初陣!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 いよいよ、我がS2000の初お披露目です。


 さて、今回からオヤジから僕としてみたのですが、どうもしっくりこないし、筆の走りも遅いので、今日からまたオヤジに変更いたします。多分、もう僕の中では、このオヤジが育っているんでしょうね。つでに今回のヘッダーの画像が、カッコ悪い、という意見が出たので、ヘッダーの画像も変更したので、良かったら更新してみてください。


 先日の積雪で、いよいよパジェロのスタッドレスタイヤ交換が必要という事で、オヤジは朝一番に、S車輌に走る事となった。


 その前に、第一ガレージの中に入れてあるカタナを廃車にするために、ナンバーの取り外しと、バッテリーのマイナス端子を外す。







 このバイク達に日の目が来ることはあるのだろうか??ある意味、オヤジはバイク乗りにとっては風上に置けない存在だろう。


 いとも簡単に、バイクを買い、簡単に降りていく。いつまでも大切にバイクに乗っている人にとって、正しく、オヤジはバイクに乗ってもらいたくない人間ではないだろうか??ただ、自分なりに大型バイクにチャレンジして、こんな大変な事、あんな大変な事が色々と分かったので、オヤジ的にはバイク乗りは尊敬に値する人種だと思う。だから、今後、車を乗っていても、後ろからツーリング族が来たら、気持ちよく道を譲りたいと思う。


 カタナの車検証、ナンバー、印鑑を持って、パジェロに乗り込む。まずはガソリンを入れ、カタナに入れるガソリンを携帯タンクに入れてから、S2000の置いてあるS車輌に向かう。


 これからの目的はS2000に乗って、北見に行って各銀行の支払いと陸運に行き、カタナの廃車を行うのだ。


 S車輌でパジエロミニのスタッドレスタイヤの交換を頼み、その足でS2000に乗り込む。


 まずはエンジンをかけ為に、イグニッションキーをひねる。しかし、沈黙のままだ。


 「あれっ??何でかからない??」

よーーく、隣を見ると、エンジンスタートのボタンが・・・・

「フフフフ。ホンダさん。やってくれるでないの。エンジンをかけるにも、儀式が必要なんだ。」オヤジは苦笑しながらバックギァーに入れ、S2000を静かにバックさせた。

(この時、若干の違和感が・・・・やけにエンジン音が静すぎるのだ。)

         ↑

  ここ、よーーく覚えていてください。


 早速、ギァーをローに叩き込み発進を行う。オヤジは軽くアクセルを何回かあおり、S2000を走らせた。まず一番先に向かうのはもちろんガソリンスタンド。

「すいませーーん。ガソリン入れたいんですが、この車のガソリンコックを開けるツマミどこにあるのでしょうか??」

テヘッ!!

オヤジはブリッコのように、可愛く笑う。しかし、対応してくれた係りの人は、こんな車に乗って、なんでガソリンコックのツマミも解らないの??と、静かに冷たい視線をオヤジに向けた。


燃料はもちろん泣く子も黙るハイオク!!これで、パジェロ、携帯燃料タンクとS2000のガソリンを入れたら、朝からいっきに1万円が吹っ飛んだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「だ・だってスポーツカーだし・・・・・」ヒクヒクヒク・・・・・


この時、オヤジの顔が少しひきつったのは言うまでもない。


ガソリンを満タンにして、いよいよバイパスに向かう。

 最初はゆっくりと走っていたが、1,260kgの軽い車体に2,000ccの排気量を乗せた車。すぐにも加速したくなる。


「いくぜ!!F20C!!VTECサウンドをアスファルトにたたき付けろ!!」と、オヤジは叫ぶや否や、オヤジは6速トップから更にアクセルを踏み込んだ。S2000は6速トップギァーにも関わらず、さらにグイグイと力強い加速をし始めた。


スピードは直ぐにバトル領域に突入し始めた。


 と、その時、前方に嫌な車が・・・・オヤジはすぐにフルブレーキングを行い、他の車と並んだ。案の定、その車はパトカーで、対向車だったので、悔しそうにこちらを見ていた。


 車の役割は色々とある。


大勢の人を運ぶ。

家族4人を運ぶ。

荷物を沢山運ぶ。


など、いろいろあるが、このS2000は2000ccもあるのに、たった二人しか運べない。これならバイクのほうがはるかに経済的で、速いだろう。


 だけど、こいつに乗って一つだけ確信した。運転が楽しいのだ。

 本当に昔、初めて自分の車を手に入れて、運転をした楽しい感覚がこいつにはあるのだ。


 S車輌の社長はこいつに乗って、「ギァーがどこに入っているかわからん。」と、言っていた。

 このS車輌の社長は湾岸ミッドに出てくる、RGOの太田代表みたいな人であるが、腕は確かな人である。


 そんな人が、なんで6速もあるギァーが分からないんだ??と、オヤジは不思議に思っていたが、実は違っていたのだ。トップ6速から力強い加速をし始める。


この車はまるでオートマ感覚なのだ。混んでいる街の中でも平気で6速で走れるのだ。

 ようやく、オヤジはS車輌の社長の言っている意味が解った。


 こうして、楽しみながら北見に着いたオヤジはまず一番先に銀行の振り込みを行うために、駐車券方式の駐車場に車を向けた。


早速入る。


「ムムッ!!駐車券に手が届かん。・・・・・スポーツヵーですから・・・・・」

 

 オヤジはドァーを開け、半分、身を乗り出してようやく駐車券を受け取った。


そして、係員の誘導にしたがいS2000を駐車場に停めようとバックさせた。



ウォン!!ウォン!!


