幻の橋「タウシュベツ川橋梁」を追え!!後篇。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車



 陸別のトイレタイムの後、行先は足寄⇒士幌⇒上士幌(糠平)となっていた。


 士幌に入り、上士幌にむかおうにしたが、看板が無かった。


 まあ、そのうち、上士幌はとなり町だから、どこかで合うだろうとたかをくくっていたオヤジらであったが、だんだん音更に近づいて行った。

 どうもおかしいと言う事で、ここでようやく、カーナビで糠平町の住所捜索をする。

(さっさとすれよな。)


 すると・・・・なんと上士幌は10分以上前に通り過ごした交叉点から入るのであった。

 あわてて、Uターンをするオヤジ達。







「おおっ!!これが、あのTVドラマ なつぞら の世界だ!!」

 

「おおっ!!これが十勝だっ!!」あまりの直線道路にカンドーして叫びまくるオヤジ!!


「オヤジ。はしゃぐのは良いけど、あまりスピードを出したら、さっきから何回もカーナビの指示を通り過ごしていきすぎているぞ。」

 


「わりぃ!!わりぃ!!直線ばかりだから、ついスピードが出すぎた。」



「まあ、これもドライブだっ!!」と、お互いの間違いをののしりもせず、のんびりと走るところが、気の合う友人とのドライブの良いとこである。


そうしてたどり着いたのが上士幌町、糠平の温泉街。



ここからタウシュベツ川橋梁までの場所を探すために、案内所でトイレタイム。







↑今時期は湖底に水没しているのだが、冬から春先になれば、このように姿を現すらしい。


地図を見るとここから石北峠に抜ける道の途中にあるらしい。

 更に橋梁はタウシュベツ川橋梁だけではなく、他に5つもの橋梁があるらしい。


再びタウシュベツ川橋梁を目指して、オタジ達は期待度MAXでS2000を走らせる。


 他の橋梁のは結構立派な駐車場があるのだが、本命のタウシュベツ川橋梁の駐車場は・・・・・


 なんと単なる道路わきに砂利を少し敷いただけのこじんまりとした場所であった。


 しかも石北峠に抜ける道路わきにあったので、あまりにも簡単に着いたので、少し拍子抜けしたオヤジ達である。



ここに車を停めて、林の中を歩く事、数分。






そして、オヤジ達の目的地はそこに姿を現した。




 なんと、タウシュベツ川橋梁は湖底に水没していないで、その全貌をオヤジ達に見せていた。

















  タウシュベツ川橋梁の見学ツァーなるものがあり、そこに参加したら、橋の近くまで歩いていけるのだ。


 

 最初、橋の近くで動くものがあり、皆、「熊だ!!」騒ぎ出したのだが、実はこの見学ツァーの人達であった。




 オヤジは子供達にも、この橋を見せようと、スマホに画像を撮って、ラインで送ったら、画像には丸い光が沢山映っていた。


「おおっ!!オーブだっ!!ここはオーブの気配に満ちている!!」眼鏡を外してスマホを見て、隣の友人Iに話しかける。が、返事が無い。


 2回ほど話しかけても全然無視されたので、「??」と、眼鏡をかけ直して、隣の友人Iを見て見ると・・・・そこには全然知らないおっさんが立っていて、不思議そうにこちら側を見ていた。


 赤面しながら車に戻ったら・・・・友人Iはそこでくつろいでいた。

(うわっ。戻るなら戻ると、先に言ってくれよ。オヤジは変な人と思われたぜ!!)と、思いながら、そーいえば、先に戻るという言葉を聞いたような・・・・

 まったく年寄りは面倒な・・・・・・

 


 ここで、選手交代。友人IがここからS2000を運転する。


途中、糠平の鉄道資料館による。入館料は100円。激安入館料である。 資料館が皆このぐらいの価格なら、必ず入るなぁーー。









白樺の皮で作られた絵。もはやアートを超えているレベルだ。







 ここから、元の道に戻らないで、そのまま石北峠に向かって、石北峠から北見に抜けて帰る事とする。




 山道はどんどん急な登り道となるが、2人乗りのS2000はものともせず、軽々と走り続ける。


「やっぱ、車重が軽いのは、パワーがある車よりも良いよなーー。」友人IはシミジミとS2000を運転して呟く。


「GTRって、そんなに重たかったか??」


「ああっ。重い車をパワーに任せて加速させるから、ハンドリングがクイックにならない。」


「車重が軽いと言うのは、やはりブレーキのききとが違ってくる??」と聞くオヤジ。


「そうだね。軽い車が一番運動性能が良いよ。」


 友人IはGTR乗りだけに、言葉の重みが違う。


 友人Iの運転を見ながらオヤジは気がついた。


 彼は機械に対しての操作が優しいのである。

 

無理にこじるような運転や荒い運転は絶対にしない。


 その気になったら軽くドリフトなんかはこなすのだが、決してそんな行為さえもしない。


 峠で前走車が遅くて、前が見える直線で追い越しシーンが来ても、決して無理に抜かさない。


 本当にはるか彼方まで見渡せる時に、前の車を驚かせようともしないで、気がついたら抜いて行った。というような抜き方をする。


 今朝、出発の時も、オヤジが彼を乗せて発進したら、「オヤジ。こんな車に乗っているんだから、もう少しアイドリングさせてから発進したほうが良いぞ。」と、アドバイスをしてくれた。


 「確かそろそろだなぁーー。ここら辺で、パトカーが現われたんだけども・・・・」と言いながら、友人IがS2000を静かに減速をさせたら、そこにはやはりパトカーが待っていた。




不意にオヤジは理解した。


「そうだ。オヤジはおまえとは友達なんかでは無かったんだ。」


「おまえは俺の憧れだったんだ。」


 「バイクに乗り、おまえがスピードに愛された時から、俺はおまえの後を追っかけて頑張ってこれたんだ。」


「湾岸で上位ランカー達を潰して、おまえと同じ運転テクニックになったと思ったけれど、やはりそれは、バーチャルの世界。」


「おまえがGTRに乗り、スピードを追い求め続ける限り、俺はおまえの後を追い続けるよ。」


 静かにS2000を運転する友人Iの横顔を見ながら、オヤジは密かに思った。


幻の橋「タウシュベツ川橋梁」を追え!!  ー完ー