ミッドナイト ガルフ コースト。
真夜中の湾岸線、時速180km/hで失速するオヤジのS2000をしり目に、その白いチューンド・BNR34 GTRは軽々とオヤジのS2000を追いこして行った。
白き魔王と呼ばれるGTR。オヤジ達のテリトリーに、ここ数年で現われた新手の湾岸線の覇者である。
この日、新参者のGTRを倒すべく果敢にもS2000で挑んだが、オヤジのS2000は得意のVTECを回しすぎ、エンジンブローを起こし、早々と戦線離脱してしまった。
そして、1か月後、目には目を、歯には歯を。GTRにはGTRと、オヤジはこの白き魔王を倒すべく、BNR32 GTR を手に入れた。
残念ながら、あれだけ大切にしていたS2000であるが、このGTRの頭金となって、露となって消えた。
「必ず、ぶち抜いてやる!!」
オヤジはこの新しい新参者のGTRを倒すべく、この新しいニューマシーンを連日、連夜手なずけていった。
決戦は水曜日の真夜中。誰が決めた訳でもなく、水曜日の真夜中が、一番交通量が少ない事を、走り屋たちは知っていた。
と言う話は全くなく、今日は半年ぶりに友人Iが現われた。
しかも得意のGTRに乗ってきた。
GTRが横に並ばれれば、オヤジのS2000が目立たなくなる!!(’ヒクヒクヒク!!)と、若干、顔をひきつらせて、今回はGTRとS2000の2大展示会である。
まったく、へたしたらここは旧車の集まり会かよ♪
と、言う事で、ほぼ半年ぶりに再会した友人Iと今日はS2000に乗って、楽しいドライブです。
友人Iはオヤジの友人というよりも、バイクや車の師匠である。
どんなくだらない質問にも丁寧に教えてくれる。
以前、自称「ラリースト」と言う奴に実にくだらない質問をしてしまったことがある。
バイクの2ストは速い、ターボーも速い。そこで、オヤジは単純な考えから、2ストのバイクにターボーを乗せたら、どれだけ速くなるかな?
その瞬間、自称「ラリースト」はオヤジの顔をマジマジと見つめ嘲り笑った。オヤジはその意味を判らなかった。
そこで友人Iに正直にその話をして、何故、笑われたかを判らなかった。と話した。
そこで友人Iは少し考えてから、「多分、2ストにはターボは付かないでないかな??」
「2ストの性質上、排気でタービンを回すターボは、多分、付けてもきちんと回らないと思うよ。」
また、チューニングされている旧車では昔から言われているウェーバーとソレックス。その違いが判らなかった。そこで、友人Iに聞いたら単純明快に、「それはメーカーの違い。役割は同じ役割だよ。」と、教えてくれた。
彼は要するに誰に対してもナチュラル(自然体)である。
どんなくだらない質問でもバカにしないで答えてくれる。よく、メカニックに詳しい人は何も知らない素人をバカにする。
彼にはそれが全然無いのだ。
昔、オルタネーターの不良で、ディラーで修理交換したタントがすぐに動かなくなった。
原因は取り付けミスのアースーがきちんと付いていないせいであったが、修理後、タントのバッテリーは、もう限界だから、取り換えた方が良いと言われたことがある。
実はタントは信頼のある車屋さんから中古で購入してから1ヶ月も経っていなかった。
そこで、当時のタントの所持者であるかみさんは、その言葉に心配になり、バッテリー交換に数万円を使う気になっていたが、オヤジはバッテリーはまだ問題ないはずと、食ってかかったら、サービスマンはオヤジの事を小馬鹿にして「勝手に帰って動かなくなってももう知りませんよ。」
「これだから素人は困るんですよね。」と、完全にバッテリーがダメになっている事を強調してと、あざけり笑った。
結果、かえってからそのことを、購入した中古屋さんに話したら、すぐにバッテリーを調べてくれて異常が無い事が解り、その修理したディラーに直ちにクレームの電話をしてくれた。
少しばかり知識のある人間は、何も知らない人間にはそんなものなのだ。
