かみさんがオヤジ家の元から去って、そろそろ1年が経とうとする。
最初は何をどうしたらいいのか途方に暮れる毎日であった。
たとえば朝食。いったい子供達に何を食べさせようか毎日悩んでいた。
青影さん。あの時は朝食のアドバイス。
僕の悩みを聞いてくれて、他の家庭の方の色々な朝食を調べてくれて本当にありがとうございました。
この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
m(__)m ペコリ♪
1年経った今では娘1号にはシャケの切り身などの和食の食材を買い与え、娘2号は只今ダイエットに燃えているので、オカラを買い与えると、自分で何やらダイエット食を作って勝手に食べています。
えっ?オヤジ?オヤジはなんと、毎朝、毎朝納豆で朝食を済ませています。
実はオヤジは今まで納豆が苦手であった。
食べて食べれないことは無いのだが、別なオカズがあれば、納豆よりもそっちのほうを食べたい人であった。が、なんと、今はほとんど360日ぐらいは朝食は納豆のみである。
まあ、栄養的には???かもしれないが、 だって、いちいち朝食を悩むよりも、とにかくお腹が満たさればそれでOKなのである。
休日になれば納豆の他に、お湯を沸かしてインスタントの味噌汁+ノリ+生卵などを加えれば、一応豪華なビジネス・ホテル風朝食セットと化する。
\(・_\)ソノハナシハ (/_・)/コッチニオイトイテ
さて、オヤジ家の朝はいつも秒単位での行動で始まる。
ご飯に5分。食器を洗って、生ゴミの処分を行い、ココの餌+水やり、その後に顔を洗い歯を磨き、最後にココのトイレ掃除。そして出たココの可愛い分身をトイレに流して、子供達を見置くってからオヤジも会社に出社。
という約45分ぐらいの流れである。
今は時計を見ると朝の7時。
まだ布団から出るには15分ぐらいあるな。と、うつらうつらしていると、娘2号が急にオヤジの部屋にやってきた。
「お父さん。●●(娘2号)のセーラー服のネクタイ知らない??」
「お父さんが知るわけないだろう。」
寝起きをたたき起こされたオヤジは少し不機嫌そうに答えた。
「大体、何で今聞くの?セーラー服の用意は昨日しなかったのか?」
「今朝、気が付いたの。どうしょう。」娘2号は顔面蒼白になり、心なしか声は涙ぐんでいた。
その時、オヤジは気が付いた。
「クリーニングだ!!。」
「お前、冬服の時にネクタイを一緒に付けてなかったか??」
「うん。多分そのまま出したから、ネクタイもあるかもしれない。」
オヤジの眠気は一気に吹っ飛んだ。
すぐさま服を着て、クリーニング屋さん向かった。
時刻は午前7:10分。どう考えてもお店は開いていないが、家が隣なら無理して開けてもらえるだろう。
が、残念ながら隣の家の人は、クリーニング屋さんではなかった。
すごすごと肩を落として家に帰ってくるオヤジ。
「ダメダ。まだ店はやっていない。先生に訳を話して、ネクタイなしで行きなさい。」と、オヤジはそう、娘2号に話したら、「絶対いやだ!!。」という、強い拒否がオヤジを襲った。
そして再び、「どうしょう。」と言うばかりである。
かみさんがいたなら、オヤジはそのまま出社して、かみさんにネクタイを取りに行ってもらい、そのまま学校に届ければ良いだけだ。
その前に、クリーニングが終わった段階で、セーラー服を取りに行っているので、こんなドタバタ劇は無いであろう。
全く娘2号ではないが、オヤジも泣きたくなった。
数年前、娘1号が修学旅行の時に、オヤジは一人、洞爺湖まで旅に出て、「500マイルオヤジ」だと抜かして遊びまくっていた。
その時に娘1号が出発前に、クリーニングに出していたセーラー服が、間違って他の人をもらってきて、サイズが全然合わずに、かみさんは一人でクリーニング屋に朝5時ごろに出かけ、電話をかけまくり、玄関をたたきまくりで、何とか無事に娘1号が汽車に乗る前に、セーラー服をもらう事が出来て、駅で娘にセーラー服を渡すことが出来た。
今度はオヤジが子供達を護る番だ。
この時点でオヤジは覚悟を決めた。
我儘でも娘2号にとっては人と違う恰好は絶対嫌だという事。
クリーニング屋の開店は朝の8時か9時。
一応、朝一番で学校の先生に訳を話、クリーニング屋にセーラー服を取りに行く事に決めた。
会社は少し遅れるが、今は娘2号の一大事。
会社には他のスタッフが出社した段階で、少し遅れることを連絡しようと決めた。
時刻は刻々と8時になりつつあった。
「お父さん。先生には病院で少し遅くなる。と、言って。そう言わないと、ネクタイ無しで来なさい。と言われるから。」
と、娘2号が言ったとたん、オヤジは怒った。
「ダメダ。正直に訳を話す。そんな姑息なウソは付くな。」
8時前にオヤジは担任の先生に、冬服をクリーニングに出した時に、ネクタイを同時に出してしまったので、ネクタイを取りに行ってから、学校に向かうので少し遅れる事を連絡した。
その時に、娘がどうしても他人と違う恰好は嫌なので、遅れてでもきちんとした格好で学校に行きたいという事を話したら、担任の先生は分かってくれた。
時刻は8時過ぎ、クリーニング店に電話をしたら5分以上も話中であった。
(多分開いているな。)
そう判断したオヤジは急いでクリーニング店に向かった。
数分後、開店していたクリーニング屋さんからオヤジは奇跡的にセーラー服の冬服に付けられていたネクタイを手に入れたのだ。
家に帰ったオヤジは娘2号を車に乗せて、その足で学校に走る。
失敗をした人間は、そこで怒られたら更にくさる。
オヤジは娘2号には怒らないで、
「娘2号よ。今日は良い経験が出来たな。今度は同じ事が起きたら、まず一度お前が確認してから、いる物が無いかどうか判断してクリーニングに出そうな。」
「そして、何か行う時は必ず最低でも前日には物を用意しておく事。」
「もう、心配事は無いな。頑張って学校に行って来い!!」
「うん。わかった。」さっきまで半分泣きそうだった娘2号は、無事に笑顔を取り戻した。
こうして、オヤジ家の早朝狂詩曲~ラプソディ♪~は無事に幕を閉じたのであった。
またオヤジもいつもとほとんど変わらずに、少し遅れたぐらいで、会社に到着した。
「かーちゃん。まだまだオヤジは、かーちゃんから見たら頼りないかもしれないけど、何とか親子3人、無事にやっているよ。だから安心してそこで見守っててくれよ。」
会社に行く途中、どこまでも晴れている、青い空に向かって、オヤジは一人車の中でつぶやくのであった。

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