秋晴れの北海道。
オヤジはしばらくS2000に乗っていなかった。
毎日の日常の生活で、心が淀み切っていて、どうしょうもなく、単に意味もなく走りたいと思うようになってきた。
そこで、今日は朝から久しぶりにS2000で1日中走ろうかと考えていた。どこに行こうか??
前回は根室:東の果てだったので、今回は自然と北に向かいたいと思っていた。
晩秋の北海道に静かに佇んでいる街。更に北に向かっているとなると、もうこの題材だけで、日本人のソウルソング:演歌になるではないか!!
(ちなみにオヤジは演歌は全然聞かない。笑♪)
そこで、距離的にも120km程離れている、往復4時間ぐらいですむ、紋別に決まった。
そこで、今日のタイトルは「北へ♪」なのだ!!
予定は8時過ぎには出発の予定であったのだが・・・・茶碗を片付けてから出発しようとしていたら・・・なんと、食器を入れて置くカゴがかなり汚い状態であった。こうなるともう完全に、主夫モードに突入!!
食器カゴを綺麗に掃除を行い、漂白剤で消毒を行い・・・・・
気が付いたらお風呂掃除まで終わって、自分が動ける時間は11時近くになっていた。
こうなるともう片道2時間~2時間30分以上の紋別どころでは無い。
仕方がないから片道1時間のいつもの北見にS2000のハンドルを切る。
(くそっ!!こんな絶好な秋晴れは中々ないんだが・・・・体に染みついた主夫業が悲しい・・・・)
秋晴れの為に、早速、S2000はフル・オープンにしながら走り始める。
気温は17℃。心持日差しは暖かいが、バイクはもうすでにほとんど走っていない。
時折、ポッンと走ってくるバイクを見ながら、もう確実に季節は秋と感じ始めていた。
いつものように40分ほどで北見にやってきたが、やはりまだまだ走り足りない!!
もう少しだけ走ろう。
オヤジは急遽、予定を変更して、更に北に向かってハンドルを切った。このままいけば30分ほどで遠軽に着く。
さらに走って、上白滝あたりの石器の博物館でも見ようかと思っていた。
遠軽のコンビニでトイレタイムと昼食とする。昼はサンドイッチ×1袋とカンコーヒー。ここで時刻は12時ぐらいである。
ここから、S2000の幌を出し、オープンカーにするのを止める。
友人からのメールでオープンカーにして乗るために、革ジャンを手に入れたんでないか??と、言われたが、オヤジは長距離を走るには、やはり体を楽な状態で走りたい。
革ジャンを着込んでオープンにして走ると、体は冷えるは、革ジャンで動きが重くなるはで、走り続けると疲労が蓄積されてくるのだ。
とにかく長距離を走るには、体を冷えさせない。シャツ1枚で楽な恰好で走り続けないといけないのだ。その為、快晴時にも幌は付けて走る。
少し走って遠軽市内に入ると、願望岩が見えてきた。
上白滝の予定を変更して、更に通り過ぎて、5月ごろにチューリップが満開だったチューリップ公園の上湧別を抜けて雄別に入ってのが、12時30分ぐらいであった。
FMラジオから軽快な音楽が流れている。
走行距離が100キロを越え出す頃にはもう、心の淀みは消え去り、走るごとに心が浄化されるような気がしてきた。
そこで、オヤジはある事に気が付いた。湧別は紋別の隣町で、距離にして約20キロぐらいしか離れていない。
「あれっ??もう紋別は目の前なんだ。」
そこで、行先を当初の予定の紋別に変更。更に走る事30分。
ようやく紋別市が見えてきた。
1時過ぎに紋別市に到着。
一番の中心地である、氷紋の駅に到着。
ここでは6日の土曜日から、グルメ祭りということで、中で海産物を売って、その場でBBQが出来るようにしているのだが・・・一足早かった。残念。
中をさっと見て、次は紋別と言えば・・・・・・・・・・・・・とーぜん、ガリンコ号である。
手前には冬のイベントに使われる、チビ・ガリンゴ号(?)
流氷祭りの時などで、観客を乗せて、雪原を走り回るのだ。
そして、あの有名なコミックの「DRIVE」にも出てきたガリンゴ号。
大きな客船でさえ行く手を阻む流氷をものともぜずに、ガリンゴ・ガリンコと言いながら、船前の4本のドリルで打ち砕いていく。
相変わらず、オープンカーは天気の良い日は様になるねぇーーー。(雨の日は最悪だけど・・・笑♪)
遥か彼方には昨年見に来た氷海展望塔オホーツクタワーが見える。
タワーの下の円筒の下は、紋別の海底下7.5mの景色が見える。かわりに行ったのは・・・紋別の道の駅内のある、北海道立オホーツク流氷科学センターである。
入館に当たって、写真撮影やブログの掲載の許可を取ったら、もちろんデジカメOKやブログOK.という、大変うれしい返事であった。
早速-20℃の体験を行う。
オヤジは防寒着も着ないで、ポロシャツ1枚で、さっさと中に入る。
慌てたのは係員。
普通は防寒着をしっかり着込んで皆入って行くのだが、夏の恰好とあまり変わらない姿で入るお客はあまりいないだろう。
-20℃といえども、乾いた服なら5分ぐらいなら充分にいられる。
オヤジは真冬は普段から動きずらいという事で、車から出て店に行くのも、ジャンバーは着込まないで、Yシャツ1枚で歩き回るので、こんなぐらいの寒さは、別にどうってことも無い。
無事に出てきたオヤジを見て、係員はホッとしていた。そして、係員は折角ですから、新種のクリオネを見てください。と、オヤジに進めてきた。
普通の普通は透明な姿に中が赤いのだが、新種のクリオネは体全部が赤いのだ。
クリオネの捕食の仕方。姿、形は可愛いので「流氷の天使」とか「氷の妖精」と、呼ばれているのだが・・・・・
捕食の時は・・・・頭をパッカーーーーンと割って・・・・丸ごと対象物を飲み込む。
まともに見たら、かなりグロい。ちなみに貝の仲間である。
さっきのチビ・ガリンコ号(?)の模型もある。
竜巻を発生させれる機械もある。
この氷の模型の上を歩けば、流氷に乗っている気分になれる。わざわざ危険な想いをして、流氷に乗らなくても、たった450円で楽しめる。
南極の石が見えるとは・・・なかなか無いぞーー。
こんな楽しいとこが450円で利用できるのだが、今回もオヤジの他、おじいさんの3人組しか、入館はしていなかった。
何だかもったいなぁーー。
思い付きで作ったクラブ・ミッドのステッカー。たった2人で作ったクラブであったが、いまでは10名も存在するクラブとなってしまった。
ここを出たら、最後は紋別の御存じ、カニのツメのモニュメントを見に行く。
毎回、毎回見に来るのだが、何だか意味もないのだが、楽しくなってくる。

ここまでの走行距離は、約150km。
斜陽の紋別の街が辺りを寂しくさせていく。
ふと、オヤジは心にぽっかりと大きな穴が出来た気がした。
子供達と一緒に車で走るのは楽しい。
しかし、一人でS2000で走っているときは、いつもどこかで心の空白を感じている。
たぶんそれは、かみさんと一緒に走った思い出を求めているのだろう。
それはいつまでも癒されないキズとなって、オヤジを苦しめている。
そしてオヤジは、再びただ狂ったように走り続けて行く。
北へ♪
ー完ーー