たった1日のサバイバル!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 いつもと変わらない日常生活が、昨日一気に変わった日となった。



 そう、北海道で大地震が起きて、全道が停電になった日である。


 まさか自分のとこは台風、大地震や災害はありえない。と考えていたオヤジであるが、その考えは一気に崩された。


その日はいつものようにオヤジは起きていた。


 朝、娘2号から「今日は学校は停電だから、お休みだから。」という言葉を聞いたオヤジは「ふぅーーん。」とあまり気にせずにまた布団の中でまどろんでいた。


  更に娘2号から「うちもさっきから停電だから、ご飯が炊けなかったよ。」という言葉を聞いて驚いて飛び起きた。


 真っ先に思いついたのがコンビニでパンを買って子供達に食べさせる事であった。


 娘1号を起こして、コンビニ行かせたのだが、次に思いついたのが、信号が停まっている。という事であった。

 事故がおきてないかハラハラして待っていたら、娘1号は「お父さん、ダメだった。コンビニのパンは全部売り切れていた。」


 そして次々にスマホから情報が流れだし、2号の学校は停電が修復するまで学校閉鎖。

 1号の行っている所も休みという事であった。

 

 こんな時でもサラリーマンの悲しい習性。とりあえずは会社に行く。という用意をしたオヤジである。

 まずは水道から水が出るのを確認、更にガスが付くのを確認。それから、再びコンビニに走った。


 コンビニに 行く途中、車のワンンセグのTVから北海道の道南方面で大規模な地震が起き、それが原因で発電所が停止。それがもとで連鎖反応が起きて、今回の北海道全域での停電となった事を知った。


 そして、これが単なる簡単な停電でない事を感じていた。


 時間は午前7時前。外は信号はついていない。なるべく信号のない道をゆっくり、ゆっくりと走りコンビニに着く。


早速、中に入ると、パンや弁当はすべて売り切れていた。


 オヤジ家はいつもは数日間の食材しかストックしておかないので、今回も間の悪い事に、食材のストックはほとんど無くなっていた状況であった。


 とっさに「3日分の食糧。」という言葉が浮かんだ。

 この言葉は災害にあったら3日間だけ生き延びれば、その後、救助が動き出せる日数だと記憶している。


 頼みのカップヌードルも辛い系の物以外すべて売り切れていた。6個ほどカップ麺と乾麺のうどん3束、そしてホットケーキミックスを2袋買ってレジに持って行った。

 驚いたのはレジが動いていた事である。聞けば充電式で充電が切れるまで使えるそうだ。オヤジはコンビニを出た途端、次から次にお客さんが入ってきた。お弁当やパンが無くて、ガックリして帰って行ったお客さんもいた。


子供達の朝食は昨日、偶然に買ってきた半額の5個入りのパンと、昨日余ったご飯を食べさせた。オヤジはもちろん朝食抜きて会社に行こうとした。


 出社時に子供達が9時ごろに隣町の大手スーパーに行って買い物をするという話を聞いたオヤジは、家から出て行く事を禁止した。


  理由は信号が停まっているため、事故の確率が高くなるという事と、大きな街程人口も多いので、買い物に行っても食材は手に入らない可能性が大という事である。


 当面の食材を確保したこともあり、子供達には家から絶対出るな。と言い聞かせて、オヤジは出社した。


まずは信号。国道に出るときには慎重に確認しながら出る。


 ここは田舎の為、あまり車がいないのだが、驚いたことに出社するまでの間、ほとんど車に出逢わなかった。


 何だか映画で人類が滅亡して、たった一人生き延びて行く主人公のような、非日常的な感じがしたオヤジである。

 


出社前に全てのコンビニで車は満車。大きなスーパーは開店前から延々と人が並んでいた。




パッと見たら、このお店のある区間一杯に人が並んでいた。


 網走の会社付近についた時に、大きな交差点でお巡りさんが車の誘導を行っていた。


 今は9月だが、先日の台風の為、異常な真夏並みの暑さの中全く頭の下がる行為である。


 こうして、無事に出社したオヤジであるが当然、会社は停電。

何をすることも出来ないオヤジである。


 店長と合流したオヤジは本社から指示を待っていたが、中に置いてあった充電式ワンセグTVから、本社がある札幌の方が被害がひどい事を知った。


 網走の広報車が断水は始まる事を連絡していた。


 そこで、オヤジはスマホから子供達に、お風呂に水を一杯に貯めるという事と、家じゅうの鍋ややかんに水を一杯にする事を指示した。


 何もすることなく会社にいたオヤジであるが、10時30分頃に店長から自宅待機命令が出たので、再び帰宅するオヤジである。


昼食は2号は残りのパン。1号とオヤジは買ってきたカップ麺を食べて昼とした。


 家でも何もすることが出来ないので、とりあえずはソファーで横になってうつらうつらしていたら、3時ごろに上長から電話が入った。


本日、店は閉店。という連絡であったが、店長に連絡が取れないという事であった。オヤジも店長に連絡をしたが、不通であった。


 多分、停電の為、携帯電話のキャリァの送信部が使えなくなったみたいである。


 気になりまたまた会社に走るオヤジ。

こんな時はオヤジの愛機S2000が活躍する。「頼むぜ!!S2000。」

 警察には悪いが、今日は交通整理に忙しいため、スピード違反を取りしまる警察は皆無だろう。再びダッシュで会社に着く。


 会社に行くと扉は閉まっていて、店長たちはいなかった。そこで、上長に店は閉店、店長たちも帰宅している事を連絡して再び帰宅。


相変わらず、コンビニの駐車場は満車である。


 夕方になった。あたりは次第に暗くなる。


 夜になる為、ラジオや懐中電灯の用意をしたのだが、残念なことに用意してあった3台中2台のラジオは使い物にならなくて、頼みのランタンも使えなかった。


 その為、小さなラジオ1個と100均で買った小さな懐中電灯が3個がオヤジ達の命綱となっていた。


 友達の家から帰ってきた娘2号が、明日から断水するらしいことをオヤジに話した。

 

