サバイバル・RUN!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  この大雨に中、警報を出されている地区に住まわれている方々は大丈夫でしょうか??


 ここ、オヤジの住んでいる、北海道も実は大変な事になっていまして、おかげで2日間で900㌔程、S2000で走っていました。


 その日の朝は今迄どうりの何も変わらない普通の雨であった。

その日、オヤジは数年ぶりの札幌出張の為に、朝6時近くの始発の汽車を待っていた。

 そこに流れる店内放送。

「本日、札幌行の始発の汽車。●●、●号は、雨の為に、運休します。尚、復旧の見通しはまだついていません。」


 人間、あまり驚くと、しばらくの間は意識が飛んでしまう。


 最初、そのアナウンスをオヤジは他人事のように聞いていた。吹雪の時なら分かるが、何で雨が降っただけで、運休???

「うん??●●、●号??」そして、その意味を理解すると、あわてて次の行動に出た。

 駐車場に停めていた車に乗りこむや否や、オヤジはすぐに家にハンドルを向けた。


 予定では朝6時発の札幌行きの汽車に乗って、12時近くに当地着。12時から1時まで食事を食べた後、札幌の研修場で、1時から研修となるのだ。


札幌までは車で普通に走れば6時間ぐらいかかる。

その為、今から車ですぐに札幌に向けて走らないと、予定の12時までに札幌には着かないのだ。


 オヤジは家に帰るなりS2000の鍵を取り、トランクにトラベル・バックを放り込み、運転席に座り込んだ。


「頼むぞ!!S2000。これから12時迄に札幌に行かないといけないんだ。」


 オヤジはS2000に語り掛け、そっとエンジンをかけた。


 そして、これが2日間の地獄の悪夢の始まりとなっていった。


 まずはS2000に最寄りの24時間営業のガソリンスタントに立ち寄り、ガソリンを満タンにする。

 そして、S2000のヘッドライトを付けたオヤジは、ハイスピード走行モードに突入していった。


 その為、時間との闘いとなったオヤジはデジカメは持参するもの、トランクに入れっぱなしになったので、写真を撮る暇も無かった。


だから今回は画像が無いのは勘弁ね。


 バイクの時の経験から、ハイスピードでのロングドライブは、カッコ悪いと言わずにヘッドライトを付けながら走ったほうが良い。

 

 その理由は目立つために、対向車、前走車から気が付きやすく、もらい事故の確率がかなり減るからだ。また、どんなに急いでも、絶対に先頭は走らない。速い車の後を追い、常にNO,2となって追いかけて行くのだ。


また、その為に、警察にも目に付けられやすい。その為、最新の注意を払って運転をし続けなければいけないのだ。


 これがオヤジなりに経験した事故らない、捕まらない走行なのだ。


 雨の日はパトカーも少ない。その為に、晴れている日よりも飛ばしても捕まらない。オヤジは無意識にアスセルを踏み込んだ。

 

 雨は路面を濡らし、S2000の250馬力がハガキ2枚の面積に強力なパワーを伝える。その瞬間、S2000は軽くケツを振る。


「おっと。ヒートするなオヤジ!!普通に走れば充分に間に合う時間だ。」と、自分で自分に言い聞かして、更に慎重にアクセルワークを行う。


走り始めてから1時間ぐらい経った時に、携帯の呼び出し音が鳴った。


「ハイ。オヤジです。」

オヤジはS2000を広い路肩に停めながら、スマホを取った。電話の相手は、オヤジの上長であった。

「オヤジさん。札幌行の石北線の汽車が全面運休したの知っている??」

「はい。その為に、今、札幌に向けて車で走っています。」

「今どの辺??」

「今は佐呂間のトンネルを抜けたあたりです。」

「そうか。気を付けて走ってね。」

「はい。気を付けて行ってきます。」


そして、しばらく走っていると、今度は部長から電話が入った。

部長も汽車の運休で心配して連絡をくれたのだ。


 また、部長の話では、高速道路は一部すでに通行止めの状態になっているとの事であった。


「それでは一旦下道に入ってから、再び高速に乗るので、少し遅れるかもしれませんが、必ず伺うのでよろしくお願いいたします。」と、オヤジ答え返した。


 雨の日は皆、どの車も慎重に運転を行う。早朝にも関わらず、追い越し禁止車線では軽トラが時速40km/hで走り続けている。(勝負は高速。)そう言い聞かせながら、我慢しながらゆっくりと走る軽トラの後ろを走り続ける。


 更に条件は悪くなり、視界は次第に雲がかかり、前が見えなくなっていった。その瞬間!!いきなりレーダーの音がけたたましく鳴り響いた。(雨の日なのにネズミ取り???)

