悲しんでいる暇なんかねぇーー。 裁判所編。 | クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

クラブ・ミッドナイト:正伝!! =Sの称号= 第2章

TYPE Rの称号を与えられなかったもう一つの悲運の車

  さて、今回も画像がないから気楽に書けるねぇーー。これから、画像なしの1本やりで・・・・・えっ?それは完全に小説だろう。だって?



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ガックリ!!


 今日の午前中はかみさんの治療費のかかった費用が計算出来たということで、北見の病院に走る。

うちはガン保険ともう1本保険に入っていたので、保険の請求に2枚必要である。さらに消化器内科と最後には緩和ケァーに移っているので、各部署ごとに更に1枚ずつ。つまり4枚の診断書が必要となります。


 診断書は1枚8、000円+税金×4枚で34、560円+死亡証明書が更に2枚。

これが5,000円+税金で10、800円。

要するに保険の請求に45、360円ものお金がかかってしまうのだ。


 ここで、保険会社に必要書類の確認をすると、両保険会社ともに、死亡証明書はコピーでOKという答えであった。

 死亡証明書はもうすでに支払い済みなので、今回は診断書のみのお金で良いということですごく助かった。


 片道1時間近くかかって、保険会社と病院に向かって、滞在期間わずか10分弱。

 すぐにとんぼ返りで帰るオヤジであった。昼からは今度は凍結された銀行口座の解除のために、裁判所に向かわなければいけないのだ。


 まずは、後継人の戸籍謄本を貰いに行くためにS車輌さんの自宅に向かう。

2人分で900円なり。しかも奥さんの方の戸籍謄本は網走のために、わざわざ網走まで走ってもらっていたのだ。

 かみさんの除籍の修正に今日までかかったので、役場に行って子供達の戸籍謄本を用意する。450円也。


 ここで、役場の人から遺族年金の関係でついでに戸籍謄本等を用意したほうが良い。というアドバイスを受けで、3枚ほど用意して950円なり。


 本当に役場の対応には頭が下がる思いがした。


 何も知らないオヤジに、これにはこの書類が必要です。と、勝手に教えてくれてすべてめんどくさい処理をやってくれるのだ。


 お役所仕事。とは言うけど、この役場に関しては全然そんなことは無く、安心してすぐに必要な事が完了できた。


 さて、これで必要な書類は全部揃ったので、昼からは裁判所に行こうと考えたのだが、また書類が足りないと困るので、もう一度、念には念を入れて、銀行の担当者に会いにいくこととした。


「すみません。前回、口座凍結の為に伺ったものですが・・・」

と、銀行に入るなり担当者がすぐに出てきた。

 多分、前回、店舗内で大きな声を出したので、オヤジを要・重要人物(ヤクザ関係)と思われているらしい。

 

 担当者は前回と大違いで対応が低姿勢であった。

さらに、もう一度、必要書類が欠けているか、裁判所まで電話をかけて確認してくれた。すると・・・・今度は特別依頼人の住民票が必要なことが分かり、更に銀行では前回いらないと言っていた、遺産分割協議書というものが必要だと分かった。


 もちろん遺産分割協議書という書類はどこにあるのか?????ということで、銀行に聞いたら、サンプルは個人情報の流失となるので見せられない。
その為、
ネットから調べてその用紙を、郵送しますという答えであった。


「郵送??郵送なら早くても1日はかかりますよね。僕は今日中に裁判所に行って、終わらせたいんです。明日からはもう仕事ですから。(もちろんウソだが。)」

 

もう、この銀行はあてにできないので、「自分で用意しますから、もういいです。」と言って銀行を後にした。

その途端、担当者は少しだけ、ホッとしている感じであった。


 S車輌の社長に再び、住民票が必要な事を告げて用意してもらうこととなった。


 そこで、住民票が2枚必要か1枚でいいか、裁判所に確認した時に第一の事件が起きた。


 住民票は1枚で良かったのだが、気になった後継人の戸籍謄本と特別依頼人の住民票を用意すればいいのか確認すると・・・・・


 裁判所側の話では特別依頼人の住民票だけで良いとの話であった。


 ここでオヤジの頭が少しピキピキと音を立て始めた。

「後継人の戸籍謄本が要らないという事ですか??たしか、前回、確認したときは必要という話でしたよね。そもそも、なんで、後継人と特別依頼人の二つに分けて書かれているんですか??」かなり、切れ始めてきたオヤジ。


 裁判所の話では、今回子供達に必要な関係者は特別依頼人であって、後継人は全く関係ない。という話であった。多分、銀行側が勘違いをしたのではないかという話であった。


 まあ、もう銀行は宛にしないし、裁判所には文句も言えないので、そこで電話を切って早速自宅に戻って、遺産分割協議書なるものの作成を開始した。


 雛形通りの作成した時に、相続者全員が署名、押印(実印)をしたーーーと書かれている。

 子供たちは未成年のために、実印は無いので不思議に思い、家から裁判所に電話をして確認する。


すると、そこはオヤジだけの住所、名前と印鑑の押すところで良いから。という話であった。


 かなりおかしな話である??


