ガソリンの残量を見ながらオヤジの長い闘いは続いた。タントカスタムの最大走行距離は約350km。
ただいま総走行距離270km、ガソリン残量レベル4。ただし、レベル2になるといきなりカス欠ランプが点滅し始める。
あたりは次第に暗くなってきた。
ここ北海道は午前3時を過ぎると、次第に薄暗くなり、4時を過ぎたら途端に暗闇と化するのである。しかし、なかなか下道に降りる分岐が現われない。ほとんど諦めかけた途端に、下道へ降りる分岐点が現われた。が、どう考えても、この場所は周りは山道ばかりで、ガソリンスタンドどころか、人家の様子すらない。
そう、ここ北海道は一歩判断を誤ると、途端に死さえ現れるのだ!!
下手な山道でガス欠を起こすぐらいなら、高速でガス欠を起こしたほうが、まだ助かる率が多い。
北海道旅行では燃料が半分を切ったら、すぐに補給したほうが良い。
これは北海道旅行の鉄則である!!
オヤジは初めての高速道路で、それさえ忘れてしまっていたのである。絶望への遠い道のりの末にようやく第2の下道へ降りる分岐点の表示が現われた。
標識を見ると、白糠市となっていた。
「しめた!!白糠は釧路の隣町!!さらに市と言うぐらいだから、必ずガソリンスタンドがある!!」オヤジは迷いもしないですかさず下道に降りた。
早速、カーナビで一番近いガソリンスタンドを検索する。距離は約15km離れていた。
15kmとはいつも通勤している距離である。だから意外と近いはずなのだが、行けども行けども、目的地のガソリンスタンドは見えない。しかもここもまた、人家の無い山道であった。タントのガソリン残量を最大限に注意しながら走るオヤジ。20分ばかり走ったであろうか??
ようやく、目的地のガソリンスタンドに到着!!すると・・・・
「のぉーーーーーーーっ!!」
オヤジは思わず絶句した。なんと正月の為にスタンドは閉店していたのだ。絶望をかかえたまま走るオヤジ。
しかし、子供達を不安がらせれないので、あくまでも陽気さを忘れない。そしてさらに10分ぐらい走ったであろうか??オヤジ達の目の前に海が開けてきた。
「お父さん、ホクレン(ガソリンスタンド)がある!!」
と、その時、今まで静かだった娘1号が叫んだ!!
「どこだ!!どこにある!!」焦ったオヤジは周りを見渡したがどこにもスタンドらしき建物は無かった。
「あの交差点を右に曲がって!!」オヤジは娘1号の言われたままに交差点を右折した。その後、ようやくタントはお腹いっぱいガソリンを入れてもらい。再びまた目的地の阿寒に向かうのであった。
こうして、目的地までの阿寒温泉までの約1時間。高速とアイスバーンの道を走りつづけ、無事にチェックインの時間、午後5時30分にオヤジ達は温泉ホテルにたどり着いた。あたりはすつかり闇とかして真っ暗となっていた。
※今回はかなり緊張しながら走っていたので、デジカメであたりを撮影どころでは無いので、画像はありません。