先日の新聞のチラシの欄に、北見のある車屋さんで、 TOYOTA 2000GT のスーパーレプリカが展示されるという記事が乗っていた。
オヤジの世代には TOYATA 2000GT は、今のスーパーカー以上の雲の上の存在であった。
多分、生きているうちにはまずはお目にかかれない存在だと思っていたのだが、昨年、なんの偶然か旧車のイベントで実物を見て、カンドーしたオヤジである。
そんな憧れのTOYOTA2000GTのスーパーレプリカが北見で見れる。という事で、今日は早速、北見に走る事とした。
その車はR3000GTとなっていた。
その番号をみたオヤジはある疑問がわき起こった。
通常、TOYOTA2000GTのレプリカはリトラクタブル・ヘッドライトの関係で、マツダのロードスターの初期型をベースにして作くられ、800万円程で売られていると聞く。
※リトラクタブル・ヘッドライト付きの車は安全上の関係で、現在は制作は禁止されているので、中古車のリトラクタブル・ヘッドライトのある車をベースにして作られてている。
ところがR3000GTとなっているので、排気量は3,000ccだと予想されるのであるが、当時のロードスターは3,000ccの車は存在しないのだ。
そして、今日(月曜日)にオープンという事であるが、通常は日曜日にオープンを行うほうが、どう考えても、お客さんはたくさん来てもらえるだろう。
この二つの疑問を持ち、まずは実物を見るほうが先だという事で、オヤジは北見に走った。
昼時間を避けて1時過ぎに到着!!
中には70代の男性の人が、一生懸命に写真を撮っていた。
まずは画像をば。
これがレプリカの心臓部。排気量は3,000ccだから、R3000GTと言う名前らしい。
バッテリーはお約束の場所に付いています。
ちやんとリトラクタブル・ライトが付いている。
うーーん。やはりTOYOTA2000GTのデザインは美しい!!
更にバイクも展示しているのは、センスが良いですーー。
それでは、ここからがオヤジが考えた事です。
まず、一目見て実物よりも大きく、カッコ良い。このことを、この車屋さんの社長に聞いてみた。
「良くわかりましたねぇーー。」と、社長は嬉しそうに説明をしてくれた。
このレプリカは実物と車高と長さは同じ寸法であるが、横幅が10cm程、ワイドになっているそうである。
「やはり、ベースがロードスターだからですか??」と、オヤジが聞くと、社長はニャリ♪とオヤジの顔を見た。
「実は完全にフレームから作った車です。」
「えっ??だって、現在はリトラクタブル・ヘッドライトは禁止されていますよね
。だからオリジナルフレームで作るのは無理なのではないですか??」
「実は・・・」と、社長は現在の技術でリトラクタブル・ヘッドライトのある車を作った方法を教えてくれました。(ここはオフレコという事ですので、秘密は直接、ここの社長に聞いてください。)
「では、このエンジンは1600ccでは無く、3,000ccのエンジンなんですね!!何のエンジンを使っているんですか??」と興奮気味にオヤジは聞いた。
「エンジンはトヨタ製の最終直列6気筒エンジンの『 2J 』。アリストやスープラに使っていたエンジンです。」
「おおっ。往年のGT-Rのエンジンと双璧をなす、名機のエンジンを積まれているのですね。」
排気量3,000ccのそのエンジンを乗せるために、幅が10cmほどワイドになったらしい。
価格は2,800万円。オートマなら、200万円程安くなるらしいのだが、ここの社長は、あえてマニュアルを選んだそうである。
しかもボディはFRP。いつまでもザビが出ないで綺麗なボディを保つことが理由であるが、この排気量にボディがFRP。
※FRPとは、繊維強化プラスチックの事である。
これほど強力な武器は無い。
通常、スポーッカーは車重が軽いほうが良い。単純に考えて車重が軽ければ、パワー・ウェイト・レシオが良くなり、ブレーキの性能も上がる。
昨年、小樽までの道中、後ろにフェラーリーに張りつかれた時の話しを聞かして頂いた。
面倒に巻き込まれたくなくて、早く先に行かせようとしたらしいが、そのフェラーリー、相手が2,000ccの車だとバカにしたらしく、なかなか先に行かないで、ズーツっと後ろに張り付いたままだったらしい。
社長は仕方なくどんどん加速していったらしい。
驚いたのは後ろにへばり付いていたフェラーリーだろう。
たかが2,000ccの車が、フェラーリーと同様に加速していくのだから。
最終的にフェラーリーはこのレプリカを追い越していったのであるが、その間、充分にこの車の性能を堪能されたらしい。
最後に昨日の日曜日にオープンしないで、何故今日、オープンされたのかを聞いてみた。
社長いわく。日曜日は単なる車好きや子供ずれの人が多いから、あまり接客されたくないそうである。
わざわざ、客の少ない平日にオープンすることにより、本物の車好きの人に接客したいという事であった。
最後に、レプリカという事で、この車が後年、中古が500万円。いゃ。100万円とたとえ価値が下がっても、別にかまわないという話が印象的であった。
自分がその車に価値を見いだしたなら、たとえそれがレプリカでも、その人にとってはそれは本物ではないだろうか??
旧車マニアの方には、オリジナルしか、その車を認めない人も多い。
オヤジはこれはこれでアリではないかと思う。
旧車のオーナーの方は、もし走行途中に故障が起きたら。と考えたら、気軽に遠くに走れないと聞く。
そんななか、同じような形、更に安全に快適に走れるようになった車。
維持費は通常の車並み。
オヤジのS2000もそろそろ部品が無くなってきたと聞く。
またオヤジの師であるS車輌の社長の所持する、初代MR2も前回から車検を切らしたままである。
理由は部品が無いために車検が取れないという事と、もし、その部品を取るとしても、オークションでしか手に入れることが出来ないので、部品代自体も異常な高値となっているらしい。
今、70年代から80年代の、車やバイクは異常な高値になっていると聞く。
憧れてようやく手に入れた車やバイクがすぐに壊れて、部品も高くてなかなか手に入らない。
こうなると、折角手に入れた車やバイクにも乗れず、維持するだけでも湯水のごとくお金が飛んでいってしまう。
そうして嫌になって車やバイクから離れていってしまう。実は車やバイクは購入よりも維持するほうが大変なのである。
少年の頃に憧れていた車をようやく手に入れた社長。
社長にとってはこの車は間違いなく、レプリカなんかでは無く、新型のTOYOTA2000GTなのだとオヤジは思った。