冬の訪れ!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 「温泉に入りたいなぁーー。」これまで、スポーツカー探しを僕と共に探していた友人Kはそう、ボソッと言った。


 ここ数日で、僕はS2000,友人KはシビックのタイプRを一気に手に入れた二人であったが、今までのスポーツカー探しの旅が急に終わり、何だか寂しそうな彼であった。


「明日の休みは俺も休みだが、ガレージの片づけをしたら、昼から暇になるから、一緒に温泉でも行こうか??」と、そう僕は彼に誘ってみた。

「そうだなぁーー。それも良いなぁーー。それなら、俺も片付け手伝うよ。」


 そうして、今日の休日は午前中は彼と共に、ガレージの片づけと午後からは温泉に行く事とした。


 まずは、第一ガレージを片付けてカタナを入れる事とする。























ありがとう、レディイレブン。


 君との付き合いはたった2年ほどだったけど、一緒に走れて本当にうれしかったよ。多分、君との出会いが無ければ、今の僕は無かったよ。





 主を失ったガレージにこれからの為に、除雪機を入れる。

 


 外は雨と言うよりも、もうみぞれに変わっている。

 


 

 

 暗い空を見上げながら、もう冬は目の前だな。僕はふと、そう思った。

 


午後からは家から1時間ほど離れている、札弦の緑の温泉に二人で行く事とした。

 ここの温泉は昔、福山雅治さんやCMで新垣結衣さんが来て有名になった、神の子池がある場所の近くである。




 休日の午後。


 誰もいない静かな温泉で、久しぶりに二人は疲れを癒した。

 


 思えばこの1年間以上、一緒に自分の求めるスポーツカー探しを、近くは釧路から遠くは札幌まで、探しまくった二人であった。


「なあ。yuki。出来れば俺はもっとスポーツカー探しの旅をしたかったなぁーー。」

友人Kは少し寂しそうに答えた。

「何にでも終わりはいつかは必ず来るさ。」

「そうだな。これからどうする??」

「これから、二人してスポーツカーで温泉めぐり。そして旨いソバでも食べる旅にでも行こうか?」と、僕は静かに答えた。

「良いね。それ。」そう答えると、彼は急に元気な顔に戻った。


 誰もいない静かな温泉。


 外はいつしかみぞれから雪に変り始めていた。



こうして、漢(おとこ)達の旅は、スポーツカー探しの旅から、自由気ままな旅へと変わっていった。