 相続者全員が署名、押印(実印)と書かれているのに、オヤジだけの住所、名前と印鑑とは・・・???。


 まあ、それでも一通り出来たので、とにかく裁判所に必要な書類を持って行った。一応、雛形をメモリーしておき、最悪の場合は裁判所で直せばいいと思った。


緊張の面持ちで裁判所にはいる。


みんなオヤジを見ているが、誰一人声をかけない。

(ふざけたやつらだ。これが民間の企業なら、一発で怒られるぞ!!)と心の中で毒付きながら近くの係員に話しかける。

「はい、お待ちください。」と言って、その係員はそのままどこかに消え去った。

「?????」と思っていた、今度は別な係員が来た。

再びオヤジは「昼頃に電話したものなのですが。」と言うと、今度はその係員がオヤジの対応をしてくれた。


 そこで作成した遺産分割協議書を見せるなり、

「あっ。ここは3人分の住所、名前、印鑑が必要です。」

「・・・・やはりですよね。だから電話で確認しましたよね。」とオヤジはもう完全に呆れていた。
「いや、私はきちんと言いました。」どうやら、電話で対応してくれた、係りの人らしい。

まあ、仕方がないので、ここで直そうと思い、

「すみません。雛形を持って来ているので、パソコンがあればすぐに作り直します。」と言うと、

「あっ。うちはパソコンは無いので、帰ってから作り直してください。」

(あのーーーう。目の前のパソコンは一体何でしょう???)


全く完全にお役所である。


 自分たちの給料を増やす前に、安くてもいいからオフィスソフトの入っている印刷可能なパソコンを1台、お客さんのために用意しろ!!と思わず言いたくなった。


 ここに来る人、全員が網走の住民でないんだぞ!!中には何時間もかけて来て、作りが少し違うから。という理由で帰る人もいるんだぞ!!


 ここでオヤジは裁判所と完全にバトルモートに突入した。


 しかも、裁判所の話では、そもそも、この遺産分割協議書、自体が必要ない可能性が大との話であった。

「遺産分割協議書が要らない??では何故、こんなにややこしい話になったのですか??」

「多分、銀行の考えですね。」要するに、銀行サイドがこの遺産分割協議書がいらないと判断したら、オヤジ一人で処理が全部できたらしい。


 完全に銀行の逃げ道という話であった。

 

 更に法律上はオヤジの取り分は50%なので遺産分割協議書が無くても、半分までは下ろすことができるそうなのだ。


「それでは銀行にそう言って、下ろすことは出来るのですか??」と聞くと、これもまた銀行の判断ということである。


「それではもし、この特別依頼人が裁判所でダメという判断なら、僕たちのお金が完全に銀行のものになるんですね。」


もう完全に切れたオヤジは色々と毒ずいた。


「いや、その時はこちらで特別依頼人を紹介します。その時は完全に第三者ですから、もちろん謝礼は必要になります。」


 裁判所の担当者に詳しく流れを聞くと。


 ① 遺産分割協議書が必要かどうか調べる。



 ② 遺産分割協議書が必要なければ、そのまま父親に全部処理を任せる事を銀行に通達。


 ③  遺産分割協議書が必要ならば特別依頼人が適正かどうか調べる。


 ④  特別依頼人が不適正なら裁判所で適任の推薦を行う。

(ふと、ここで、裁判所の裁判官と適任者が繋がりがあれば・・・・・と、よからぬ考えが浮かんでしまった。)


と、いう流れになるということなのだ。

 自分たちのお金を引き落とすのに、色々手数料がかかり、更に知らない人にもお金を払わなければいけないのだ。


「最近共稼ぎの家庭が多いですよね。では、もし葬式で大きなお金が必要になり、お金に困った人がいても、裁判所や銀行はそのような人の事を考慮されないのですね。」


 すると、係りの人はオヤジの事を相当お金に困って、かみさんのお金がすぐにでも必要な人間だと思ったみたいだ。


「そもそも葬式は喪主がお金の用意をすると決められていて、法律上はあくまでも個人の資産は守られるべきものなのです。」


 オヤジは悟った。

裁判所は正義の味方なんかではないのだ。


 単に法律に基づくだけであって、それが例え悪いことでも、法律にさえ問題なければ全てOKなのだ。


「わかりました。もう休みは無いので、書類は輸送します。」もう、ここには二度と足を運びたくもなかった。


「そうですね。早く先を進まないといけませんからね。」

「もし、書類に不備があれば、また郵送でやり取りしましょう。」

と担当者は明るく答えた。


 そうなのだ、単にオヤジはお金を早く欲しい訳ではないのだ。単にこの面倒くさいやりとりから、早く終わりたいだけなのだ。



大切な休み中、またこのくだらないやりとりで今日も1日を潰してしまった。


 まだ、オヤジは直接銀行や裁判所に行くことができる。しかし、これがお爺ちゃん、お婆ちゃんなら、いったいどうするのであろう??


そもそも、オヤジのような家庭はいくらでもいる。

中には小さな子供を残して両親ともに事故で亡くなり、お爺ちゃんやお婆ちゃんに引き取られる子供もいることだろう。

そのために行政書士がいる。と、言う人もいるだろう。


 が、今まで過去、同じような繰り返して、裁判所と銀行の横のつながりがないのがおかしい話だ。


 オヤジがもし銀行の担当者ならこの経験で、オヤジと同じような人が来たら、こうゆう流れで必要な書類が何と何が必要です。という、チャート表を用意して、その人にアドバイスを行うと思う。


「くそっ!!全く悲しんでいる暇なんかねぇーー!!」


 そう、つぶやきながらオヤジは肩をガックリ落として家路に向かうのであった。

 









 頑張れ!!とーちゃん!!まだかーちゃんの遺品整理もおこなってないんだぞ!!



かーちゃん!!とーちゃんは負けないぞ!!頑張るからな!!




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