マニュアルで行くという事。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 昨年末、50年来の友人と、スポーツカーはマニュアルかオートマか?で論争をして、ケンカ別れをしたオヤジ。

(と、いっても1週間ぐらいで再び元のさやに納まった二人だが笑♪)


 また、別な友人からも素人はオートマの方が速く走れるし、スポーツタイプの車ならパドルシフトも付いている。

 パドルシフト、俗にいうF1システムは、今やスポーツカーやレーシングカーには常識で、旧型Hパターンマニュアルは逆にタイムが遅くなる。とも言われた。


 そこで、何故オヤジがケンカまでしてマニュアルにこだわるのかというのを今回、考えてみた。


 確かにオートマは便利である。それは否定しないし、札幌のような交通量の多い街を毎日走れば、オートマの方が良いとは思う。


別にオヤジはオートマ否定派ではないのだよ。


 ただし、オヤジの住んでいる町はド田舎。


 町を歩けば人よりも、キツネやシカ、さらにクマに出くわす確率が高い町なのだ。(いくらなんでもクマは無いだろうなぁーー。笑♪)


 

 そんな人影に無い町の中で、スポーツカーを楽しむとなったら、やはり目的は単なる移動よりも、運転を楽しむという事である。


 昨年、オヤジは果敢にも札幌のGRガレージ(トヨタのスポーツカーブランドのお店。)レ-シングカーのシュミレーターに挑戦してみた。(名前はかっこ良いけど、要はゲーセンのカーレースと同じなのだよ。)


 結果は散々たるものであったが、今一つ、心に燃えるものが無かった。


 理由を考えて見たら、シフトがパドルだったという事と、あくまもサーキットでのシュミレーターだったという事であった。


 確かに車は速かった。

 

 最初のコーナに入るまでに簡単に200km/hオーバーで入り、コーナーを曲がりきれなくて、何回もマシンを大破させてしまった。


 何故か??それはパドルシフトの為、今、何速に入っているか、体感的にわかりづらかったのだ。

 200km/hオーバーの世界で今、何速か。常にモニターで見るという事は、かなり難しい。特に、相手が前にいるのなら、なおさら、相手の車を見ながら、コーナーに入るので、常にオーバースピードとなって、残念ながら、オヤジにはレーシング・シュミレーターは好みには合わなかった。


 逆に自分の好みに合ったのは、あのゲーセンの湾岸ミッドナイトであった。


 首都高の一般車両の間をぬって、右に左に300km/h近い速度でスラロームを行う。


 前走車を追う時には、自分の車のスピードメーターも、何速に入っているのかもモニターを見る暇もない。


 特に曲がりくねったC1を攻めているときは、ブレーキすら踏まないで、減速はギァーチェンジのみ。

 

その時に効果を発揮するのが、旧型Hパターンマニュアル方式なのだ。


 左手の感覚だけでの減速。加速。更に相手が曲がれればこちらも曲がれるはずという意思で軽くドリフト。

 単なるゲーセンと言われればそれまでだが、オヤジにとっては公道で暴走を起こさない,良いシュミレーターなのである。


 そのおかげで公道でS2000を走らせるときは、常に安全運転ができる良い場所なのだ。


 S2000で公道を走っているときは本当に楽しい。昨年は半年間で(冬は乗らないからね。)1万キロも走り込んだ。


 昔、主(あるじ)さんからバイクはマニュアルですよね。というコメントにオヤジはウソをついた。


 当時は片手に障害の持つビックスクーター乗りの人とも交流があったために、オートマのスクーターでもやはり良いと思いますよ。という答えを書いてしまった。


 しかし、S2000のオーナーとなった今ははっきりと言える。



 オヤジはクルマやバイクはやはりマニュアルだ!!


 自分がこれほどマシンの進化を認めない排他的な人間だとは思いもよらなかった。



 時には自分の命さえ乗せて走る車やバイク。


 いや、自分の命を乗せて走るからこそ、マニュアルにこだわりたいと思う。


 車やバイクに興味を持たない多くの人は、オートマが車のほとんどを占めている時代に、今更マニュアル??と笑う人は多いと思う。


 だが、このブログを読まれる読者は、多分、バイクや車が好きな方ばかりだと思う。

 中には純粋にマシンの速さだけを求めて、パドルシフトにたどり着く人もいるとは思う。


 S2000に乗れない今でもS2000との走りは思い出す。


 S2000の狭いコッピットに乗りこみ、キー軽く右に捻る。

 そしてレーシングカー並みの紅いエンジンスターターを押す。


 すぐに轟く図太い排気音。


6速シフトを1速に入れて、軽く走り出す。

2速。再び加速するS2000。

3速、4速。と更にS2000は加速を止めない。


目の前に急なターンが現われる。


 左足でクラッチを踏み、シフトを3速、2速に叩き込む。


 唸るエンジン音。


 インベターにコーナーを曲がりこみ、立ち上がりと同時に3速にシフトチェンジ。


 タコメーターはレッドの9千回転。一呼吸置いて4速。5速。そして6速。


 オープンカー特有の風の匂いがして、周りのひざしが眩しい。



 そしてS2000はどこまでも走り続ける。


 
オヤジがマニュアルで行くという事は、自分の愛機と対話をするという事、そしてそれは自分の生き方なのだ。


 ふと、マニュアルで行くという事は、自分にとってはこういう事なんだと感じている今日、この頃である。


あーーっ。早くS2000に乗りてーーーーっ!!

(やはり最後は決まらないオヤジであった。笑♪)