カタナに乗れることを誇りに思う。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 


 昨日に娘の用事も終わらした本日、今日は久しぶりに何も予定が無い日である。しかも天気は朝から快晴である。




  オヤジはさっさと家の掃除や洗濯を終え、ようやく今年始めてカタナにバッテリーを取り付けた。(と、いってもマイナス端子に線を付けるだけだが。)



 次に昨年、バイク屋から教えてもらったキャブのガソリンを抜き、カタナのエンジンをかける用意を整えた。早速、セルボタンを押す。


 カシュツ カシュツ カシュツ!!


 しかし、残念ながらカタナのエンジンはまるでガソリンが来ないように、全然反応が無い。(あっ!!チーョク引くのを忘れていた!!)再び気を取り直して、チョークを引いて、エンジンをかける。



カシュツ カシュツ カシュツ!!

 


 しかし、またもやカタナは沈黙したままである。(まずいなーー。やはり、半年間も置きっぱなしだから、本当にかからなくなったんだろうか?)だんだん、焦りの表情がオヤジに現われた。(やはりバイク屋さん。呼ばないとダメかなぁーー。旧車だし。)

 


 ふとガソリン切り替えコックを見てみる。(あれっ?RESはリザーブだけども、もう一つのPRIってなんだっけ??)と、スマホで検索してみる。


PRI:これはガソリンを強制的にキャブレターに送り込むためのコックで、ガス欠で止まってしまった、長期間エンジンをかけなかったなど、キャブ内のガソリンが減りすぎてエンジンが始動できなくなってしまった場合に使います。

 


「おおっ!!もしかして、これか??」切り替えコックをPRIに切り替え、心を落ち着かせセルボタンを押す。


 ドウッ!!ドウルルルル!!


ドゴーーン!!

 



 その途端、カタナは半年間の長い眠りから目覚めた!!毎度のことながら、バイクの始動に悪戦苦闘するオヤジである。まあ、大型バイク歴5年という長さでも、ほとんどバイクに乗らないオヤジはある意味、バイク初心者と同じクラスなのである。

 


 だから、バイク編に関しては皆さんのようなベテランライダーよりも、本当にバイクに乗り始めた初心者ライダーさんに読んでもらいたい記事ばかり書いてある。


 少しの間の暖気を行い。いよいよ今年始めてのカタナの出動である。


 カタナの取り回しを行うと、今まで以上に重たい。やはり体力はかなり落ちているようだ。体力の異常に落ちるバトルスーツは着ない。各部分にプロテクターの付いている、メッシュのモンスターエナジースーツとバトルスーツのパンツをはき、オヤジは愛機、カタナのレディイレブンと共に走り始めた。


 行先は初めてこいつと共に行った近間の東藻琴の芝桜公園。時間にして30分ばかし先の場所である。


 レディのエージング(慣らし)もそうであるが、オヤジ自身のエージングも必要であるからだ。


 行先までほとんど交通量がすくないので、たとえ事故が起きても自爆ぐらいなものだからだ。


 カタナは体調が良いと、車体が400ccクラスに見えてくる。が、今のオヤジにはやはり車重が200Kgオーバーの大型バイクに感じる。

 思ったよりも重い。中型バイクと違って、この重さがやはり停止一つとっても苦痛に感じるのだ。


 特に一時停止は最大の注意を払う。一旦、停止車線に止まってから、見えずらい右側の確認の為に少し前に出る。更に見えなかったら、少し前にという繰り返しだ。車なら造作ない事であるがバイク。特に大型バイクに関しては、このストップ・アンド・ゴウは非常に苦痛である。


 バイクは大丈夫だろう運転は出来ない。


 車ならぶつかりそうになると急ブレーキですむが、バイクの場合は最悪転倒。さらに骨折という事態も待ち構えている。


 多分、オヤジは車を運転している時よりも、バイクを運転しているときのほうが安全運転をするし、いっも以上に周りに対して気を回す。

 


 今まで忘れていた危険回避本能が目覚めだす。


こうしてのんびりと目的地の芝桜公園に到着する。緊張でのどがすっかりカラカラとなっていた。












 ここが日本最大の芝桜公園。今はシーズンオフの為、芝桜は咲いていないが、シーズン中はあたり一面ピンク色の綺麗な芝桜が咲き乱れる。


10分ほどスポーツドリンクを飲み休憩後、再び帰宅するオヤジである。


 帰りは少し慣れてきたのであろうか。適度なコーナーの入るたびに軽く体を傾ける。タンクに太ももを挟み込み、軽快にコーナリングを行う。


 多分、バイクの取り回し、扱いやすさ、運転のしやすさは前に乗っていたビューエルのほうがはるかに楽であった。

 400ccにも満たない車重に1000ccの排気量。長時間乗っても疲れないスタイル。


 しかし、オヤジは今、このカタナに乗り換えた。


 実は今日の夜から久しぶりにバイクに乗って疲れたのであろう。

初めて大型バイクに乗って、体力的に疲れてソファーで寝落ちしていた時と同じように、さっきまでソファーで寝込んでいた。


 多分、自分が大型バイクに乗れる体力がもう秒読み段階に入っているのだろう。その体力があるうちに自分の憧れたバイクに乗りたかったのだ。


 この稀代の名車GSX1100S 通称カタナ。



 オヤジはこのカタナに乗れることを今誇りに思う。


PS:本物のカタナ乗りの皆さん。カタナが重いとか、乗りずらいとか言う、そんなヘタレなライダーはカタナ乗りには恥ずかしいから、さっさと降りてくれって言わないで下さいね。(笑♪)