30年来の想い  ~レディ・イレブン~ | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

まず最初にお詫びを申し上げます。

温泉に行こう♪の続編は急きょ打ち切りとなりました。

まあ、あの後どうなったかは、翌日、再びイオンに行き、その後、メガ・ドンキホーテへ行った後に、石北峠経由で帰宅。

 あの雨の中、まさかのパトカーでの待ち伏せがありましたが、カーレーダーの

お蔭で事なきを得ました。以上で、簡単ながら温泉に以降の続編のお話でした。


 なにせ自分の興味中心で書いているので、すぐに時間が経っと飽きて書かなくなってしまうので。(笑♪)要望があれば後日でも。

(えっ?だれも要望は無いって??_| ̄|○ ガックシ!!)


で、今回は何を書こうというと・・・・・


そうです。昨日はカタナの初乗りとなりました。


ようやくキリンに憧れてらしくなりました。(爆笑♪)


それでは始まり。始まり。



歳を取ると何をするにも新しい事を行う事はストレスとなる。

それが、たとえ自分の好きな事でもだ。


オヤジはこのカタナを手に入れてから、約半年もの冬の間、ほぼ毎日カタナを見続けてきた。

 はたして自分にこのバイクが運転できるのかと??いつも自問自答してきた。


最初、バカなオヤジは何も考えずに大排気量のバイクを手に入れ、そしてすぐに手放してしまった。

 そして身の丈に合ったバイクをようやく手に入れたのに、また手放そうとしている。


400ccカタナの唯一の利点は1100カタナに間違われること。だという。

そう思っているうちに、このカタナもいつの間にか400ccの大きさに見えてきた。


でかいバイクという気持ちが先に立つと、どうしても気おくれしてしまう。

それがいつの間にか自分の中でストレスと感じていた。


そして、一昨日に、ようやくその答えが出る日となった。


天気は晴れているが、時折天気雨が降っていた。しかも風が異常に強い。


どのぐらい強いかというと・・・・・・

 昼から娘と買い物に行く途中ですが、このぐらい強い風が吹いていた。



 前方に砂嵐が発生。(本当は土埃であるが・・・・)



くるぞ!!くるぞ!!くるぞ!!と、思っているうちに・・・・




いきなり前が見えなくなった。(こわっ♪)


目的地は日本一の芝桜があるという。東藻琴芝桜公園である。


早速、エンジンをかける。

カチッ!!クシュンクシュンクシュン!!

「あれっ?バッテリーを充電したのに、何故かからない??」

「あっ。チュークが引いていない。テヘペロ!!」

再び気を取り直して・・・セルボタンを押す!!


ドリュッ!!ドリュツ!!ウォーーーン!!


途端にカタナは図太い排気音を辺り一面に轟かした。


実は展示されていた時にエンジンをかけてもらったときに、何だか頼りない音で、これが1100ccかと、密かに首をかしげていたのである。そんなオヤジの疑問を打ち消すかのように、カタナの排気音は力強く鳴り響いた。


 おそるおそる発進する。そしてすぐに一時停止になった。気がかりだった足つき性は非常に良い。


前機ビューエルXB9Sの車重は175kg、カタナは232kg。

単純計算でも人が1人分重いのである。


 多分、足つき性が悪ければ、傾いた途端に転倒。という惨事が待ち受けているのだが、意外とこのスリムなシートが足つき性の向上をしているのではないだろうか??


とにかく、車重は重たいがZX-14Rの時のように、一時停止が苦にはならない。


「いける!!」オヤジは直感した。

こいつとなら一緒に走れる!!