 そこで、オヤジはホームセンターで飲料水用のポリタンクを買いに1号と共に行った。


 時刻は午後5時30分。地元のホームセンターは閉店。


 そこで隣町まで走る。時刻は午後6時。もちろんホームセンターは閉店。


 貼り紙を見るとラジオ、懐中電灯、ポリタンク、乾電池、飲料水などの災害用に必要なものは全て売り切れという事が書かれていた。

 


 無いものは仕方がない。ある物で何とかしようと考えて、ガレージを見たら使われていない小さなバケツが2個見つかった。


 そこで、バケツを綺麗に洗って、その中にゴミ袋用の45Lのビニール袋を敷いた。そこに水を入れてフタをする。

 



 たった100均で買ったポリ袋であるが、今回、非常に助かった。



 画像がボケているのは勘弁してね。デジカメの電源の節約でフラッシュは付けていたいのでした。

 


 ラジオでは地震の為に壊れた発電所の復旧に1週間以上かかるという事を流していた。

 


 断水や発電所の復旧の遅れの情報に、だんだん停電が長期化する可能性が出てきた。


 こうして夜になったが、娘2号はまた残りのパン。1号にはカップ麺を食べさせた。


 オヤジは少しお腹は空いていたが、あまり食欲が無かったのと、これからの事を考えたら、少しでも食材はあったほうが良いと考えて、お腹が空いた時だけ食べようと考えて夕食は抜き。


 普段は自分の部屋にいる娘2号であるが、心細いせいか、茶の間にやってきた。1号も茶の間にいたままである。


「1週間もこのまま家にいるのかなーー?」と不安がる2号であるが、


「大丈夫だよ。最低でも3日間生き延びれば、救助が入るし、まだ断水もしていない。」

 


「更に冬で吹雪いてもいないから、寒い思いもしないから、いま、このまま家にいるのが一番安全だ。」

 


「いま、一番恐ろしいのは、不安になってパニックになる事だよ。」

 


「明日は北海道の3/4ぐらいの地域の停電が復旧するとラジオで言っていたよ。」

 


「ラジオの情報をしっかり聞いて、おとなしくしていればきっと大丈夫だよ。」と、オヤジは子供達を勇気付けた。


 いつの間にか寝ていたのだろう。トイレに起きたオヤジは暑さの為、窓を開けていたのを閉める前に外を見上げた。


 あたり一面に沢山の星が見えた。


「綺麗だなぁーーー。」


もし、停電になって唯一良かったことは、この満天に見える星空であろう。

 



 「きっと大丈夫。あの猛吹雪でも生き延びてたんだ。今回だって、明日になればきっと良くなる。」と、オヤジは自分自身に言い聞かせた。


 


 茶の間のソファーに戻って、再びいつの間にか寝込んだオヤジであるが、パッ!という音と、隣の仏間がいやに明るい事に気が付いた。


 

「復旧したんだ。停電が直った!!」


時刻は本日午前3時18分。


 

 こうして、たった1日のオヤジ家のサバイバルは無事に終わりを告げた。



今回で気が付いた点を書いてみた。


TVはもちろん使えないから小さいラジオを数個用意。出来れば単三か単四電池使用のもの。(1個だけなら使えないとNG。)


単三電池、四電池の用意。(ラジオ、懐中電灯の為に。)→すぐに売り切れるため、常に10本ぐらいはあったほうが良い。単一、二はアタッチメントで対応。


懐中電灯は人数分+1個。(部屋の明かりとりの為。)


もちろん、ラジオ、懐中電灯はつねに使えるか確認。今回、災害用と考えて用意したラジオ2個と、ランタンが使えなかった。


出来ればスマホ用に電池で充電できる充電器。

※車でカーソケットから充電できるが、停電になるとガソリンスタンドも閉店しているため、開いているスタンドには車が何十台も並んでいて給油出来ない。


更に車は買い出しの緊急用の為。最悪の場合を考えてあまり使わない。


停電になると断水が始まるため、お風呂の水を一杯に貯める。(水洗トイレでお風呂の水を流せばトイレは使える。)更に20L入りポリタンクを数個。(もちろん飲み水用。)


水と食べ物を最低3日分を用意しておく。

日持ちの良いもの。乾麺など。※パンは真っ先に無くなる。


出来ればお米を鍋で炊く練習。


 うどんなどの乾麺は茹でるために水を大量に使うために、ガスでお米が炊けるなら、別に慌てて食料を買いあさることは無くなる。


真冬の事を考えて、反射式ストーブを用意。(灯油は最低ポリタンク1個用意。)


以上が思いつく事だ。


 実際に災害が起こってみれば、色々な事を考えて対応をしないといけないと思う。(今回はポリタンクが無いため、ビニール袋で対応した。)これがないとダメとか考えないで、常に何かで代用できないか考えれば案外乗り切れるとは思う。


 今回は北海道で大規模な災害と言われているが、オヤジはそう思わない。


 電気、ガス、水道が当たり前に使える時代になって、たった1日であったが、停電を起こしてこれから起きる災害に備えなさい。という、自然からのメッセージ思えるオヤジである。




PS 今回、心配をして頂きラインで連絡をして頂いたのだが、当然、スマホは充電できないために、相手からの既読が入ってれば安心してください。


 ラインも子供達には充電ができないから、緊急時以外使うなと指示していました。


 皆様も災害が起きた相手からラインの既読があっても返事がないのは、多分、このようにバッテリーをセーブしているからだと思います。