いざ!!札幌へ!!(旅立ち編) | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 昨日はこのブログを書いている途中に、寝落ちして、書いていた内容が全部消えてしまって、心が折れたオヤジであった。そして今日は、昨日の失敗を無くすために、こまめに下書きを更新していこう♪


 オヤジ家は毎年、この時期は必ず数日間、家族旅行をすることが恒例となっている。普段、何も子供達にしてあげられないオヤジの唯一の子供孝行なのだ。そして、先日の22日、23日は久しぶりに土曜日、日曜日の連休になったので、夏休みにはどこにも連れて行ってあげられない代わりの旅行の計画を娘1号、2号に提案した。

 

 二つ返事で大賛成の1号に対して、2号の興味は観光から買い物に変って行ったので、今回の旅行はあまり乗る気でない感じがした。


「そんな旅行に行けるだけのお金あるの?」という言葉と共に、


「お父さんの旅行っていうのは、車で何時間も走るから、もう旅行は飽きた。」と、いう言葉も出てきた。


 そこで、オヤジは父親の威厳を保つ為にも、ある作戦に出た。


「そうか、それは残念だなぁーー。今回の旅行先は札幌を考えていたんだけどもなぁーー。」


「そうか♪それは実に残念だ♪」


その瞬間、娘2号の目がキラリと輝いた。(しめた!!食いついてきたな!!)


「お父さん。札幌って買い物はするの??」


「もちろんだよ。」


「うん。それなら行く!!行く!!行きたい!!」 (やったぜ!!ついに引っかかったぞ!!)オヤジはその瞬間!!心でガッツポーズを決めたのは言うまでもない。


「そうと決まったら、出発の数日前までに、自分の行きたいところのリストアップをしておきなさい。」と、言ってその日は家族会議を終えた。


 数日後、娘1号は札幌近代美術館。芸術の森の美術館。札幌ビール園をいきたいところの候補としてきた。

 そして2号は札幌の街のど真ん中にある、雑化屋を4件上げてきた。


 実はオヤジはこの30年間、北は稚内から南は函館まで、北海道中を車で走り回っているが、たった一か所だけ車で行かなかった場所があった。それが、ここ札幌である。


  オヤジは札幌だけは自分の車で行かない。いや、行けないという、あるトラウマを持っていた。

 

 話は20年前にさかのぼる。


 当時、かみさんと結婚したてのオヤジは、冬、札幌の街をかみさんとバスに乗っていたら、1台のタクシーが後ろを良く確認しないでバックしてきて、オヤジの乗っていたバスに衝突した事があった。


 また、別な夏の日であった。またまたバスに乗っていたオヤジとかみさんは、後ろから猛スピードで走ってくるバイクを目撃した。バスの前には駐車場からバックで出てこようとする乗用車があった。そして、その走行ラインはバイクの走行ラインと重なっていた。


「まずいな。バイクの人。前でバックする車に気が付いていない。」オヤジはドキドキしてバイクを見ていた。


 その瞬間!バイクはオヤジ達のバスを右側から追い越してそのままバックしている車に向かって行った。


ガシャン!!


 と大きな音をたて、バイクはバックしていた車のバンパーに前輪を引っかけた。

幸いなことにバイクは大きく数回バウンドをしながら走り去った。


 後には何が起きたか判らないで、ボーゼンと立ち尽くすバンパーを壊されたドライバーがいた。


 その2回の事故を見てオヤジはかみさんに、「札幌はおっかないとこだ。オヤジみたいな田舎者が走るような場所ではない。札幌だけは車では絶対来ない。」と、宣言した。依頼、20年間、平穏無事な生活を送っていたオヤジだが、2年前の娘1号の進学の問題で、車で札幌に来て、市民マラソンに巻き込まれ、札幌の街を出るまで数時間かかったという、嫌な思い出も重なって、札幌=絶対車では行かない場所。という公式が、オヤジの心に刻み込まれていた。


 そういう札幌の街の中を走れないという、思い込んだオヤジが何を間違ったか、今回の旅行先を札幌に決めたのだから、この旅の行く末はいったいどうなるのか??早くも不安を隠しきれない状況となっていた。



次回に続く。