そして、目的地にめがけて走り出した。


ものの10分も走った頃だろう。


途中、雨が降り始めた。


戻ろうか??一瞬、気の迷いが出始めた。


さらにそれに伴って強風となってきた。


流石の細いカタナであるが、真横からの風には弱い。

狙ったラインがすぐに、20cm、30cm外れてしまう。


(このまま、今日は引き返そう。もう試走会も終えたし、強風に雨が降り出したら、止めても誰も文句は言わないだろう。)

そう、1人納得して少し走ったところで、帰りの道に向かおうとした時であった。


天気は急速に晴れだして、あれほどひどかった強風もピタリと収まった。


「そうだよな。お前も半年間近くもこの瞬間を待ち望んだよな。」



「よし!!このまま一気に突っ走ろうぜ!!」


 オヤジはカタナの前傾姿勢に、さらに深くタンクに胸をあてながら、アクセルを振り絞った。



(ダンダンダーーーン♪ダンダンダ・ダダダダ♪タラララ~~~♪タラララ~~~♪)口ずさむ曲は自然とあの西部警察のテーマソングになっていた。



 いつしか気分は舘ひろし扮する鳩村刑事。完全にオヤジは犯人を追いかける妄想をしていた。


カタナに乗って気が付いたことが2点ばかし。


 まず第一に、バックミラが非常にきれいに映ることだ。60km/hから一気に戦闘領域まで加速しても、後方がしっかり見えるのだ。

これはビューエルの時と大違いで、ビューエルの加速時はバックミラーは完全に使い物にならないので、しっかり後方を確認し、誰もいないのを確認後加速していたのであるが、後方が見えるという事は、はるかに安心感がある。


さらにもう一つ。

 カタナは通常の60km/hで走っていても面白いバイクなのだ。


 ビューエルは街の中を走るときに、片肺状態になり、バスッ!!バスッ!!とバック・ファイヤーをおこし、ギグシャクと安定しない走りの為、早めに町から出て郊外で、常時80km/hぐらいで走っていないとすぐにぐずりだす。


 が、カタナは法定速度の60km/hで走っていても、楽しく走れるバイクなのだ。


これは大きな嬉しい誤算であった。


そう思いながら、目的地の日本一大きい芝桜公園。と呼ばれる、東藻琴芝桜公園に到着!!








  誰かバイク乗りはいないか??と思いながら来たのであるが、残念ながらバイクはオヤジ一人であった

_| ̄|○ ガックシ!!


(実は密かにカタナを見せびらかしたいと思っていた、ゲスなオヤジである。)







このまま、誰にもカタのお披露目会が出来ないとしたら、あまりにもカタナがかわいそうなので、オヤジの馴染みのガソリンスタンドに行く事とした。


ここらへんで、次第に腕が痛くなる。


 想像してみてください。50代半ばのメタボオヤジが腕立て伏せ状態で、バイクに乗っていたら、自然に腕がいたくなるでしょう。


しかし、なんですねぇーー。SS系に乗られているみなさん。

走っていて腕が痛くならないのでしょうか??


腕の痛みが耐え切れなくなってきたときに、ようやく、ガソリンスタンドに到着。



「あれっ?オヤジさん!!バイク、乗り換えたのですか??」

「いやっ。買い増し。前のは廃車にしているよ。」

「オヤジさんも好きですねぇーー。」

「しかし、カタナかぁーー。」


 免許を持っていない従業員も、カタナを見る目が眩しそうにしていた。


 そうなのだ、オヤジ達の世代は、カタナという存在は特別な存在であったのだ。



 手に入れたくても絶対に手に届かない遠い存在。


 そう。あの頃からカタナは神格化されていたのだ。


スタンドの従業員と軽く話を終えて、オヤジは無事に帰宅をしたのであった。




 その日、オヤジは3年ぶりにソファーで動けなくなっていた。


3年前にビューエルを手に入れて、初めてバイクに乗って体力不足の為に、ソファーでダウンしていた時のように、今度もまた、体が全然動かなくなっていた。

「また3年前に逆戻りかよ。まあ、まだまだ時間はある。これから一歩、一歩、お前と一緒に走ろうな。なあ、レディ・イレブン!!」


レディ・イレブン


オヤジがかって20代の頃に自分の小説で登場させた呼び名。



まさかこの呼び名を再び、カタナに付けるとは思いもよらなかった。



レディ・イレブン


 オヤジの中では30年間も思い続けた特別の名前である。



 キリンに憧れ続けた漢(おとこ)の最終地点が、このカタナというのも、また何かの縁なのであろう。








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