ところが彼は自分が知識があることをひけらかす訳でもなく、素人の
オヤジにも最大限に解りやすく説明してくれるのだ。
また、オヤジは彼に「S2000で行くのは良いけど、俺はS2000に乗るときは、60km/hでゆっくり走るけど、大丈夫か??」と聞いた。
彼は「全然問題ないよ。」と笑って答えた。そういう点もオヤジは彼が好きな点である。
「何で速い車に乗っているから、飛ばして走らないんだ??」と大抵の人を横に乗せたら、オヤジの運転にそう答える。
オヤジは飛ばすためにこのS2000を買った訳でない。ただ、運転が楽しいからだ。
これはたとえ、S2000で60km/hでノロノロ走っていても運転は楽しいのだ。
彼はオヤジの人格を否定しない。それは凄く大変で大切なことである。
話はだいぶそれたが、今日の行先は、やみくもに走りながら、白滝にある石器のジオパークに建物にしようと決まった。
彼が最近、この近くに何々露頭と書かれている名所があり、今度、そこが何か知りたい。と言っていた事から、場所が決まった。
道中、オヤジのS2000のカーレーダーを見て、友人Iは自分の車にも付けようか、考え込んでいた。なんとカーレーダーを付けないで、もう10年以上経っているのだが、その間、一度も捕まった事が無いと言う事である。
もちろん、彼はGTRを乗っているぐらいであるから、そこそこにはスピードを出すほうである。
すると、今迄、カーレーダーが急に大きく鳴りだした。ゆっくりと近づくと、やはりそこにはパトカーが待ちうけていた。
こんなことが今回は2度起きたので、彼はこの後真剣にカーレーダーの購入を考えるようであった。
2時間ばかし走って、目的地に到着。入館料は一人300円也。
毎回、思うのだが、このような資料館は入館料が安い割に実に面白い。
ここで、彼はしげしげと看板を見ていたので、どうしたのか聞いたら、彼が見て見たかった、何々露頭の解説が出ていたらしい。どうやら偶然、ここに来て、彼の知りたい事がわかったらしい。
ちなみに、露頭とは岩石や地層 が土壌や植生などにおおわれないで,直接地表 に現れているところ。である。
オヤジ一人なら、僅か10分ぐらいで見終わるのだが、友人Iは30分以上もかけて、実にゆっくりと見ていた。
あとで、かなり熱心に見ていたな??と聞くと、やはりお金を出して見ている以上、きちんと最後まで見たい、と、言っていた。
多分、彼の知識の深さは、こんな風にきちんと全部見て回るからだと思う。
時刻は午後1時。そして、次に向かったのは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
遠軽町を抜けて。
1ヶ月前に来た、中湧別のチューリップ公園であった。
あれだけチューリップが咲き乱れ、綺麗な公園であったのだが、いまは全て刈られて、普通の土だらけの敷地となっていた。
ここでの滞在時間、僅か5分。この後、道の駅のレストランで昼飯とする。
彼もオヤジも観光地や道の駅では特別、美味しい味はしないけども、金額の割には味もそこそこいける。という、持論をもっている。
今回も可もなく、不可もない味であるが、金額を見ると納得価格であった。
そして、お腹が満たされたオヤジ達は、少し歩いて、道の駅の隣にあるマンガの原画の資料館があるのだ。
そこには遠軽にゆかりのあるマンガ家の原画が展示されているのだ。
玄関前に設置されている、不思議な置き物。
オヤジはスーパーマンにでもなったように、水に浮いている丸い玉を、何回も回して遊んでいた。
中に入ると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさかの休館日でした。
そこで、トンボ帰りに帰って,無事に4時ごろ帰宅。
「それじゃー。またな。」と、去っていくGTR。
今日は非常に楽しい休日となりました。


















