新しい読者は知られていないが、オヤジはクラブ・ミッドナイトというたった4人の硬派な走り屋集団の総長という別な顔を持っている。
クラブミッドナイトとは、かってチューンドGTRの33Rを駆って、現役の首都高ランナーだったSさんとオヤジが立ち上げたたった2人の走り屋集団に、そのあまりにもアホすぎる内容に感化され、前途有望ある若者を捨ててまで入隊した所長さんと隊長さんを含め、現在は活動休止となっている正体不明のクラブである。
そして総長たるオヤジは今日、ニューマシ-ンを手に入れ、数年ぶりに1週間限定のクラブミッドナイトSV(ストリートバーション)を再び立ち上げた。
ニューマシンとはもちろん日本の自動車メーカーで初の市販ミッドシップ車であるテンロク(1600cc)NA(自然吸気)のTOYOTA MR-2である。
このマシンは発売当時、あまりのダサさにオヤジは毛嫌いした。2台目からはスタイルは一新してカッコ良くなったのだが、あのダサさは多分、「輝け日本のスポーツカー!!」というのがあったなら、多分、最下位になるほどのダサさだと思う。(あっ。MR-2のファンの方、別にけなしているんではないので、怒らないで下さい。)
そして、そいつは2年ほど前からいつもお世話になっているS車輌の元に現われた。
最初は「あっ。MR-2だ。懐かしいなぁーー。」と思っていたのだが、それがしだいにどんどんオヤジの心に響いてきたのだ。
歳をとると人は20代の頃に出会ったものに郷愁を憶える。
オヤジにとっては70年代のバイクや車である。それゆえ、カタナを手に入れた訳であるが、このMR-2に乗ってみたいという心が次第に大きく揺れ動いていた。
当時、あれほどダサくオヤジの目に映ったデザインが今ではどんな新車よりも魅力的に思えるのだ。
そして今日、車検を控えたパジェロ・ミニの代車として、MR-2を借りる事としたのだ。
今日は日曜日。娘2号の買い物に付き合う日。
早速、代車として借りたMR-2で走り始める。
今の新車を見ている娘2号には車高が低く、2人乗りで荷物も何も乗せられないこのMR-2は不評である。
娘2号は異常に低いシートに早速、ブツブツ文句を言いだして乗り込んだ。
「まあ、まあ。これはお父さんの青春だった車なんだ。」
と、言ってオヤジは娘2号をなだめすかし車に乗せた。
早速エンジンをかける。
ハンドルが異常に重い。(おおっ!!そうか、当時はパワステなんか無かったしな。)
パイパスで高速走行のテストを行う。
100キロオーバーになった途端、ステァリングを持っ両手が異常に震えだした。
多分、ホイルバランスが取れていないのであろう。
オヤジのパジェロミニでさえ、100km/h超えてもなんともない。
そして105km/hに達した時にキンコン!!キンコン!!という警告音が!!
(おおっ!!そうか、当時は105km/h以上出したら警告音がなったんだっけ!!)
こうしてオヤジは30年以上昔の車の運転を楽しんだのだ。
ちなみに、カーコンポは壊れていて、ラジオもならないので、明日からの通勤は毎日往復2時間、エンジン音だけを聞く硬派な通勤になりそうです。
ちなみに、これから秋が進み加速度的に冬に近づくので、カタナに乗れるのはもう後数回。
そんな時に、こんな新しい玩具を手に入れたら、ますますカタナに乗る機会を失いそうです。
_| ̄|○ ガックシ!!