縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合せと呼びます
この詩は、中島みゆきの有名な「糸」の最後の歌詞である。
先日の歌番組の事である。
この「糸」を歌った出演者の人に、
最後の歌詞の仕合せとは、どういう意味で歌われました?
と、ある審査員がこう尋ねた。
すると出演者は、「今、ここに出会えた人に感謝しながら歌いました。」と答えた時であった。
その審査員は、
「私しも今まで仕合せとは幸福の事だと思っていました。
しかし、幸福とは書かれていないんですよね。」
「それは、嫌な人の意見も聞かないといけない。
自分に応援してくれない人と出会いだって織りなす糸となって人生が出来る。
自分に不都合な人と出会って、傷つくことも仕合せなんです。」
という言葉が出てきた。
その言葉が何故かオヤジの心に響いてきた。
この糸の歌を聞いた時に、ほとんどの人は仕合せ=幸せと思うであろう。
オヤジもその一人であった。
が人生は上手く行く事ばかりではないのだ。
そればかりか、自分の思っている事と逆な場合が大半だと思う。
そんな時に人はこんなはずでなかった。とか、どうしてあの時、こうしていなかったのか??と、悔やんでばかりいると思う。
審査員が言ったこの仕合せという意味が、そんなオヤジの胸に深く染み込んできた。
オヤジ達一家はいくども絶望を味わってきた。
しかし、決して不幸では無かった。
多分、これが仕合せという事なんだろうかと思う。
五体満足で健康でいられる幸せ。そいしてかみさんから託された大切な二つの宝物。これ以上の幸せは無いであろう。
そう思ったら、本当の幸せとは「仕合せ」という事なんだろうと、この審査員の言葉を聞きながらふとそう思ったオヤジであった。
ようやく、春の訪れがやってくる気配です。
流氷が徐々に去っていきます。
仕合せと言う言葉を知ったオヤジには、こんなことでさえ、幸せに感じてしまう。
ココも早く外に出たくて、畳の部屋で、ひょいひょいと背中を畳にこすっています。