 不思議に思いながら、いつも隠れている場所にたどり着くと、1台のパトカーがオヤジ達を狙っていた。(なんでだ??なんで雨の日でもネズミ取りやっているんだ??)


 オヤジは雨の日はパトカーはいないという、今までの常識が破れたのを感じていた。


 パトカーをやり過ごし、追い越し禁止車線が解除になるや否や、オヤジはシフトを6速から5速にたたき込み、アクセルを踏み込んだ。


 途端にS2000はバトル領域のスピードにメーターは達した。そして高速に乗りこみぐんぐん加速していくS2000。

(ここからいかに時間を縮めるかが勝負だ!!)早朝の為か前走車は全くいない。


 しばらくハイスピードでの走行が続く。

高速道路の道路案内が、旭川北から旭川高鷲間が通行止めを示していた。


 その為、一旦、有料になる前に高速を降りてピップに入ってから、一旦道路を走り始めた。


 

 9時少し過ぎに再び旭川の高速の入口がみえたので、店長に汽車が運休したので、車で札幌に向かっている事を連絡した。


 

網走の方は普通の雨だったので、店長は汽車が停まった事に驚いていた。

連絡後、高速に乗ろうとすると、そこは、そこから高鷲まで通行止めの入口であった。



そこで、Uターンを行い、旭川高鷲の住所をカーナビに打ち込んだ。しかし、カーナビは気のせいか、どんどん旭川の中心から離れだしてきた。


 

街から走れば高鷲からの高速道路の入り口は知っているので、オヤジはカーナビに頼って走った事を後悔し始めた。そしてカーナビはついにまったく人里外れた道を案内しだした。(このままではだめだ。一般道を走る案内をされるな。)と、直感したオヤジは、カーナビの案内を無視して、大きい道路。大きい道路になる道を直感を頼って走り始めた。


 

 自分の案内を無視して走っているオヤジに、カーナビは冷たい女性の声で怒り出した。


 それにも構わず、大きな道路を探しながら走ると、ようやく高速道路の入り口に向かう案内がある看板にたどり着いた。


 旭川で迷う事40分。ようやく旭川の高鷲から高速道路に乗りこんだオヤジは、今までの遅れを取り戻すようにアクセルを踏み込む。


 高速道路では速い車の集団。遅い車の集団がある。オヤジは速い車の集団に紛れた。


 高速道路では一休みは大きな時間のロスとなる。その為、飲み物を一切取らずに、ひたすら高速道路を走り続ける。


 札幌まで約60km。時間にして1時間を切り出した時に、1台の異常に速いマークXが現われた。



「ラッキー!!こいつは地元組だな。こいつについて行こう。」そう、思ったオヤジはどんどん前走車をテイクオーバーしていくマークXの後を追い始めた。


白いマークXは前走車に追い付くと、躊躇もしないでどんどん追い抜いて行く。続けて後方から覆面がいないのを確認したオヤジもオーバーティク。

スピードメターがクルクルと表示を変え始めた。



おかげでかなり速いピッチで札幌に到着。


 時間は大幅に短縮されて、時刻は午前11時過ぎに目的地の札幌駅前に到着していた。



 6時過ぎから走り出してかかった時間は5時間弱。我ながら速いペースで札幌に着いたので感心していたのだが、問題はその後。


 肝心な研修場所、宿泊場所が全然わからなかった。札幌のど真ん中で車を寄せて、宿泊先のカーナビに打ち込んで走り始めるのだが、何回やっても目的地周辺です。となってしまった。


 気が付くとすでに30分近く、札幌の駅前をグルグルとまわっていた。


「いかん。このままでは、折角、早く着いても遅刻してしまう。」


次第に焦りだしてきたオヤジ。



 宿泊先の地図が出ている紙をかなり調べて、カーナビに住所を打ち込み直して、ふと横を見るとなんとそこが宿泊先であった。



 しかし駐車場はS2000が停まっている後ろにあったので、再びS2000を発進させて、ぐるっと一回りしてきて、ようやく駐車場に停めて一安心のオヤジであった。


こうして、無事にオヤジは時間に遅れることなく、研修に入ることが出来た。



 研修場に入ったオヤジに、オヤジの担当部門の最高責任者がやってきた。

そして「オヤジさんのS2000をさっき追い越してきたよ。」と、オヤジに話しかけてきた。


 

 そう、先ほどの異常な速さの白いマークXの正体は、この担当部門の最高責任者であったのだ。


 

 こうして、札幌出張、第一日目は無事に終了したのだが、これは単なる地獄の悪夢の始まりでしかなかったのだ。



PS。この話はオヤジの単なる妄想と・・・しておいてください。決して暴走は・・・・汗っ♪