の購入は、当時は全く考えていなかった。


 オヤジは来年のパジェロの車検時に、新しい車の購入が必要であった。

(次に買う車はもうほとんど決まっていたのですが・・・)

  残念ながらパジェロのフレームが腐っていて、次回の車検は、間違いなく取れないからである。

 そして、その新しい車を娘1号に乗せて、オヤジは娘のタントカスタムに乗り換えるつもりであった。


 先日の土曜日の事である。

 その日は端野で中古車フェアーが行われていた。

会場には北見の数社の車屋さんが合同で展示会をおこなっていて、娘1号と共に展示されている車を見にいった時であった。


 ある車がオヤジの目に止った。


 値段は12万円。ボディカラーはボロボロになったシルバーに半分色抜けたグリル。

 更にほとんど色が落ちた赤いRSというエンブレムがついていた。


 通常、車のグレードでRとかSというグレードはスポーツ系の走りがする車で、最上級品を表す。


 Rはレーサー、レーシングやレプリカ。またロードの意味。

 Sはスーパーとか、スポーツ。またスペシャル。


 と、言うように、とにかくグレードが良く、走りも良い意味で付けられるのだ。


ポルシェカレラでさえ、RS(レーシングスポーツ)といグレードが存在していた。


 いくらボロでもそのRSがついている車が12万円とはおかしい??


 何か根本的に故障するのが前提で、レストア用かと思って、その場を離れた。


 その夜の事であった。

娘1号が神妙な面持ちでオヤジに話があると来た。


 話の内容は今度のパジェロ・ミニの替わりの車は今日、見てきた12万円の車が欲しいと言ってきた。


 オヤジはいくらなんでも、RSというグレードでこんなに安いのは何か問題があるはずだか。と、言って他のこの車の中古車価格を調べてみた。


 すると、娘の欲しい車はどれも高くても30万円から20万円ぐらいで流通していた。


 これは絶対に何かある!!と、言う事で、車で悩んだときは、餅は餅屋。ということで、いつも、お世話になっているS車輌さんに、昨日、この車の事で聞きに行った。


 最初、社長にRSグレードという話をした途端、「オヤジ。車の中でRSグレードは一番良い車だから、かなり高いぞ!!」と言いながら調べてくれたら・・・・


やはり相場がその値段であった。


 しかも、走りは本職のプロの車屋さんのお墨付き。これは中身が程度が良ければ、超お買い得品!!


 外装は、この車屋さんで、娘の好きな色に塗りかえればいいだけなのだ。



早速、この車の販売先を調べてもらい、前回はしっかり見ていなかったので、どんな車か見て見ようという事で、北見の販売店に見に行ってきた。


 が、残念ながら、時、すでに遅しで、この車は売れてしまい、今はもうこの会社には無い状況であった。


 そこで、オヤジは全道のこの車の在庫状況を調べたら、札幌、旭川、帯広、釧路の4市に数台ずつあると判った。


 そして、今日、オヤジは網走から一番近い釧路に、この娘が興味を持った車を見に探しに旅だったのだ。


 果たしてこの車の正体は何なのか??


 そして、この車はオヤジのS2000がそうであるように、娘の唯一無二の存在になる車であるのだろうか??



後編に続く。


(ハハハハ。最近は体力が無くなり、ブログのUPがしづらくなってきています。だから、前篇、後編なんですよ。)