幻の津別峠に漢(おとこ)達の哀しみは散った!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車




 ニューヨークの朝はネスカフェで始まる。」という昔、有名なCMがあった。(このCMを知っている人は、かなりの年代だなぁーー。)


 その言葉を真似すると、「オヤジの朝は掃除から始まる。」と言う様に、最近のオヤジは休日になると掃除ばかりしている。

まあ、しないよりはするほうが絶対良いのだが。

 そして、昨日の休日。オヤジはこの家を買って初めて家の周りの草むしりをしたのであった。

 かみさんが生前、「あんた。休日は遊びに出歩いてばかりいないで、たまには家の草むしりでもしてよ。」と散々文句を言われても、それでもやらなかったオヤジではあるが、何故か心境の変化は恐ろしいものである。


 黙々と草むしりをやっていると、なんでもっと早くしてあげなかったのかな。と後悔ばかりである。

そんな中、ふと、今日は友人Kの休日という事を思い出し、最近忙しいというメールが来たが、ダメモトで、メールを送ると、10時過ぎにオヤジの家に来れるという返事が返ってきた。


AM10:00すぎに友人Kはやってきた。


彼は趣味の釣りを行うために、数年前から軽自動車のスズキジムニーを探していたのだが、彼の探す熱意はすごい。


 ここら辺近辺はもとより、紋別、釧路、帯広、旭川、更には札幌というように、片道6時間ぐらいの道のりの街まで探しに行くのであった。


 そして最近になりようやく自分の目にかなう1台を見つけた。という話であった。

 早速、お披露目会という事にしたかったが、すぐに整備工場に出してきたというのであった。

そこで、今日は彼との近況報告を兼ねて、オヤジのパジェロミニで、近間をドライブという事となった。


近間のドライブといえば、もうここしかない。


もちろん、景色のきれいな美幌峠。今日は快晴!!

いっもよりも更に景色が良い事であろう。








 という訳で、あっという間に美幌峠に到着!!

子供の頃は見晴らし台まで駆け足で行けたのだが、やはりシニア世代になったオヤジ達。

 お互いに「ハァハァ!!ゼイゼイ!!」と息を切らせながら、やっとの思いで到達するのであった。

 少しの間見晴らし台で周りの景色を見て、風が冷たいので、さっさと車に戻る。

  駐車場には銀色と赤色にツートンに染まったSUZUKIのGSXが停まっていた。


 そしてオヤジ達は再び走り始めた。


 一般的にオヤジ達がドライブというと、美幌峠⇒弟子屈⇒砂湯⇒藻琴山⇒

網走⇒帰宅。というクッシャラ湖一周の道順なのであるが、途中、津別という看板が見えた。


「!」その瞬間、オヤジは閃いた!!


「なあ、このまま行ってもクツシャラ湖一周だよな。」

「ああっ。」

「どうせなら久しぶりに津別峠に行ってみないか??」

というオヤジの提案に、彼、友人kは興味を示した。

 聞くと友人kは津別峠は初めてだという。

そういうオヤジも30年前に一度行ったきりである。


 ここは昨年、ビューエルでいこうと思ったら、いつの間にか気が付いたら、ガス欠状態で、引き返した残念な思いである場所なのだ。


という事で、急きょ津別峠に進路変更。

 車一台分の幅のタイトで先の見えない急こう配のコーナーが続く。とても普通の車では通ることが難しい。


時折、対向車とのすれ違うために待避所が見える。

 オヤジはそんな難所である道を、グイグイとパジェロミニを走らせる。


すると突然友人kはオヤジに向かって話しかけた。


「オヤジ!!俺もあんたのカタナみたいに、ようやく自分の気に行った1台(ジムニー)が見つかったよ。」

「うん。そっか。」

「あんたが、あのカタナを手に入れてから、毎日、毎日生活に張りがある!!と、言っていた気持ちがようやく分かったよ。」

「うん。そっか。」

「自分の趣味の車があるというのは良いよな。」

「あのジムニーを見たら、あれもやりたい。これもやりたい。と、次から次に思いつくんだ。」

「うん。そっか。」


 オヤジは友人Kが数十年ぶりにうれしそうな顔をするのがうれしくて、さっきからそれしか言葉が出なかった。


 約30分ぐらいで目的地の津別峠に到着した。

友人kは初めてという。オヤジは20代の頃に1回来ただけ。しかもその頃は道はジャリ道でえらい苦労した割に、霧で周りが見え無かった記憶がある。


ここ、網走管内では美幌峠は観光スポットの名所である。が、この津別峠は道が狭く急な登り坂で、対向車が見えないぐらい急なコーナーが多いので、なかなか訪れる人は少ないが、実はマニアの中では美幌峠よりも景色が良いとされる、裏観光名所なのである。


 オヤジも初めて津別峠からクッシャラ湖を眺めた。





まるでお城のような見晴台。


 中は売店や休憩室がある。が残念ながら5月一杯は閉館である。




見晴らし台からオヤジの車を眺めたところ。







 ここがマニアの間では美幌峠よりも景観が素晴らしいとされる、津別峠である。


二人はしばらくの間、津別峠から映る景色を眺めていた。

すると友人Kはボソリと言った。


「なあ、オヤジ。俺達、こんなことをいったいいつまで出来るのかなーーー。」

「たとえ定年の65歳まで元気だとしても、もう10年ぐらいしかないんだぞ。」


「そうだなぁーー。いったいいくつまでこんなことが出来るだろうなぁーー。」

そう言いながら、オヤジも後何年カタナに乗れるのか考えてみた。


 こうして幻の津別峠に漢(おとこ)達の哀しみは散った!!


津別峠を降りたら、町はもちろん津別である。

そこで、友人Kは、

「悪いけど、となり町の北見相生の道の駅まで寄ってくれないか?」と言ってきた。

「どうした。」

「買いたいものがあるんだ。最近、TVで紹介されて有名になった、くまやきが買いたい。」

「くまやき??」

このくまやきはオヤジも知っている。最近、TVで紹介されて急に人気が出始めた、くまの形をしたたい焼きなのだ。

「よし!!早速買いに行こう。」

という事で、甘いものに目が無いオヤジ達は早速くまやきを買いに行く。



あっという間に北見相生の道の駅に到着!!




ここで、くまやきが売っている。

1個150円~180円。若干、オヤジ的には強気の売価である。


気が付けば先ほど美幌峠であったGSXも停まっていた。






 早速、帰宅途中、1個をぱくつく。

うーーん。美味い!!この首をかしげているようなしぐさがまた可愛い。





帰宅途中のリサイクルショップで売られていたバイク。ハーレーかな?と思ったら、どうやらHONDAくさい。


 しかし、ここまでいじると車検が取れるのか、少し心配になった。








くまもんは・・・・あっ!!間違った!!

クマヤキは帰ってから、子供達と一緒に仲良く食べました。



うーーん。やはりド・シリアスよりも、食い気のオヤジ達であった。



_| ̄|○  ガックシ!!



 


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