休日の晴れた日は・・・・・ | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 現在、時刻は午前11時。家事から解放されたオヤジはようやくこれから自分の時間を持つことができる。


 「さて、今日は何をするか??」やりたいことは色々ある。

まず第一に、先日取り換えたカーコンポの見てくれをカッコ良くしたい。


 他にも色々やりたいことが出ているのだが・・・・ふと、空を見上げる。


 今日はピーカン!!まるで抜けるような青空だ。すると、オヤジはウズウズし始めた。


 そうなのだ。オープンカーに乗るには絶好の日和だ!!

「今日、S2000に乗らないでいつ乗るんだ??」と言う事で、オヤジは気の向くまま、S2000のハンドルを切った。




かたわらには、小さなウォークマン。前回、FMトランスミッターからオーディオコードに切り替えて、お気に入りの曲がガンガン聞ける。




ふと、空を見上げると、珍しく飛行機雲が・・・



 空はどこまでも青く、S2000からは映画「レオン」のエンディングの曲が静かに流れてくる。


 お気に入りのS2000をオープンにして、お気に入りの曲を聞きながら、オヤジは淡々と時速60km/hでゆっくりゆっくりと長い道のりを走り続ける。




 時折、急いでいるのか、オヤジの後ろから、猛スピードでオヤジを抜いていく車が現われる。


 不思議なことにオープンにして走ると、何だか神経をすり減らして急いで走る車達が馬鹿らしく思えてくる。


 後ろから猛烈な勢いで来る車が現われると、左ウインカーを点滅させて「お先にどうぞ♪」


 走行距離が100キロを超えだすと、オヤジの心の中に溜まっていた澱(オリ)が浄化され始める。


  時間にして約1時間、時刻は午後0時。佐呂間の道の駅。ここでトイレタイム。









 ここまでくれば、目的地まであと一息。またひたすら走り始めるオヤジ。


 時刻は午後:0:30分。ようやく目的地に到着!!


 そこは・・・オヤジの家から約150km程離れた、上湧別のチューリップ公園。


 ここは5月のGWから6月初めまで、チューリップが咲き乱れ、6月の頭で全て、チューリックは刈り取られる。

  たった1ヶ月間の短い期間である。











































 かみさんとの最後の別れに言われた言葉。「チユーリップ公園。綺麗で楽しかったなぁ。」

 

 その言葉をいつまでも引きずり、オヤジは楽しかった思い出を求めて、いつのまにかここに来ていた。


 

「今年もまたやってきたよ。」綺麗な青空を見上げて、オヤジは一人つぶやいた。

 

 そこは4年前と全然変わらない景色があった。

多分、変ってしまったのはオヤジ自身の心だろう。


  オヤジはしばらく家族全員で来た楽しかった思い出に浸った。


「さて帰ろうか。」そう言ってオヤジはS2000のエンジンをかけた。


 そして帰り道もゆっくり、ゆっくりと思い出に浸りながらS2000は走り続けた。