時間がいくらあっても足りねぇーーー!! | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

 今朝、子供達が起きるなり、明るい顔をしてオヤジに話しかけた。


 かみさんが二人のもとに出てきて、「これから大変だけど、頑張ってね!」と言って別れたそうだ。

(あのーーーっ・・・かーちゃん!!オヤジの元には・・・・・出てこないのでしょうか??)

 

 まあ、母親の時も親戚やかみさんのもとに、母親は現れたそうだが、なぜかオヤジのもとには出てこなかったので、そんなものかと思っている。


 さて、今日は生前、かみさんと話していた事でかみさんが亡くなったら、家の固定電話を解約して、娘2号にもスマホを持たせる事を約束していたので、朝からその用意を行う。

 前回、娘1号の時は学生証が無くて契約ができなかったことを考え、更に保険証も子供達にそれぞれ用意させた。

一応、契約場所は網走とした。


ここなら万が一、書類の不備があれば1時間もあれば、行って帰って来れる。       

 更にもう2度と行かないと決めていた裁判所に、とりあえず作り直した遺産分割協議書を持っていくことにした。


 9時過ぎに再び郵便局、役場を周り、10時近くに最初は他社からの乗り換えという事で、3人まとめて新しい携帯を持つとどれだけ安くなるか、ドコモSHOPに行きこととする。(オヤジの携帯はソフトバンクです。)

 いきなり、見積もりは3人分でまとめて、今まで払っていた料金+2、000円となった。

「おおっ!!これはナイス!!」早速、ここで契約を行うと思ったが、一応、ソフトバンクにも見積もりを取りに行く事とする。


 その前に、因縁の裁判所。そこでオヤジはある一つの作戦に出た。

それは子供達を連れて行く事である。


「子供たちをきちんと育てていく親。」というイメージを担当者に植え付ければ、良い印象を持たれるのではないかと、小賢しい作戦に出たのだ。

 前回のオヤジは半ズボンのジャージにヒゲがボウボウ。

どう考えても、お金に困っているだらしない父親。という感じである。


 今回は流石にスーツとまではいかないが、身ぎれいな格好に、トドメの勝負時計。時間がかなり遅れるROLEXをハメてきた。

これで、一応、経済的にはそこそこの家庭であるから、けしてかみさんのお金が今すぐに必要ではないよ。という、無言のアピールを行った。


 さらに、子供達に「車で待っていたら暑いから、そこの待合室で休憩させてもらいなさい。」と、あくまでも、良い父親のイメージを演じる。


 担当者が早速、書類を点検。

「あっ。被相続人が違う漢字に・・・・・」

(ちっ!!またダメか!) 「あっ。わかりました。また直して持ってきます。」と、諦めたところ、

「オヤジさん。前回使用した印鑑は持ってきていませんよね。」

「あっ。その印鑑なら持ってきています。」

という事で、そこのところを修正して、印鑑を押して、更に2箇所ほど手直しされたが、全部、修正+印鑑を押して、無事に書類の提出を終えることができた。


 気のせいか担当の係員も、前回よりもはるかに優しくオヤジに対応してくれた。


あっ。今考えたら、普通の行政書士の人は自分でノートパソコンを持ち歩いて

いるから、簡単にその場で修正できるよな。


 そうなんだよね。自分が相手を攻撃すると、相手も自分を攻撃してくるんだよね。


 まずは自分が折れないと、相手も心を開いてくれないんだよね。


 改めて今までのオヤジはかみさんの銀行の口座を守るために、必死になって、自分の意見を無理に通そうとしていたのに気がついた。


まずは自分が心を開かないとね。



北風と太陽のお話!!今更ながら教えられる事だねぇーー。


 晴れて一番の頭痛の種が終わったので、葬式以来初めて気分爽快になるオヤジであった。


続いてソフイトバンクに期初変更+新規契約の見積もり。


 値段は月1、000円ほど高い感じである。まあ、どちらでもいいのだか、一応、ドコモのほうが少し安いので、そちらにする事にする。


とんぼ返りのオヤジ達である。

で、そのSHOPに行くと、開口一番。

「すみません。先ほどの計算が少し間違っていて、こちらの金額になります。」

と、先ほどの担当者が現れ,新しい金額の提示を行う。

 それは先ほどよりも、4、000円ほど高い表示であった。

(くそっ!!4、000円も高いのか!!)

一応、冷静に話を聞くふりを行うオヤジであった。

 一通り、担当者の話を聞くと、「すみません、毎月4、000円はやはり金額的にはかなりの違いになるので、今回はこの話は無かった事で。」

と、オヤジ達はドコモの携帯を買うのを辞めて、そのSHOPを後にした。


 ここで一旦昼とする。


 昼飯を終えたオヤジ家は再びソフトバンクの店に入る。すると、店内は混んでいて、車を止める場所もない。


うだるような暑さの中、30分ほど店内て受付を待つ。


 もうこの段階でめんどくさくなり、オヤジはさっさと契約を終わらせようする気持ちとなっていた。

 結局、2時間ほどの説明受け(気がついたら3回ほど気を失っていたオヤジである。)4時過ぎにようやく新しいスマホの契約を終えた。


 結局、子供達に好きな機種を選ばせたら、ドコモと変わらない値段となっていた。(まったくもう!!)まあ、人生そんなものである。

 お金なんて一円でも安く安く。と頑張っても、結局、どこかで出ていくものなのだ。


 多分、気が張っていたのと、どこかで無理をしていたのであろう。



 家に帰るなりオヤジはソファーに横になった途端、気を失っていた。



気がついたらもう時間は夜の7時。


 娘1号が食事とお風呂の用意をしてくれていたが・・・・なんと食材が全然なかったのである。

 今までかみさんの葬式以来、親戚からいろいろなものが送られ、冷蔵庫の中に食材があふれかえっていたのだが、それも今日で全部、カラとなっていた。

とりあえず、晩御飯は冷蔵庫の中の余り物で終わらせ、明日は携帯のカバーを買うために北見に行くことを娘たちに約束し、食材はその時に買うこととした。


 主夫になって一番困ることは、やはり食材の確保である。食材配送はカタログを見るのがめんどくさくなり、もう2週間程、注文するのを止めていた。

 自分一人ならコンビニだろうが、なんだろうが一応、食べていくことができるが、かりにも育ち盛の娘二人。

一応、満足するものを用意するのが、また大変なことである。

しかも、娘たちも1週間も、三度三度、外食生活であったので、外食は飽きていた。

 いったい毎日、何を買えば良いのだろう??


本当にかみさんは文句一つ言わずにこなしてくれた。



世の中の男性諸君!!



主婦は本当に偉いですよ!!


 今までオヤジも給料さえかみさんに渡せばそれで良かったし、また給料を持ってくるオヤジのほうが偉い!!と、心の中で少しは思っていたいましたし。


 できれば、ほんの少しだけでも奥さんに、労をねぎらってくださいね!!


洗濯物もお風呂から上がって、すぐに行うこととした。


 昔は疲れていたので、休みの日にまとめてやっていたのだが、そうなると、今度は洗濯物を干すのが非常に時間がかかってしまう。

 幸いなことにここは戸建のため、夜遅く洗濯をしても文句を言われることもない。


 掃除,洗濯。これはこまめに行わないと、まとめてやろうとすると、とても大変だし、また時間もかかってしまう。


 一歩、一歩であるが、何とか、かーちゃんがいなくなっても、家族全員で何とかやっているよ。



頑張れ!!とーちゃん!!まだまだ、主夫は大変だぞーーーっ!!








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