悲しい事に、S2000は空ぶかしをするだけで、1cmも後ろには下がらなかった。落ち着け!!落ち着け!!と、オヤジは自分に言い聞かせながらも、しかし、S2000は全くバックする気配は無かった。



周囲の冷たい視線がオヤジに刺さる。「ス・スポーツカー・・・ですから・・・・」


「1速、2速、3速、4速、5速、6速。」と、数えながらシフトを行うが、何回やってもバックには入らない。


その時、オヤジは閃いた!!


おもいっきしシフトを叩きつけたら、な・なんとバックギァーに入ったのだ!!最初に感じたバックの違和感は、バックギァーに入っていない違和感だったのだ。


こうしてようやく最初のミッションの銀行への入金は終えたのだった。

 


 冷や汗を流しながらも、今度は最大の難所。狭い駐車場の90℃ターンをしながら駐車券を入れるのだ。おそるおそる、徐行を始めるオヤジ。ここは何としてでも、こすることは避けたい。


と、その時、「この車は初期型ですか??」とオヤジに話かけてきたオヤジと同世代の係員がいた。


「そうです。初期型のAP1です。」と、オヤジが答えると、

「そうですか、あの9000回転回るという、マニア延髄の2000ですか??」と、うらやましそうにオヤジに話してきた。


「実は今日が手に入れて初めて乗ってきたんです。だからバック・ギァーの入れ方が分からなくて、お見苦しい所をお見せしました。」と、素直に話したら、「昔のHONDAのバックギァーは大抵、プッシュ方式だったんですよね。」と懐かしそうに話してくれた。そうして、そのまま駐車券を入れようとしたら、係りの人がわざわざ入れてくれて、こうして無事にオヤジは第2ミッションをクリァしたのだ。


 続いて陸運に行き、カタナの廃車手続きを行う。手数料350円と代筆手数料1,000円で無事にカタナは廃車となった。




本来ならここでお昼食なのだが、まだまだ走り足りないオヤジ!!一気にバイパスを通って、50km先の家に帰ってくる。そして、娘1号と合流して、今度は会社の人に見せびらかすために網走へ向かう。


 その時、よせばいいのに、オヤジはS2000のホロをオープンにする。


※S2000のホロの開閉は電動で全自動です。


10月の寒空、気温は7度。ほとんど冬の気温なのだが、S2000のヒーターは強力で暖かい。オープンスタイルで走っても、全然寒くは無い。


気分爽快!!


こんな時はやはりオープンカーを買って良かったなぁーー。と思う。


えっ??北海道には無意味だっ??冬は乗れない??無意味の車??この一瞬で全ては消し去った。


 この感覚、何かに似ているような・・・・・。


 そうだ!!バイクだ!!バイクに乗っている感覚に似ているんだ!!久しぶりにオヤジは嬉しくなった。


が・・・・やはり周りの冷たい視線に耐えられずに、ホロを仕舞おうとすると、今度はホロが仕舞われない。

「仕方がない、帰るまでこのまま走ろう!!。」


 娘1号も寒くないと言うので、オヤジは替えるまで、このままフルオープンで走った。


 会社に行く前にオヤジの好きな海岸線を流してから会社に向おうとすると、セダンのBMWがオヤジ達を発見して対抗意識を燃やし飛ばし始めた。が、所詮、セダン。難なくオヤジ達はBMWに追いついた。


 そうすると今度は横に走る車と並びオヤジ達を抜かさせないようにし出してきた。オヤジは横にずれて後続車を前に行かせる。


 後続車はゆっくり走る2台にイライラして、BMWの横にならんで走る車の後ろにピタリとついた。少しずつスピードを上げていく車。そして、BMWと少し離れた時に、後ろに付いていた車は、BMWの車線に変更して追い越していく。


 瞬間、オヤジはBMWの車線から、横の車線に移動、追い越しながらまたBMWの車線変更。更に前走車をかわし、車の間をぬうように走って、BMWの集団を後ろに蹴散らしたのだ。


 30代の頃にオヤジは本当にスポーッカーに乗らなくて良かったと思う。


こんなバケモノに乗っていたら、自尊心が働らかなくてきっと事故を起こし、大けがをしていただろう。バイクに乗り、ドライバーの心理を読み、湾岸ゲームを行って、周りの車をぬう練習を行ったので、こんな事が出来るようになったと思う。


 たが、今回の走りでオヤジは確信した。この車はフルオープンにして法定速度で、優雅に走るほうが一番カッコが良いと思う。


 娘1号にもこいつに乗るときは、今みたいな走りっではなく、ゆつくり走るほうが絶対にカッコ良い。と教えたのだ。


 会社に見せに行きその帰り、オヤジ達の車を見た、ミニベンツと言われるA160がまたもやオヤジ達を抜かそうと仕掛ける。



しかし、これもまたオヤジの敵ではなかった。あっけなく後ろに小さくなるA160。


こうして、オヤジは今日は昼飯も食べないで1日中、S2000の性能を堪能したのだった。


 また始めて本物のスポーツカーに乗った娘1号も大興奮!!彼女もまたこのS2000に乗るべく、マニュアルの免許取得に頑張るのであった。










※ こいつの唯一の気に入らない点。







カーオーディがカセット方式なんです。しかも、このカセット。ハンドルの右側にリモートスイッチが付いている特殊なために、今時のオーディオを付けることが出来ません。


 今時、カセットなんて・・・・・ヒクヒク・・・・


「ス・スポーツカーですから。」


 

流石はHONDAさん。


走り以外は何も要らない。という思想。まさしくクールだぜ!!


 こうして、オヤジとS2000の物語は今、始まったのだ!!




 ちなみに、恒例のレディシリーズの呼び名は無しです。

S2000no呼び名はやはりS2000のほうが、クールだと思いますので。