クラブ・ミッドナイト:正伝  タイトル オフ S =Sの称号= | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 

 みなさん。こんばんは。今回から新しいお話の始まりです。


 キリンの時はオヤジというキャラを演じていましたが、今回のSの称号からはオヤジでは無く、僕という言葉で書いていきます。また、オヤジの時はコミカルな役が多かったのですが、今回からは結構、ガチでいきますので、あまりのギャップに慣れないかもしれませんが、コメントを書いていただける時は、いつも通りのオヤジで良いので、どうかまた一つ、よろしくお愛読、お願いいたします。


 それと、それに伴い、ヘッダーの画像も変更されたので、良かったらhhttpsを更新してみてください。


m(__)m ペコリ。

 


さて、いよいよ、オヤジの新しい物語の始まりです。


 本物の竜(スポーツカー)を求めていつも探していた。

 そして僕の心の中には常に野獣を宿していた。


 20年前の真夜中の高速道路。

時速180km/hで失速する、当時、出たばかりのFC3Sを軽々と抜き去った白いポルシェの後ろ姿を眺めた時からだった。


 その時運転していたのは、クラブ・ミッドナイトのファーストナンバー:Sさん。

その日からSさんと僕はたった二人の硬派な走り屋クラブ、クラブ・ミッドナイトを立ち上げたのだった。


 しかし、スポーッカーを求める僕の心とは裏腹に、30歳という年代に世間という常識は、スポーッカーを乗るという事を僕に認めてくれなかった。


 そして、僕はいつしか人並みに結婚し、僕の野獣はいつしか心の奥深く眠ってしまった。

 そして、それ以来、僕は20年もの間、良き夫、良き父親を演じ続けていた。


 7年前に母親が亡くなった。その時、少しばかりのまとまったお金が手に入った。 


 僕はすかさずバイクの免許を取り、大型バイクを手に入れた。

 初めて乗った大型バイクは公道では無敵だった。


 
まるで自分が無敵になった存在であるかと錯覚してしまった。

 


 2年前に大切な人を亡くした。悲しみは慣れると言うが、それはウソである。


 

今でも僕は彼女の事を思うと涙があふれる。

 悲しみを癒すように、僕は衝動的にカタナを買い求めた。

 


 少しばかりの間、悲しみはいやされたが、それも長くは続かなかった。

 


 多分、僕の心はもうどこかで壊れているのだろう。自分が正気でないことは分かっているつもりだ。

 

 

 

 これから子供達が未来に向かっての大きな夢をかなえなければいけない時期に、大きな買い物をしてしまった。本当に愚かな行為だろう。

 


 だけど、もう自分の解き放した心にはウソは付けない。

 僕の心の中の野獣は目覚めてしまった。


 HONDA S2000。


 オープンカーとは名ばかりのSの称号を与えられた野獣と共に、僕の心はこれから失った彼女を求めて、永遠に彷徨い続けるのだろう。

 




2017.10.21

 

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